終身雇用が崩壊|安定したライフプランはオワコンの時代
- 2019.05.13
- 経済
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終身雇用が崩壊|FPのライフプランはオワコンの時代
トヨタ自動車の社長が日本自動車工業会の場で「終身雇用を守っていくのは難しい」という発言をして話題になりました。
注目するべきなのは、トヨタ自動車の社長という立場ではなく、日本自動車工業会の場での発言ということです。これは、業界団体に問題提起として投げかけていると察することができます。
トヨタ自動車としては、終身雇用という制度を保つことはおかしいと思うのだけど、他の自動車メーカーさんはそう思いませんか??と言っているわけです。
トヨタ自動車の豊田章男氏は、これだけの規模の会社を率いてなお危機感を感じています。今は自動車メーカーは自動車メーカー他社との競合ではありません。AIや自動運転の技術をもったIT企業が最も怖いライバルとして台頭してきています。
グーグルがインターネットの覇者としての地位を使って、例えば最強の地図を搭載した車の開発、車に行きたい常用を伝えればハンドルを握らなくても自動で車が安全に動いてそこまで運んでくれる。これ、そんなに先の話ではないです。
現在2019年ですが、2,3年くらいでその基盤となるものは完成すると思われます。
トヨタのライバルはもはや日産やホンダではないのです。
利益で2兆円を超えている企業が安泰ではないと言っています。そして、決算発表で、一番社長が懸念しているのは何ですか?というインタビューに対し、
「トヨタは大丈夫だと思うこと」
と明言しています。
何が言いたいのかというと、トヨタが必要としているのは自動車製造工業で働く人員ではなく、自動運転の仕組み等を開発するIT人材なのかも知れません。
また今回の米中貿易摩擦のように、トヨタは何も悪くないのにトランプさんの判断でがらっと経済環境が変わってしまうことも大きなリスクです。
利益を2兆円だしているトヨタでも、研究開発費も2兆円くらい費やしています。この開発費を削減しては、あっという間に世界から取り残されてしまうという危機感があります。
ということは、より効率化を目指していくことになるわけで・・
単純作業は今後ロボットにその職場を奪われて行きます。
では職場を奪われた人材を、申し訳ないから他で働ける部署を探したりしていたわけですが・・
もはやトヨタでさえ、ロボットに仕事を奪われるような単純作業人員はいつまでも雇いませんよ。そんな余裕はないと言っているのです。
経団連の中西宏明会長も同じことを言っています。
「終身雇用なんて守れない」
終身雇用の崩壊によりライフプランもオワコンの時代
私達ファイナンシャルプランナーは、毎月の収入と支出を本人から聞いてその年の貯蓄額を計算し、老後にいくら残って、長生きをしても生活できるのかどうかを診断します。
ただ、これはずっとその会社で今まで通り昇給をして、一生涯勤務して退職金を受取るという前提です。
今後は臨時で雇用されたり、派遣労働者がますます増加してくるでしょう。
終身雇用にしてしまうと、簡単に人材が不要になったときに解雇できないからです。
3年後の収入がどうなっていて、勤務先がしょっちゅう変わっているようであれば将来に向けての不確定要素が多すぎて、正直ライフプランというのは作成のしようがありません。
私達の手がけるライフプランシュミレーションはオワコン(終わったコンテンツ)となってしまうのです
これはみなさんにとっても同様なのではないでしょうか?
今は子どもの教育費がかかる時期だから、なんとか50歳までは我慢してそこから老後に向けて貯蓄金額を増やしてスパートするぞ!!
という計画を立てられるのは、終身雇用が維持されていたからです。
よくよく考えたら本当に恵まれていますね。
終身雇用の崩壊が訪れたら、どう生き抜くか?
いつまでも同じ業種や技術が継続することは難しい時代になってきています。
例えばいずれコンビニのレジは自動化で人がいらなくなります。子どもがひとり立ちするまではなんとかコンビニのレジでパート頑張ろう。と頑張りたくても、コンビニレジの仕事がなくなってしまいます。
私もセミナー講師の仕事をしているのですが、もっと企業がコストを削減し始めると動画を撮影して、社内向けのインターネットでみんながアクセスしてみればいい。
そうすればセミナー講師探しも、セミナーの講師料や交通費なども負担しなくてもよくなります。
自分が計画をたてて頑張りたくても、その仕事がなくなってしまいます。AIやロボットの導入で、どんどん仕事が奪われていきます。
ではどのようにしたらいいのか?
次は何が流行るのかを予測して、適切な努力ができる人材にならなければなりません。これは全人類に言えることだと思います。アルバイトだからそこまでしなくても・・という話ではないと私は感じています。
何が流行るのかを予測するためには?
勉強体質をつくる
とにかく世の中の勉強をするしかありません。資産運用をすると何せお金がかかっているので、自分で投資している企業や業種や国の勉強を嫌でもするようになります。資産運用を始めて無理やり勉強体質を作ることもおすすめです。
適切な努力をする
私は今ファイナンシャルプランナーという仕事をしていますが、今まで述べてきたとおりライフプランはもはや役に立たない、セミナー講師も動画で十分、保険相談もAIが発達してくればこのような年代、世帯ならこのような保険がいいですよ。さらに一番安くなる保険はこれです。と計算できてしまいます。
加入をする人はこのボタンを押してください。あなたの健康状態はブロックチェーンの技術でわかっていますので、告知の必要もなく入れるかどうかを判断します。要するに人が不要ということです。
ということで、偉そうに言っていますが、私自信も安泰ではありません。
密かに私はプログラミング技術の習得をしようと思っています。
AIに仕事を奪われることにおびえるのではなく、AI技術を開発する側に回るということです。
だってプログラミングなんて子どもから勉強している人だっているのにかないっこない。。と思うかも知れません。しかしよく考えてください。
子どもから勉強しているということは、子どもだってわかるということですよ。
単純作業はもはや求められなくなってきています。
トヨタ自動車という日本を代表するトップ社長が、終身雇用は崩壊したということのインパクトは大きいと思っています。
まとめです
トヨタ自動車の社長が終身雇用はもう無理だと発言した。
派遣労働者が増え、多くの人材が業種や職場を転々とする時代が来る。
業種や職場は、ロボットの導入により人材が不要になり、ますます転々とするようになる。
将来設計をすることができなくなる。
自分でこれからどのような仕事が流行るのか、いつ頃すたれるのかをキャッチする感性が必要になる。
それをキャッチしたら、迷わず適切な努力をする。
最終的には・・常に勉強しないと、今後は本当に生活費さえ稼げない時代が来る
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