米国株式の最低手数料が無料になりました
- 2019.07.13
- ファイナンシャルプランナー(FP) 株式 資産運用
米国株式の最低手数料が無料になりました
ここ数日、ネット証券各社が米国株式手数料の値下げ競争を繰り返し、ついにSBI証券から手数料無料!というバズーカが飛び出し、楽天、マネックス証券も続くようになりました。
厳密には取引手数料は約定代金の45%なのですが、1セント未満は切り捨てになるので、0米ドルになりますよ。ということです。
具体的には2.22ドルの取引を行った場合、
2.22ドル×0.45%=0.999
なので
1セント未満(小数点以下)は切り捨てで手数料は0米ドルとなりますよということです。
最大の取引手数料は20米ドルになります。
アメリカの主要株価指数は、絶好調。ハイテク株を中心に上昇し続けてきました。
ただし、米国株式を購入するには日本円をドルに換える必要があり、その際は手数料が必要です。
米国株式を扱うためには当然必要な手数料なので、ここも同じく競争になっており、
各社横並びで25銭となっています。
資産運用を始めたいと思う人にとっては米国株式と聞いただけで危なくてしょうがないと思うのではないでしょうか?
米国株式になぜ各社が力を入れているのか?
実は今米国株式が注目されています。たくさんのインフルエンサーと呼ばれる人たちが、米国のインデックス投資信託を推しています。
それはそれで確かに一役買ってはいるのですが、実際米国株式の各指標は順調に伸び続けています。
7月11日のアメリカ市場ではダウ工業株30種平均という指数が史上初の27000円超えを果たしました。
ダウ工業株30種平均とは
NYダウ工業株30種といってアメリカを代表する企業の株価の平均です。
あくまでも30種の平均なのでアメリカの世の中の景気を表しているのかと言われるとクエスチョンではありますが、
頻繁に30種の入れ替えが行われており、その時の時代に見合った企業を選抜しているため、おおよそこの数値でアメリカ市場の動向を見て取れますというのは決して言い過ぎではありません。
その他にもNASDAQというハイテク株中心の指数やS&P500という指数もあり、この数値も軒並み上昇を続けています。
それに引き換え、日本の代表的な指数である日経平均株価はどうでしょうかというと大体アベノミクスがスタートした2011年後半に一時的に上昇しました。
ところが、よくよく考えれば2008年ごろのリーマンショックから始まって東日本大震災と最悪の時期でひどすぎただけ・・
という感もあります。
そうはいってもまあアベノミクス効果が仮にあったとして、2011年後半から日経平均株価も上昇をしました。
リーマンショックの時も我慢して資産運用をしていた人はこの2011年以降でかなり儲けたはずです。
ただそれ以降は同じような株価を行ったり来たり・・
まったく上りも下がりもしない状態が続いています。
投資をしたって大して増えやしない・・減りもしないけど・・
日本市場って面白くないよね・・
そうこうしているうちに数年が経ち、、投資家は気づき始めました。
アメリカに投資したほうがいいんじゃね・・!?
実際アメリカのNYダウ平均30種は2008年の8500円から、10年かけて約3倍になりました。
ということはですよ。。
NYダウという数値に100万円を投資していたら、10年間で300万になっていたということです。
ということで様々な情報誌やインフルエンサーと言われている方々がアメリカ株に投資をしてみましょうというようになり、一気にこのアメリカ市場が盛り上がっていることが注目されました。
そこで各社が米国株式の間口を広くするために手数料の値下げに踏み切ったと考えられます。
米国株式市場に乗るべきか?
