老後に必要なのはお金だけではないという話
- 2019.07.12
- ファイナンシャルプランナー(FP) ライフプラン
老後に必要なのはお金だけではないという話
最近いろいろな側面から老後について考えさせられることがあります。
老後に必要なのは最近話題になっている、お金もそうなのですが、
健康と仲間・・というか生きがいとでもいうのでしょうか?
①お金
②健康
③生きがい
老後はこの3つが必要だと考えさせられます。
①のお金については今のご時世、ましてやこのブログでもさんざんお伝えをしているのでお腹いっぱいかもしれませんので、ここでは割愛いたします。
もし見ていない方はこちらをご覧ください
老後でお金以外に最も困ること
この日お会いしたお客様とお話をしている中で、ちょっとびっくりする話があります。これは若い人には全く分からない感覚かもしれません。
今高齢の方が、お金の不安ももちろんなのですがそれと同じくらい困っていることは何だと思いますか?
それは、、
何もすることがない
ということです。
ちょっとビックリですが、
これにはいろいろ理由があります。
そもそも体調が悪くてあまり動き回れない、不安で何事のも楽しむ余裕がない。というケース。
若い人にはわからないかもしれません。
明日、無事に朝起きれるかどうか?がすでに毎日の心配事になってきます。
その他にも
お金がなくてやりたいことが何もできず身動きが取れない。
高齢の方はこのような悩みを持っている方が非常に多いです。
私は介護施設を担当していることもあり、入居している方ともお話をする機会がとても多いです。その中で一番よく出てくるお話が、病院と施設を行ったり来たりで何もすることがない。
または何かやりたいけどもやる気力がない。
というのです。
この日お話した方は、若くして障がい者でずっと仕事もしてきたため、障害年金も受け取っており、将来的にもぜいたくさえしなければお金が無くなることはないようです。
人工透析を抱えており、毎月の医療費は膨大な金額になるはずなのですが、障碍者であり、住民税非課税世帯であるため、毎月の医療費は8000円で済むそうです。
これは高額療養費でもなく、住民税非課税世帯という低所得者には特別な医療費の免除制度が用意されています。厳密には免除ではなく、一旦自分で立替えて後から還付を受けるのですが、
要するに自己負担はさほどかかりません。
この方いわく、
「これで医療費3割負担だったらもう生きていけないよ・・」
「せめてお金に困ってなくてよかった・・」
とのことです。
とはいえ、この方は住民税非課税世帯であり、昔から障害年金という国の制度を受けられる状態であるために何とか出来ている人の事例です。
もちろんこの方は障害者ゆえに不都合な面もありますが、この方は今は特にお金の面では困らない状態にあるのです。
では、もし一般的な人だったらどうでしょうか?
この方はまだ本来であれば後期高齢者ではないため、健康保険は3割負担です。
そしてかなり若いうちから障害年金に加えて、通常の労働もしていたので貯蓄もあります。障害者手帳もあるため、日常生活も有利に過ごすことができます。
一般的な人の場合は同じ状況であれば、自己負担は多くもう少し自体は深刻です。
老後は運動も大切
別の事例です。高齢者のお話ですが、脳の血管が詰まって先日手術をしたという方がいらっしゃいました。
手術をして、大事には至りませんでしたがある程度回復したら運動をする習慣を身に着けるよう医者に勧められたそうです。
本人は何かしなければというのはもちろんわかっていますが、何をしていいのかがわからない。そうです。
ウォーキングを始めましたが、毎回同じようなコースであったり、毎日一人で歩いているので飽きてしまったり長続きしません。
毎回医者に同じことを言われては結局何もしていないのよね・・
とのことでした。
医者は病気を見てくれますが、どんな趣味がいいのかまではさすがにアドバイスはしてくれません。
もちろんウォーキングくらいは案内してくれるでしょうが、それが飽きてしまったということではじゃあこれにしてみてはどう?あれも最近流行ってるよ!!
まで面倒見てくれるお医者さんはいないでしょう。
何もすることがないということに関しては、「生きがい」を見つけるしかありませんし、
健康を維持するためには、「運動」は欠かせません
食事もあるでしょうが、食事は医者もアドバイスはしてくれるでしょうし、自分でも想像がつきやすいです。
「生きがい」、「運動」を一から始めるのは難しい
生きがいを見つけたり、健康のために運動をしましょうと簡単に言いますが、全くやったことにない人にとっては本当にハードルが高いです。
そもそも自分に何が向いているのか?
