日本の景気は今後どうなる?GDP速報値2.1%増を受けて

日本の景気は今後どうなる?GDP速報値2.1%増を受けて

日本の景気は今後どうなる?GDP速報値2.1%増を受けて

内閣府は2019年1月~3月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を受けた実質ベースの季節調整値で前期比0.5%増えた。

GDPとはGross Domestic productの頭文字をとったものです。

国内総生産ということであれば、日本の中でどれだけ利益が上がったかの合計がGDPということになります。パン屋さんがパンを100円で売りました。原価50円。この原価50円のパンを作るのに、製粉会社は30円でメーカーに売りました。

パン屋がパンを売った売上50円、製粉会社がパン屋に売った売上30円。

もし日本にこの2つしか店舗がなかったら、合計80円がGDPになります。

もちろんこんなに簡単ではないのでもう少し詳しく説明します。

経済2

GDPを式で表すと

民間需要+公的需要+海外需要

になりますのでそれぞれの項目についてみていきます。

民間需要とは

生活者行った支出・・・個人消費、と企業が行った支出・・・設備投資を表します。

民需は日本国民が使ったお金の総額を表す家計消費と企業が使った支出の総額で構成されます。

公的需要

政府が使うお金のことで、簡単に言えば公共工事請負額を表しています。

海外需要

輸出額ー輸入額=貿易収支(海外需要)です。

日本は自動車産業や家電製品を製造する際の原材料を輸入したり、実際にできた製品を海外で販売するために輸出したりしています。

そのようなやり取りで輸出額から輸入額を引いたものが貿易収支(海外需要)です。

実質ベースの季節調整値って・・

もう一つ今回の数値で知っておきたいのは

「実質ベース」の「季節調整値」というワードです。

実質GDPと名目GDP

先ほどのパン屋さんがパンを100円で100個売れば10000円です。ところが、物価が上昇しパンが120円になりました。

120円で100個売れば12000円になりますね。

この物価上昇を取り除いて出した数値が実質GDP、物価上昇率も含めて算出したGDPが名目GDPです。

今回は実質GDPで発表しているので、より実態に近い数値が発表されていることになります。

とある会社の営業が、前年100万円の車を100台売りました。

今年車の値段が120万円に上昇し、おなじく営業が100台売りました。

その営業は上司にこういいます。

やりました!今年は120万で前年比20万アップです!ほめてください!

上司「いやいや・・物価が上昇しただけやんか・・」

と名目GDPだけ見ていると実態が見えないので、このような発表は実質GDPを使います。

季節調整値

今回のような月次統計は、例えば農林業就業者が春から夏にかけては増加し、秋以降は減少するという季節的な要因で毎年同じような動きをすることがあります。

年単位で見れば毎年同じ傾向が起こるので同じことですが、今回は1~3月期の発表なので他の期間と同じにするわけにはいきません。

北海道の生活費で見れば、5月~7月と1月~3月を切り出すと1月~3月は北海道は冬場ならでは灯油代や除雪など特有の支出があります。このような季節的な要素など省いて発表した数値が季節調整値です。

経済3

実質GDP2.1%増の中身を改めて検証

2019年1月~3月期のGDP速報値は0.5%増となりました。2.1%と言っているのは年換算なので単純に0.5%が3か月分なので0.5%×4期=2.0%。0.5%には端数もあるので年換算なら2.1%だよねという計算です。

へーー日本はGDPは伸びているんだね。。

と簡単に言えない中身になっているので検証していきます。

民間需要について

民間需要は個人消費、企業の支出は設備投資になりますが、個人消費は三越が1~3月の売上1.5%減を発表したりしまむらも前年割れするなど暖冬の影響で個人消費は0.1%のマイナスとなりました。

設備投資にしても中国貿易摩擦の影響で今後の不透明感があるため、積極投資もしづらい状況を反映して0.3%減少しています。

公的需要について

公共投資は1.5%増加した。

海外需要について

1月~3月で0.5%前期比で成長した内訳は内需が0.1%増、外需0.4%ともにプラスになっています。

外需が貢献したんだね・・と思うかもしれません。

外需の中身を見ると輸出は中国経済の減速でIT関連の需要が落ち込み2.4%減りました。輸入はさらに4.6%減少しています。

しかし外需・・すなわち海外需要の計算式を今一度おもいだしてください。

輸出額ー輸入額=貿易収支(海外需要)です。

輸出以上に輸入が減ったということは貿易収支(海外需要)はプラスになるのは当然です。

輸入が減るというのは内需の陰りを表しています。そんなにたくさん輸入しても物を作る必要がないよ、そんなに物を買う人がいないよという状態です。

実質GDP上昇は素直に喜べない

その他住宅投資1.1%増という点もありますが、消費税増税前の駆け込み需要が含まれている部分もあります。またフラット35という住居用ローンを投資用に悪用した事件の影響も少なからずあるでしょう。

GDPを構成する3要素

GDP=民間需要+公的需要+海外需要

を今一度見てみると

民間需要は個人消費、設備投資ともにマイナス。

公的需要はプラス

海外需要はプラスであるもののその中身は

輸出ー輸入で輸入の減少率が大幅に増えただけのことで、輸入の減少が減ったということはひくものが減ったので残りが大きいのは当然のことです。

輸出10で輸入が4なら10-4=残りが6

輸出10で輸入が2になれば10-2=残りが8

今回のケースではたとえですが輸入が2に減っただけの話です。

では輸入部分が減るのはよいことなのかというと輸入が減るということは景気が減速しているということを表しています。国内で作るものが無いから原材料輸入しても仕方ない、国内で買い物をしても買う人がいないから輸入しない。だから輸入が増えない・・だけのことです。

日本の景気が後退局面に入ってきている証拠がだんだんそろいつつあります。

数字は事実なのでしょうが、GDPを盛って伝えているのは増税延期を避けたいため、延期論を退けるためなのかなと推測されます。でも蓋を開けてみれば、日本経済はメタメタになっていることがお分かりいただけます。何か数値が出るたびに今回はどうなることやら・・と心配になってしまいます。

ただ、悲観というよりかはいい時はいい時、悪い時は悪い時の振舞い方があります。まず今日本はGDP増加という発表をしましたが、決して安泰でも、景気がよい状態でもないという疑念の目をもつのも重要です。