空き家の火災保険について
- 2019.10.25
- 火災保険
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空き家の火災保険について
空き家に火災保険は必須です。
空き家の物件は通常に住む専用の家よりも、自然災害による損害を受ける可能性が高く逆にリスクが高い物件とみなされます。
住んでいないからいらない。事故なんて起こるわけではないというのは大きな誤りです。
普段人が住んでいないから、逆に損害が発生するリスクが高いのです。
空家はなぜリスクが高いのか?
空家のリスクが高いのは以下の理由です。
- 空家がリスクが高い理由
- 不法侵入により損壊が発生する
- 管理が行き届かないことによる防災対策の不備
- 管理者不在により、災害が拡大しやすい
それぞれ解説していきます。
不法侵入により損壊が発生する
つい先日ニュースにも出ていましたが、増え続ける空家は犯罪者にとっては絶好の隠れ場になります。
空家かどうかは近所の犯人ならばすぐにわかりますし、そうでなくても郵便物等いっぱいになっているような世帯では空家ということがすぐにわかってしまいます。
そこで家を壊して侵入することが考えられます。
仮にそこで数日間生活をしたりするようなことがあれば、破損や火災などのリスクも当然高くなります。
そのような不法侵入者が丁寧に空家をあなたのために扱ってくれるという状況はあまり想定できません。
管理不在により防災対策に不備が発生する
空家になっているということは、普段利用していないのであまり持ち主が資産価値を感じていないということです。管理の優先順位としては当然低くなります。
むしろ管理者によってはいっそのこと災害で無くなってくれればいいのに・・くらい思っている人がいます。
ということで
例えば、地震に備えて耐震対策などもしていない可能性も高いですし、
大雪の落雪対策、雪かきや枯葉除去というような災害の予防につながるメンテナンスなども行っていないケースが多いです。
ちなみに雪かきを怠れば、雪の重さで屋根が損壊したり、枯葉除去を怠ると、詰まって給排水設備が破裂や逆流することがあります。
管理者不在により災害が拡大しやすい
これも当然なのですが、かりに火災が発生した場合。住んでいる人がいれば、燃え広がらないように食い止める作業をするはずです。
しかし誰も住んでいなければ、火災の拡大を食い止める人は誰もいません。
自分の家だけで済めばまだいいですが、隣人の家まで燃え移ってしまう可能性もあります。
火災以外の損害についても同様です。
空家は損害の発生を食い止める人が不在なため、拡大しやすいのです。
これらの理由から、空家は非常にリスクが高いので空家も火災保険は必須なのです。
空家はどのような火災保険を選ぶべきか
空家に火災保険をかける以下の場合があります。
- 店舗として火災保険をかけるケース
- 通常の住宅として火災保険をかけるケース
店舗として火災保険をかけるケース
そもそもその空家が店舗や事務所で利用されていた場合は、当然店舗という扱いで火災保険に加入する必要があります。
ただし、通常の家でもしばらく人が住んでおらず、中に家具などもなく、電気や水道も通っていないような場合は、住宅としてみなされないケースがあります。
これらを「準住宅」という呼び方をして、店舗という扱いで火災保険を引き受けるケースがありますので注意をしてください。
通常の住宅として火災保険をかけるケース
両親がお亡くなりになったことで自宅がそのまま残って空家になっており、今後はそこに住む予定。
または
転勤で一時的に住居が空いているだけで今後は住むことが認められる場合は
通常の火災保険で加入をすることができます。
通常の火災保険は私がいつもみなさんにお伝えしている内容の通り選択していただければOKです。
空家は賠償責任保険も必須です
空家は賠償責任保険が必須になります。
通常に住んでいる建物でも、賠償責任保険が必要なケースがあります。※
※火災による損害はこのケースには該当しませんので注意が必要です。
- 家庭用の火災保険で賠償責任保険が必要なケース
- 自分の家の屋根からの落雪で隣人の車やその他の物を破損させた
- 屋根のペンキ塗りをしていたら、ペンキをこぼして隣人の屋根や壁を汚してしまった
などケースは限りありませんが、自分の行った行為で他人にケガをさせたり物を壊した時にこの賠償責任保険でカバーできます。
店舗、事務所向けの賠償責任保険について
ただ、その物件が店舗や事務所とみなされた場合、通常の「個人賠償責任保険」には加入できません。
店舗や事務所の場合は
「施設賠償責任保険(しせつばいしょうせきにんほけん)」
というものに加入をします。
ということで加入ができないわけではありません。
空家は倒壊や物体の落下等のリスクも高く、隣人に迷惑をかけるケースも多いです。
その際に管理者であるあなたの管理責任が原因だと責任追及された時はこの施設賠償責任保険が効果を発揮するでしょう。
空家の地震保険について
店舗向けの地震保険について
空家が店舗、事務所とみなされた場合は地震保険は原則加入できません。
空家の火災保険は必須です
結論として、空家で住んでいないからといって火災保険に加入しないのはNGです。
空家こそ管理者が不在によるリスクが高く損害が発生する可能性が高いということを覚えておいてください。
空家は保険会社が引き受けてくれないケースもあります
今まで述べてきたように、保険会社にとっては空家の火災保険を引き受けるというのは支払う可能性が高いのです。
病弱の人が医療保険に加入をするようなものです。
前段お話しましたが、やもすれば倒壊したり、全壊することを望んでいるひともいます。望み通り倒壊して、さらに火災保険まで受取れるという不正にもなりかねません。
物件があまりにも老朽化が進んでいるようだと、保険会社が火災保険に加入させてくれないケースもあるということも知っておきましょう。
この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー金子 賢司
これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー、公式HP
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