GPIFとは?いつも損失を出しているわけではない!!
- 2016.07.30
- 経済
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GPIFとは(読み方:じーぴーあいえふ)私達の年金を運用している
GPIFは年金積立管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)の頭文字をとったものです。
何をしているのかというと私たちの年金の一部を運営管理をしています。
運用受託機関に私たちの年金の一部を運用することを委託しています。
と聞くとなにーー私たちの大切な年金を運用している!?なにやってくれてんのよ!と思う方もいるかもしれません。
もうちょっと以下わかりやすくします。
年金の世代間扶養の仕組みを理解しましょう
私たちの年金の仕組みは世代間扶養といって今、年金保険料を払っている人は、
その払ったお金が積み立てられて将来受け取れるわけではありません。
私達が払っている年金保険料は、今の高齢者のために使われているのです。
年金保険料を払えば、私たちの将来の年金が安泰なわけではないのです。
ということは今の現役世代の人が老後、年金をもらうための原資はその時の現役時代の人がどれだけの年金保険料を納めてくれるかにかかってきます。
日本は高齢化社会を迎え、4人に1人が65歳以上という時代を迎えます。
少子化も加わり、年金保険料を払っている人が少なくなっていきます。
払う人が少なくなっているのですから、払う金額も減ります。
よって、受取る年金額もどんどん減らさざるを得ないのは
いたしかたないと思います。
今の現役世代の人が65歳になるころには今よりも受取れる年金額が減らされたり、
年金保険料の負担が増えたり、
65歳から年金が受け取れるはずが
70歳にならないと受取れない等の措置が必要になってきます。
GPIFの役割
実はそのように将来的な私たち年金保険料を負担している世代の負担を軽減するために
GPIFは年金の一部を少しでも増やそうと運用をしてくれているのです。
増やそうといってもたかが知れているでしょ!
と思うかもしれませんが、驚くなかれGPIFの年金積立額は145兆円もあるんです。
1%の運用益が出ました。
といっても145兆円の1%は1.45兆円です。
想像もつかない規模での運用なので、決してバカにはできないのです。
GPIFが損失を出したとか??
平成27年度のGPIFは5.3兆円の運用損がでたという報道がされていました。
一体どんな運用をしているんだ!と腹が立つひともいるかもしれません。
ここだけみると私たちの年金はどうなっちゃうの??
と不安になりますが、実は平成25年度は10兆円、平成26年度は15兆円の運用益を出しているのです。
当時この損失をめぐって野党がGPIFの運用についても与党を責め立てているという議論がありました。しかし、長い目でみている人は本当に都合のいい時だけ野党は批判をするんだなと思ったに違いありません。
2001年からGPIFが運用を開始していくら運用益を出しているかというと、なんと45兆円です!運用「益」(平成27年度時点で)です。
運用損自体が平成22年度以来というので地道に増やしてくれているため、GPIFの貢献は大きいといえます。
GPIFはなぜ損失を指摘されたのか?
資産配分を変更して、裏目に出てしまった
これまでGPIFは比較的安全資産であった債券と株式の比率は3:7の比率でした。
平成27年度はこの比率を5:5に変更。
少しリスクをとって運用益を狙いに行った結果、
思ったような結果とならず5.3兆円の赤字になってしまいました。
今までの方針でやっていればよかったのに!
という指摘があり大きな方針転換した年にたまたまうまくいかなかったのです。
野党から、格好の攻め材料を与えてしまいました。
日本国民の大切な年金資産をリスクにさらして損失を発生してけしからん!!
という言葉だけをマスコミが拾って一人歩きしてしまい、
やたらとクローズアップされてしまったのです。
発表時期が例年より少し遅かったのはなぜか?
実はGPIFの損失はある程度前からわかっていました。
というのは例年はこの運用成果の発表は7月上旬に行われる傾向があったからです。
GPIFが単年で損失を出すことはそんなに目くじらをたてて
責め立てる必要もないのですが、
ところが平成27年度は7月10日に参議院選挙があり、
この状況を発表してしまうと与党にに大きなダメージを与え
野党に絶好の攻め材料を与えてしまいます。
この損失の発表は送らせて、
与党の勝利となってからGPIFが発表したのでは?
と言われています。
野党も実はこの部分は散々指摘をしていましたよね。これが問題の二つ目です。
GPIFの運用損が出続けるとどうなる?
GPIFが運用しているのは私たちの年金資産のわずか1割部分です。
1年や2年の運用損では影響は軽微だと思われます。
しかし、将来私たちの世代に影響がないかといえば少なからずあります。
この状況が続けば、それこそ年金額の現象、負担の増加、年金支給年齢の開始が行われることになるでしょう。
当面はGPIFは債券と株式の運用比率は5:5のまま変更する予定はないようです。
せっかく払った年金保険料なので、あてにしたいところではありますが、やはり自助努力での老後資産形成も十分に用意しておく必要があるでしょう。
しかし、GPIFは運用によって資産を確実に増やしています。
定期的に運用状況を発表しています
GPIFのトップページを見てください。これまでの運用結果をトップページで公開していますよ。
毎年の運用成果はプラスマイナスあるものの、大きくつみあがっていることがわかるはずです。
運用結果が悪い時だけ、野党やマスコミの批判にさらされますが、かなり年金の上積みに貢献しています。
GPIFの資産配分は投資初心者の参考になります
なんだかんだ言われていますが、GPIFは145兆円という莫大な金額の
運用を任されているので、とても頭のいい人たちです。
資産運用も超がつくほどでは無いようですがプロフェッショナルです。
一般人よりもはるかに資産運用の経験もあり、みなさんの年金資産を預かっている
という責任感がありますのでさほどリスクの大きい運用はしません。
初めて投資を始める人はこのGPIFがどんな商品で株式と債券を運用しているのか
というのをマネしてスタートする人もいます。
資産配分の自分なりの指標としても、GPIFの運用方針はチェックしてみてください。
ちなみに2018年7月~9月は5兆円の収益を出しているようです。マイナス金利により国内債券の運用が思わしくなかったにも関わらず、リスク商品と合わせてもこれだけの収益を出せるプロフェッショナルがいるということです。大きな損失があるときだけ大騒ぎされてしまいますが、きちんと収益も出していることを忘れてはいけません。
ただし、2018年10月中旬以降は日経平均やアメリカ株式がかなり下げが強い時期があったので、今後の運用次第ではマイナスになることも考えれます。また情報が入り次第お伝えしたいと思います。
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