日銀のマイナス金利の深堀り示唆で、世界中の市場がいよいよヤバい件

日銀のマイナス金利の深堀り示唆で、世界中の市場がいよいよヤバい件

日銀のマイナス金利の深堀り示唆で、世界中の市場がいよいよヤバい件

日銀の黒田総裁が先日日経新聞のインタビューに応じました。各国が自国の経済優先で利下げ競争を行う中でこれ以上も日本は利下げしようがないと思われていましたがさらに追加緩和の手段としてマイナス金利の深堀も検討していると述べていました。

マイナス金利の深堀りとは

マイナス金利の深堀りの仕組みは図を見るとすぐにわかります。

債券は借金の借用証書です。日本国債があって、10年物の日本国債なら、10年の間に定期的に貸してくれてありがとうということで日本から利息が受け取れます。

その利息は10年物国債よりも20年、20年よりも30年の方が金利が高くなります。

10年よりも20年、30年の方がリスクが高いので金利が高くなります。

そしてその債券の長さと金利の関係を表したのがイールドカーブです。

イールドカーブとは、債券の償還期限の長さと金利の関係を表した表になります。

以下の表は債券のイールドカーブを表したものです。黒が今の状況。そして赤いラインが深堀りしたときのイールドカーブになります。

表にしてしまえばなんてことない表ですが・・

yieldcurb

イールドカーブを単純に下に引き下げただけです。

マイナス金利を深堀りするとどうなる?

マイナス金利を深堀りすると、、要するに金利をさらに下げると借り入れコストが下がります。金利が下がると自国の通貨の価値が下がります。アメリカドルと円を比較すると、

今例えば1ドル106円だったとすると金利を下げれば、原則、円の価値が下がり1ドル107や108円のようにになります。

そうすると日本からアメリカに輸出たときに安くアメリカに販売することができます。とある107万円の自動車があったとします。アメリカに輸出をすると1ドル107円なら100ドル出せば購入できます。

しかし自動車の値段は107万円の車で変わらない状態で、1ドル106万円になってしまったら、アメリカにとっては100ドル出しても購入できません。

日本は輸出産業がまだまだ強いので、日本にとっては円安はいいことととらえられています。

これは利下げを深堀りして得られるメリットと言えるでしょう。

安売りセールはいつか破たんします

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ところが利下げを深堀りすると、どエラい弊害も発生します。

日銀クラスでトップを張っているので、それくらいのリスクは織り込み済みとは思いますが、要は利下げをして自国の通貨を安売りセールをしているわけです。

安いよ安いよー!

ところがそれをすると一般的な小売店ではどうなるでしょうか?

価格競争が起こります。今は世界的に自国通貨の安売りセールが起きていて、値下げ競争が起こっています。

流通業を経験している私は重々承知しておりますが、安売りセールは企業の利益を圧迫し案す。しかしこの利下げで自国通貨を安売りした場合、あおりを誰が受けるのか??

それは日本にある民間の銀行です。

民間の銀行の金利は、日銀の政策金利をもとに決めていきます。これが低下すれば民間の銀行も住宅ローンや、企業に貸し出す金利なども下げるようになります。

民間の銀行も顧客の取り合いです。どうやって顧客を獲得するのか?その一番効果的な方法は金利を下げること。ですよね。

うちの住宅ローンの方が金利安いよーー安いよーーと各金融機関がはじめればもはや消耗戦です。

こうして金融機関は主要業務の貸し出し業務でも利益がとれなくなっていきます。

特に地方銀行は冒頭言いましたが既に危険水域に達しています。

一つどこかの地銀が破たんすれば、連鎖する可能性を秘めています。

今でさえそうなのですから、これ以上利下げという判断をするのはもはや地銀に自浄作用を促しているとしか考えられません。

米中貿易摩擦の懸念のいく末次第

stock

このマイナス金利の深堀りはまだ検討段階です。

なぜ様子を見る必要があるのかというと、米中貿易摩擦がまだ予断を許さない状況だからです。

既に米中貿易摩擦の営業は日本の自動車メーカーを中心に影響を及ぼし、業績悪化が鮮明になっている企業も現れています。

仮に利下げを実行して円安に誘導しても、米中貿易摩擦の影響で自動車メーカーなどの輸出業が全く業績回復せず、

さらに利下げをして銀行の経営がますます苦しくなる。

輸出業も業績回復しないでただ銀行の経営を圧迫しただけの政策になってしまうからです。

マイナス金利の深堀りをもし日本が始めたら、私は他国との利下げ競争に巻き込まれて共倒れすると考えています。

今、金の価格が高騰しているのをご存じですか?

金融危機や戦乱等がおこると、安全資産である金に買いが集中するといわれています。

つい最近まではハイテク株が急上昇!NASDAQはどこまでいっちゃうの?

みたいな話だったのですが、いつの間にかそんな話は全くテレビをにぎわすこともなくなり、ひっそりと金の価格が上昇しているのです。

これは、投資家が金以外は安全な資産が無いと思っているからという心理の表れです。

日本だけではないのですが、世界的に今金融危機が近くに迫っています。

積極的な投資は今は少し控えて、相場に倣って金や米国債を少し保有しておくことも検討しておくことをお勧めします。