FRBが利下げ方針に転換?日本経済への影響
- 2019.06.06
- 経済
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FRBが利下げ方針に転換?日本経済への影響
日経平均株価等が世界情勢に翻弄されている感があります。
とりわけ米中貿易摩擦については、もはや私たちにはどうしようもないので、企業や投資をしている個人は本当に何をしていいのかわからない状態だと思います。
中長期的に私たちが方向性を予想していても、トランプ大統領がツイッターで一言つぶやけば全く方向転換が生じてしまったりと完全にお手上げ状態です。
メキシコにも飛び火
米中貿易摩擦に続いて、今度はトランプ大統領はメキシコにも全輸入品に5%の関税をかけるという意向を伝えました。
この後さらにアメリカの金利が低下、ドルの主要指数(NYダウ、NASDAQ、S&P)は全面安となり、今後は米国発の景気減速があるかも!!と意識した人も少なくないと思います。
アメリカの経済指標に日経平均株価もある程度連動する傾向があるので、日経平均株価も下落が続きました。さらに、アメリカの金利が下がると、ドルが売られ、円が買われる傾向が強くなるので円高になります。
円高が進行し、輸出産業が強い日本企業が多いためさらに日経平均株価に低下圧力がかかるという状態がここ数日続いていました。
GPIFの運用結果を個人的には心配しています
またGPIFたたかれるかな??本当にかわいそう・・と言う心配もしておりました。
GPIFとは私たちの年金の一部を資産運用している機関のことを言います。このお金を運用して増やしていくことで、私たちの年金が少しでも増えるように運用をしてくれている公的な組織があります。
公的な組織ですし、私たちの年金を運用しているので当然責任が重いですよね。定期的な運用状況(損しているのか、プラスになっているのか)という情報を開示しなければなりません。
もっとかわいそうなのが、GPIFはプラスになったときはさらっとしか報道されるか、全く触れられない。マイナスになったときだけマスコミや野党などにボコボコにされるというかわいそうな組織なのです。
こんな状況ではプラスにできるはずもなく・・長い目で見ればこのGPIFという期間は大きく資産を増やしているのですが、期間で切り取ってマイナスが出ていると指摘されても・・投資とはそんなもんだし・・という言い訳を世論は聞き入れてくれません。。
話はそれましたが、今資産運用はなかなか中長期的な予想を立てていくのは非常に難しい状況で、絶えず世界情勢や要人発言などに注目し、そこから発生するトレンドに乗っかっていく必要が出てきています。
または、王道ですが積立投資(毎月一定額を運用すること)で大きな経済のトレンドは注視しつつもほったらかしで資産を大きくしていく。
この2つしか方法はないのかなと思っています。
FRBの利下げ示唆から予想できること
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が
「米経済の動向を注視し、景気拡大を持続させるためには我々は適切な行動をとる」
と発言しました。
このように偉い立場にいる人たちは自分の発言で、株式市場などが大きく動いてしまうので、言葉には注意を払います。
仮にパウエル議長が・・
「きついから利下げしようかなーーどうしようかなーー」なんていう発言をしてしまったら、市場は利下げを確信してしまい一気に市場が動き始めてしまいます。
今回の発言はそれに近いものがあるのですが、全く利下げという言葉を使っていません。それが要人発言のポイントでもあります。
もやっとした発言を受けて、今回は市場がどのように解釈をしたかというと、
これまではアメリカは金利を上げ続けていました。今年の序盤までは今後は利上げするのか?いつこの利上げがストップするのかという流れだったのです。
ところが米中貿易摩擦が第一弾、第二弾と続くたびに長期的な展望が暗い影を落とし始め、いつの間にか、今年度中の利下げ予想が出始め、さらには専門家の中には利下げが3回あるという予想も出始めているのだとか?
利下げをするとどうなるのか?
利下げすることを緩和とも表現しますが、金利を下げるので企業は設備投資をするためにお金を借りやすくなり、個人も住宅ローン等が利用しやすくなるので購買意欲が増していきます。したがって、景気を押し上げる効果があるというのが一般的な効果です。
米中貿易摩擦の影響でアメリカの物価も上昇傾向にあり、関連企業も打撃を受けているので景気は下降局面にあります。まだ確定ではないですが、このようなときにFRBは利下げをすれば、景気が回復することになります。
その利下げという判断をいつ実行に移すか?というのを世の中は大注目をしています。
投資家はこのような情報は非常に早く、ニュース等に出る前に様々なアンテナを張り巡らせて情報収集をしています。
これを織り込み済みという言い方をするのですが、今回のようなFRB議長の利下げ発言で早い人はもう利下げ予測の場合の運用も意識してスタートしています。
が、一般的には要人発言がこのように示唆をするような発言が具体的に出たときに市場は動き始めます。
さらに実行に移したときにもう一段市場が動くというような流れになります。
利下げという言葉を言ったわけではありませんが、パウエル議長が利下げも考えているんだなという安心感が今回は株式市場を安心させ、上向きに転じ日経平均株価も上昇を見せました。
米中貿易摩擦から始まり、メキシコへの関税・・さらに今ヨーロッパ各地をトランプ大統領が訪問しています。。いったい何を言い出すのか不明ですが、自国保護主義を継続すれば、世界経済の悪化を招く可能性があります。
利下げ効果も永遠ではありません。どんどん下げていってしまえば、アメリカの金利だって極端な話ゼロになってしまえばそれ以上に下げることができません。
そうなるともはや金利政策で景気対策をするという選択肢はなくなってしまいます。
パウエル議長の金利発言には常に注目しておくようにしましょう。
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