節約家計で知っておきたい、「サブスクリプション」と「ダイナミックプライシング」
- 2019.06.10
- ファイナンシャルプランナー(FP) 経済
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節約家計で知っておきたい、「サブスクリプション」と「ダイナミックプライシング」
さまざまな価格設定方法が現れ始めました。
どんな業種でもお客様にいくらで販売するか?というのは重要な課題です。
当然赤字では提供はしませんが、原価に利益をあまり上乗せせずに価格を安く設定しすぎても利益がほとんどありませんし、原価に大きく上乗せして高く設定すれば同業に価格競争に負けてお客様を取られてしまいます。
そこでさまざまな業種で取り入れられている値付け方法として、「サブスクリプション」と「ダイナミックプライシング」について少し深堀していきたいと思います。
サブスクリプションとは?
私が今ハマっておりますジャザサイズなんていうのも実はこのサブスクリプションなのですが、簡単にいえば定額で利用できるサービスです。
毎月●●円払えば使い放題。ということですね。
最近はラーメン屋さん等も毎月一定額を払うとラーメンその月食べ放題というサービスもあるのだとか??
車のリースなんていう形態も最近知られるようになりました。
毎月1万円で自動車を自分のもとで使えるようになる。月額を上げればさらに高級な車を使えるようになり、車検や自動車保険代金もその中にコミコミになっている。若干この車のリースについてはトラブルも発生しており、徐々に改善はされているようです。
ただ、サブスクリプションが盛り上がるのは実はネットショップの利用が増え始めていることが大きな要因です。
車のリースにしても、修理代などもコミコミになっており車が古くなったりすればだんだん修理の頻度が増えたりで、長い期間をかければコスト高になることも考えられます。
ところがサブスクリプションの最たる事例はキンドル(Kindle)やアップルミュージックだと思っています。
キンドルは様々な書籍をスマホやタブレットやキンドル専門ツールを利用する等で読むことができるサービスです。本屋に行かなくても、簡単に本を購入することができます。
キンドルのサブスクリプションは980円で書籍が購入し放題ということです。
キンドル対応していない本もあるのですが、かなりの書籍をキンドルで読むことができます。毎月一冊本を購入すればモトが取れてしまうということになります。
コミック等は全部で10巻等で1冊、2冊の購入では済まないですよね。つまらなかったコミックならともかく、次も読みたいという衝動にかられどんどん購入してしまう、、または面倒なのでまとめて買ってしまう可能性大です。
そのような時はこのサブスクリプションという制度を利用した方が断然お得になります。
音楽サービスやこのような電子書籍はお店としては在庫を持つ必要はありません。音楽は無形ですし、電子書籍は実際の本を店舗で在庫しているわけではないので、会員が増えれば増えるほどサービスの発行元は利益が増えていくことになります。
私たち消費者はサブスクリプションという購入方法を設定したからには利用しないと損なので、そこを見極めて利用する必要があります。
ただ、そこまで難しい判断でもないですよね。
キンドルなら月額980円なので、毎月980円以上書籍にお金を使っていればもとが取れている。980円分以下ならもとが取れていない。それだけです。
あとは全てキンドルに対応しているわけではないので、自分が読みたい書籍がキンドル版になっておらず結局本屋で購入したという頻度が多ければ継続を検討する必要はあるでしょう。
生活費を抑える手段として、例えば車のリース、飲食店の利用、書籍や音楽の購入等自分の嗜好と使用頻度を加味してサブスクリプションを導入することも一つのアイデアだと思います。
ダイナミックプライシングとは?
最たる事例が観光業ですが、観光業は繁忙期と閑散期があり繁忙期はホテルが一杯、閑散期は部屋がガラガラという状態が課題になっていました。
そこで繁忙期は部屋の値段を上げて利益をとり、閑散期は部屋代をぐっと下げて利用を促進する。
消費者にとっては面白くないかも知れませんが、この事例に上げたホテルが良質なサービスをするためには必要な手段です。
このように価格を機動的に変更することをダイナミックプライシングと言います。
近年ではUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)がダイナミックプライシングを導入したことで言葉が知られるようになりました。
アミューズメント施設も閑散期と繁忙期の人の出入りの波が大きくなる業種といえます。ここにダイナミックプライシングを導入したというのは非常に画期的だと言えるでしょう。
さらにJリーグやプロ野球でも一部導入しているチームがあるようです。
最近はやりの民泊も実はこのダイナミックプライシングを採用しています。
企業としては常にサービスの従業員を置いておかなければいけないので、繁忙期と閑散期の差があまりない方が助かります。ダイナミックプライシングを利用することで、解消されるのでいろいろな場面でこのダイナミックプライシングが導入されるのは「避けられません」。
サブスクリプション、ダイナミックプライシングで今後変わること
サブスクリプションやダイナミックプライシングが導入されればガラッと私達の家計が変わってきます。
例えば今まで毎月本を3冊くらい購入していた人が、キンドルで毎月980円払えばそれだけで済んでしまいいます。
反面ダイナミックプライシングによって、サラリーマンの人たち等はおおよそ休みが取れる日程に大差がないので、正月やゴールデンウィーク、その他飲食店などでもクリスマス等混雑するときは席代を高く設定されたり、企業のさじ加減で私達の支出がコントロールされてしまいます。
私達の生活の様々な場面で、サブスクリプションで価格を下げられる部分もあれば、ダイナミックプライシングの影響でいつもより高くつく場面もあるかと思います。
あえて閑散期を狙って、安く利用するというように私達が積極的に動く、調べる等をしていかないと、高値掴みをしてしまうことになりそうです。
今後さまざまな場面でサブスクリプションやダイナミックプライシングという価格設定は増えていくと考えられます。
特にサブスクリプションはその時は、定額で利用できてもカーリースのようにリースが終わったときに、精算のように多額のお金がかかるケースがあります。利用前に十分は説明はされますが、ほんとうにその支出は定額利用だけで済むのか?その他の金額が発生しないのかを十分確認したうえで利用するようにしましょう。
今までの支出傾向を見直し、ここはサブスクリプションを利用することで抑えられますし、ダイナミックプライシングを採用しているものについては、いつがお得か?
ここは一大イベントだから高くても行っとくか!
のような判断が必要になります。いずれにしてもこれらの価格設定は私達の家計に影響を及ぼします。
サブスクリプションとダイナミックプライシングをうまく活用することをお勧めいたします。
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