を探していくことからスタートです。
何かをスタートしようと写真のセミナーみたいなものに参加したら、やたら高齢者扱いされて面白くない雰囲気になったり、そもそも邪魔者扱いされたりすることもあるようです。
何が言いたいのかというとこればかりは、若いうちから習慣をつけておくしかないのです。
若いうちから、仕事をして、運動をして、友達を作ってというのを積極的にやっている人はすでにそれが習慣になっているので、
ここまで話をしてきた内容が意味が分からないくらい
楽しい老後を過ごしているでしょう。
少し大変かもしれませんが、これらを並行して行うことで老後は今まで続けてきたことをただ続けていけばいいだけになります。
例えばマラソンを趣味にしていたとします。
これは私自身の経験ですが、私もフルマラソンを経験したことがありましたがあまり練習せずに、事前に2~3回チョロっと走っただけで出場しました。
私の場合は部活を小学校から大学までやっていたので、体力はかなり自信があったということもあります。
しかし、私は忘れもしません。
後ろから「ハーハー、ゼーゼー」という息が聞こえて後ろから抜かれてしまいました。
なんと私を抜いていったその人はおそらく70~80歳くらいの老人でした。
「やっぱり長年続けてきた人にはかなわないよなぁ・・」
そんなことを思わされたこともあります。
1からスタートするのはなかなかハードルが高いですが、昔からずっと続けていればもともと知り合いもいるでしょうし、特に苦手意識もなく継続できる。
ただ単純にそういうお話でした。
内容はとってもシンプルなのですが、今仕事の中で高齢の方と接する中で、
やることが無い、
こんなことなら早くお迎えが来てほしい、、
本心かどうかはわからないですが、
実はこういっている方はかなりの数存在しています。
お金が最優先です
ただ、まずはお金の問題が最優先です。繰り返しになりますが、やることが無い、早くお迎えが来てほしい、、という状態にこのままお金がいつまで続くのか?という不安が加わったらどう思いますか?
想像してみてください。
貯金が今1000万あります。あなたは例えば、今70歳です。
毎月年金だけでは生活ができないため、5万円ずつ貯金1000万円をとりくずしていきます。
すなわち年間で60万円貯金をとりくずしていきます。
10年経ちました。80歳になりました。
貯金は60万×10年経過しているので、1000万あった貯金が残りの貯金400万円です。
配偶者が介護施設に入りました。200万円入居費用で掛かるとします。
えっっ!!貯金400万しかない・・
せめて子供に援助してもらおう、、
半分の100万援助してもらいました。
残り貯金300万円です。
80歳時点で貯金300万です。
配偶者が施設に入ったので、昔ほど生活費は掛からないにしても人間の平均寿命まではまだあります。特に女性はあと6年、7年あります。
もう一つこんなことも注意です。
70歳を超えるとほぼ毎日病院に通う高齢者が多いです。
健康保険適用で、通常の医療費の3割だけ負担をすればよかったとしても、毎月1万円程度の負担は発生します。
人生100年時代を視野にいれて、100歳まで生きると考えたらこの状況はどう思いますか?
薬が途絶えると、数値が悪化したりする病気もあるため、
食費を削って、薬代をねん出している方もいます。
まずは老後のお金を確保すること、それに加えてやりがい、健康を早いうちから開始しておくことがとても大事です。
生きがいと健康を同時に解決できるのは運動なのかな?と私個人的には思っておりますが、ここは人それぞれです。
若い方は必要性は感じないかもしれません。
ただ、いろいろな方とお話をしていて感じるのは、
皆さんそのようにお金や様々な老後の備えをしてこなかったことを後悔している人が非常に多いです。
最優先はお金の問題を解決すること。
資産運用をただやったことが無いから貯金しておけばいいという発想は、非常に危険。
どれくらいのお金が必要なのか、どんな老後を過ごしたいのか?
それに対しての対策を立てる。ライフプランを立てる必要性を改めて感じた次第です。
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