MMT(現代貨幣理論)についてわかりやすく

MMT(現代貨幣理論)についてわかりやすく

MMT(現代貨幣理論)についてわかりやすく

MMTとは?

MMTは(Modern Monetary Theory)の略です。

ご存知の方も多いとは思いますが、日本という国は借金大国です。

以下の表は細かい数字はともかく、日本の国債残高を表したものです。国債がとにかく増え続けているという点を見てとっていただければと思います。

公債残高
出典 財務省HPより

国債残高は883兆円

国債とは要するに国の借金です。

10年物国債という商品があったとすると、1口1万円の国債があったとします。

私は1万円で1口国債をかいました。この1万円は国にお金を貸したということになります。もちろん、お金を貸すということは利息が付きます。

10年物国債ということは10年後にまず1万円をかえしてもらい、10年間日本にお金を貸してくれてありがとう。ということでそのお礼として利息が上乗せされて帰ってきます。国債のお金が返ってくることを償還といいます。

その借用証書(・・お金を貸していますよと証明する書類のようなもの)それを債券といいます。

国債が883兆円ということは、国がいろんな人から883兆円もお金を借りているということになります。

私たちが借金を背負ったら普通はどうですか?誰もいい気持ちはせず、返済に追われてストレスに押しつぶされてしまうのではないでしょうか?

しかもその金額は883兆円です。

さらにその金額は増え続けています。883兆円にもなると利息が秒単位で100万円くらいの利息がついていくのです!!

国の借金カウンターというサイトがありますので、その感覚もみていただければと思います。こちらはリアルタイムなので、883兆とは金額がことなるのでご了承ください。

国の長期債務残高というところを参考にしてください。

国民一人当たり、2019年6月現在で約700万借金をしていることになります。

普通はこの状況はヤバいと考えます。

前置きが長くなりましたが、

MMTは財政赤字はいいことだという考え方です。

MMTの解説をいろいろ調べるうえで、国の借金が増えて行くというのはヤバイという常識の視点でいろいろな文章を読んでいくと、書いてある内容がよくわからなくなってしまいます。

日本にもMMTの考え方を擁護する人がいます

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MMTの考え方はアメリカの史上最年少議員のアレクサンドリア・オカシオコルテス氏が主張し始めて2019年の1月くらいから急にMMT理論を主張する人が増え始めました。

MMT理論はデフレ状況下では財政赤字はどんどん増やすべきという考え方です。

先日、麻生太郎財務相が参院決算委員会で増税をするなという意見に対して、「国債の格付けに影響が出る可能性がある、格下げの覚悟も必要」とコメントをしました。それに対してMMT主張者が麻生大臣にかみついたという一幕がありました。

この流れを簡単に説明すると、MMTはまだメジャーな主張ではありません。財政赤字をどんどん増やすべきだという考え方なので、消費税増税なんてやらなくていいじゃないか!凍結しろという主張になります。

消費税増税は財政赤字をわずかですが、カバーするために導入するものです。

それがこのMMTという考え方を主張する人は、赤字(国の借金)は増えていいんだから消費税増税をやめるべきと今までの国の施策をひっくり返してしまうような意見なのです。

このMMTという考え方は、急激に日本にも入り込んできておりその根拠となる理論なども出てきています。

財務省はこのMMTという考え方を非常に警戒しています。

なぜなら、これまで財政赤字を解消しようと何十年も日銀がマイナス金利や消費税増税を5%→8%→10%にしてきて、私たち国民や銀行をはじめとした企業は、苦しみながらも日本が借金漬けでヤバイということを受け入れ、なんとか生活しているわけです。

それが、いまさら・・

すいません、実は借金することは良いことだったみたいです。

今まで国民の皆さん、企業の皆さん!ツライ思いさせてごめんなさい!

なんてことになったら、許せます??

MMTの根拠はまだ弱い

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このMMTの根拠は経済の原則から考えられる推測によるものでまだ主張としては弱い理論です。

日本は日銀が国債を発行することができます。自分の国で国債が発行できる国はデフォルト(簡単に言えば国が借金を返せなくなり破綻をすること)はない。

個人に例えれば借金をしている本人が、使用可能なお金をどんどん印刷できると考えれば確かにその通りです。いくら借金をしても破綻をすることはありませんよね。

借金をじゃんじゃんして、好きなものを好きなだけ買えることになれば、物価に対して無頓着になるので物価が上がっていくから借金が増えることは良いことだ。

ちょっと常識でこの考え方を読んでいくと混乱していきますので注意です(笑)

今日銀は物価上昇率2%を目指しています。

このMMTの考え方で行けば、今のままでいいじゃん!

ということです。

ただ、ここまでの債務を抱えている国はまだないため本当にこの理論が正しいかどうかは未知数です。

だからこそ日本でこのMMTの理論というのは盛り上がってくる可能性が大きいです。借金先進国の日本は今後沈むのか、上昇するのか??

MMT理論の動向に今後も注目です。