積立での運用なら乗るべきだと思います。ただ、積立の場合は特に買い時も何もありません。ほしいときにスタートしましょう。
積立というのは毎月1万円、5千円とかを毎月コツコツ運用に回す方法です。
今から米国に一時金で100万円ドーン!と投資して、10年後300万になるかというとちょっとむずかしいかな?と思います。
あくまでも私の意見でしかありませんが・・
米国株式市場はもう天井圏を迎えています。企業の実力とはちょっとかけ離れてNYダウやNASDAQといった数値が勝手に伸び始めている・・
膨張している状態にあります。
嫌な言い方をすれば、バブルです。
なぜそんなことが起きているのかというと、
アメリカ大統領・・「トランプ大統領」を中心に回っています。
またアイツか!と思うかもしれませんがその通りです。
トランプ大統領は2020年の選挙に向けて、株式相場の好調を何とか維持していきたいのです。
株式市場が好調であれば、裕福層の支持を得られますし、株式市場はオレが絶好調にしたんだ。だから大統領選は今回もオレ(トランプ)に投票しろ!
と国民にアピールできますからね。
このような流れがあるので、投資家は株式市場が下がるわけない。
下がったら、FRBというアメリカの金融政策を決める会合があるのですが、そこが市場を下げないように努力をするはずだ!
と投資家に見抜かれてしまっているのです。
本来はFRBは中立な立場にたち、大統領の支持などを受けず独立した機関として成り立っているはずなのです。
決してFRBはトランプ氏と共謀してこの相場を作っているわけではないのですが、トランプ氏のあまりの圧力に市場が反応しています。
これを催促相場といいます。
定期的にFRBはアメリカのFF金利というのを決めます。このFF金利とは何かというのは上記の催促相場のブログを読んでいただくとして、
金利を下げると株式市場が上昇傾向になるという特徴があります。
FRBの議長、パウエル氏がまだ何も言っていないのに、もう利下げするだろうと市場が織り込んでしまっているのです。
ここでパウエル議長が利下げしない・・なんていうことを言ってしまったら(決して個人で決めるわけではなく、委員会の数名で多数決で決まるのですが)、株式市場は大暴落。
大混乱してしまう可能性があります。
これがきっかけで、ここまで伸び続けてきた株式市場に冷や水を浴びせることになりかねません。
わかりやすく言うと、これから上がるという予測をしている投資家に、FRBのパウエル議長が、
「まさか利下げしないなんて言わないよね・・オラオラどーなのよパウエルさん・・。
素直に次は利下げしてね、、なんなら0.5%よろしくね」
と7月末は0.5%まで利下げをするかどうかが焦点になっています。
問題はここに企業業績などの要素が全く加味されていないということです。
「投資家の期待だけで吊り上がっている相場」
なのです。
ということで繰り返しになりますが、私は今はもう割高になっているので100万円をまとめて一時金で投資というやりかたはおすすめしません。
やるとしたら積立で毎月コツコツとアメリカのETFなどに投資をしていくのが一番です。
ただ、今回の7月の利下げでかなり株価は上昇するでしょうが、その後も利下げするかどうかも未知数です。
(利下げしないという意見も徐々に増え始めているようです。)
7月に利下げを行えば、おそらくそこが米国市場の高値圏になるのではないかなと思います。
ということは積立で購入しても、最初は高値掴みをしてしまうので、すぐに高い値段で購入した商品が下落して、元本割れスタートになることはある程度覚悟しておきましょう。
積立はかなり長期を要して積立はメリットが出てくる資産運用の方法だということも忘れないでください。
長期とは短くて10年を指します。
2019年7月上旬現在、FF金利は2.25%から2.5%です。
毎回利下げしていけば、あと9回~10回しか利下げできません。万が一利下げしても株式市場が良くならなかったら・・どんどん利下げしていく方法もありですが、そのカードがだんだん減っていってしまいます。
なので、まだ9~10回あるとはいえ、利下げカードはあまり頻繁には使いたくないところです。
ずっと利下げしていっちゃったら、トランプ大統領の大統領選目前で利下げカードが無くなっちゃって本末転倒になってしまう気もするのですが・・・
長くなりましたが、
結論としては米国株式は
最初は厳しいですが、積立で運用するならアリです。
一時金でまとまった金額を米国株式に投入するのはNGです。
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