税金だけではない|健康保険の負担も上昇します

税金だけではない|健康保険の負担も上昇します

税金だけではない|健康保険の負担も上昇します

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消費税の増税が2019年10月~になります。私たちの生活がますます大変にはなってきます。しかし、新たに生活者への負担が増える項目があることをご存知ですか?

そう健康保険です。

健康保険制度とは

健康保険とは公的医療保険制度とも言われ私たちの日常生活での医療費が、実際の負担額の原則3割程度で年齢によっては2割だったり1割だったり、無料だったり。

金額によっては高額療養費制度というものが適用になり、私たちの自己負担が少なくなるというありがたい制度です。

ということで大変ありがたい制度なのですが、なかなかうまいこといかずに問題点があります。

私たちが本来負担するべき金額よりも3割で済んでしまうとしたら、残りの7割は誰かが負担してくれています。

このお金の出どころはというと、

私たちが給与天引きや請求書に基づいて毎月払う「健康保険料」と国が負担しています。

このような状況の中、様々な事情で健康保険を使う機会が増えてきています。

例えば先日話題になった高額な医療薬、「キムリア」についてです。ただこのキムリアについては、利用される人数も限られているので影響は限定的と言われていました。

健康保険料の私たちの負担が上昇する

現在でも私たちが払う健康保険料は毎年変動しており、国民健康保険は都道府県によって料率が異なり、それぞれ上下しているのですが上昇傾向にあります。

さらに大企業などは独自で健康保険制度をもっている場合があり、国民健康保険の料率を基に、健康保険制度独自の保険料を用意しています。こちらが非常に料金が上昇傾向にあるというもの実は問題になっています。

お勤めの方も、そうでない方も、ますます今後は健康保険料はますます上昇していきます。

公的医療保険の負担増加は高齢者のせい?だけではない

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健康保険料はお年寄りが沢山病院に行くし、高齢者が増えているから仕方ないよね?と当たり前のように高齢者のせいになっています。

一生涯の医療費の半分は65歳以上で使うというデータもあります。

しかし原因は「高齢者のせい」だけではありません。

まずは以下の表を見てください。

年代別に毎年どれくらい国民一人当たりで医療費を使ったかを表したものになります。よく言われるのが、高齢者の医療費が増えているという点です。

年齢階級別国民医療費(人口一人あたりの国民医療費(単位千円))

年齢層H28H27H26H25H20H20に対して
H28年の上昇率
(%)
0~14歳159.8158.8153.0149.5130122.9%
15~44歳120.4120.1116.6114.4101119.2%
45~64歳279.8284.8278.3277.2254.1110.1%
65歳以上727.3741.9724.4724.5673.4108.0%

厚生労働省のデータより筆者加工

確かに金額的には高齢者の医療費の伸びは疑いようがありませんが、赤字になっている伸び率を見てください。

分母は違いますが、0~14歳の医療費の伸びが一番高いことがお分かりいただけると思います。

0~14歳の子どもがいる方はもしかしたら察しが付いたかも知れません。

①就学前の子どもは医療費の自己負担が3割→2割になったこと ②子育て世帯を呼び込むために、独自の医療費の助成を行う自治体が増えていること

この2つが原因なのです。

特に②については、制度自体はとても良いものなのですが受診する側のモラルも問われてきます。兵庫県三田市のように医療費の助成を見直す自治体も実際に出てきています。

市販類似薬は患者負担を増加する

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まだ検討ですが、医師が処方する軽傷向けの市販類似薬は患者の負担をもっと増やしてもいいのではないか?本当に高度な治療で困った人に、健康保険の制度はあるべきという考え方も出てきています。

確かに私自身もケガをして湿布等をもらうことがありますが、湿布も通常に買うよりも処方箋でもらえば圧倒的に安いですからね。枚数に制限等も実際は始まっていますが、このような市販用でも簡単に購入できるような軽傷向けの物を「市販用類似薬」と定義し、ついに患者の負担を増やす動きが本格化していくようです。

せっかく治療費の助成が出ているのだから、あやしかったら使わなければ損!という発想もわからなくもありません。

ただ、結局は自分が得したつもりでも今の制度の見直しが入り、どんどん補助の金額等が悪くなっていき、ひいては補助の金額が減るどころか、全体の健康保険料の上昇につながりかねません。

増税はなぜか大騒ぎするのに、年金や健康保険はなぜかつらっと値上がりが通ってしまいます。

私もサラリーマンの時は、健康保険や厚生年金が一体何なのかもわかっていませんでした。国が黙って取りやすいところから取れるのが健康保険や厚生年金などの社会保障の部分です。

ただこればかりは、私達も制度を便利に生かして暮らしている以上、お互いさまです。使う方もほどほどに、、みんなが自分だけ得したような気がしているだけです。

このブログを書いた直後に、こんなことがありました

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