不動産投資はなぜ生命保険の代わりになるのか?

不動産投資はなぜ生命保険の代わりになるのか?

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不動産投資はなぜ生命保険の代わりになるのか?

不動産投資はインフレに強い資産運用方法と言われています。

不動産投資の広告などをみると、メリットの1つとして生命保険の代わりになる。という文面を見かけます。

不動産投資が生命保険の代わりになるというのは、どのような仕組みなのかという点で解説していきたいと思います。

ちょっと話が飛ぶようですが、

決してうまくは言っていませんが、日本銀行は物価を2%上昇させたくていろいろな金融政策を打ち出しています。

全く効果が出ていないというツッコミもありますが、日銀が物価を上昇させるために頑なに金融緩和(政策金利を下げること)を行っています。

何度かこちらのブログでも記載させていただきましたが、

金融緩和とは簡単に言えば金利を下げることです。金利を下げれば企業や個人はお金を借りやすくなって高い買い物ができるようになる。

個人で言えば住宅がもっともわかりやすいですね。住宅ローンの金利が低ければ、チャンスがから住宅を購入しようというきっかけになりますから。

実際に今、日本はインフレの最中にあることは間違いありません。

 

不動産投資はインフレに強い

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ではこのように物価が上昇している中で、みなさんの給料は上昇したでしょうか?今は少し賃金見直しをしている企業もありますが、大半は賃金は上昇していません。

物価が上昇しているのに、私たちの賃金が上がっていないということは

現金の価値が下がっている

ということになります。

極端な例ですが、毎月手取り20万円で全部1個100円のおにぎりに費やしていたとします。すると月に2000個のおにぎりが買えます。

このおにぎりが200円になってしまって、手取りの給料が変わらなければ、変えるおにぎりの数は月1000個になってしまいます。

これが収入がアパートやマンションの家賃収入なら、インフレ局面では賃料は物価に連動します。物件価格も上昇します。

物価上昇局面では、通常の給料とは異なり家賃も連動して上昇しますので、不動産投資はインフレに強い投資と一般的には言われています。

不動産投資は生命保険の代わりになる?

不動産を購入する際にはローンを組むことになるのですが、このローンを借りるときに団体信用生命保険というものに加入をします。

銀行から住宅購入でお金を借りて、毎月返済している最中にその家庭の大黒柱に万が一のことがあった場合。

その家庭は大黒柱を失ってしまい、毎月返済していたお金を返せなくなってしまいます。

何がなんでも働いて返せと銀行としては言いたいことろですが、世帯のどちらかが働いていて、片方は専業主婦(夫)で有るような場合。

急に今まで専業主婦(夫)だった人が急に仕事を探そうと言っても、すぐに仕事が見つかるわけでもありませんし、今月働いても給料をもらえるのは翌月です。

ということで、

お金を貸している人に万が一のことがあっても、残りのローンがチャラになる。これが団体信用生命保険です。

業界の人は団信(だんしん)と言ったりします。

この保険に入らないと原則、銀行はお金を貸してくれません。

まず不動産購入をローンで購入するときはこの団体信用生命保険に加入をするということを抑えましょう。

そのうえで以下説明します。

団体信用生命保険に加入をすると、生命保険の金額を下げられる

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一度ちょっと不動産投資から意識を移して、自分が個人的に加入している生命保険の話をします。

生命保険には亡くなった時に払われる保障と、入院した時に払われる医療保障がありますが、

今回は亡くなった時の保険の話をします。

亡くなった時の保険の目的は、大黒柱に万が一のことがあった場合、残された遺族がお金に困らないようにするものです。

夫婦2人で片方が働いていて、片方が専業主婦(夫)であるような場合働いている方が万が一亡くなってしまった場合は専業で家事に専念していた方は無収入になってしまいます。

そのようにならないためにも、遺族の方に生活費を残しておく必要がある。

だから保障が必要になってきます。

じゃあこの保障額は何をもとに決めるかというと、

この遺族の方がいくらほしいか?

を基準に決めていきます。

この残された人が、生活費20年分くらい有れば十分やっていけると思えば、

生活費15万の世帯なら、15万×12カ月×20(年分)=3600万

3600万の保険金を用意すればいいということになります。

亡くなった時の保険の金額を保険のセールス任せにして、

お客
みんな保険っていくらくらい入っているの?
FP
そうですね、2000万くらいじゃないですか?
お客
じゃあ私もそれくらい・・

とこんな感じで保障の金額を決めてしまう人もいるのですが、本来一番よくわかっているのは自分自身なのです。

その必要額をどのようにして導くのかというヒントを提供して、遺族年金なども考慮して必要額を導いてあげるのが、私達ファイナンシャルプランナーや保険セールスの役割です。

ちょっと話がそれましたが、ではこの生活費・・今のケースで行けば15万というのはどうやって決めるのでしょうか?

これも単純で生活費の内訳です。

毎月払っている住居費、食費、塾のお金、雑費、光熱費、通信費等です。

いまこれらが20万かかっているけど、独り身になれば少し減るから15万。

こんな感じで生活費は決めていきます。

これに繰り返しますが、遺族年金も考慮すると必要額は下がります。

この生活費の内訳の中に「住居費」が含まれているのがポイントです。

さあ、ここで一度横においておいた団信の話と組み合わせていきましょう。

団信に加入をすれば、万が一大黒柱に万が一のことがあっても、残債がチャラになる。

というものでした。

ということは、

住宅を購入して団信に加入をすれば、自分の生命保険を設計するときにこの「住居費」を含まなくていいことになります。

先ほどの15万の生活費の方の内訳で、仮に住居費が7万かかっている。

としたら、住宅購入時に団信に加入をしていれば15万ー7=8万円分の生活費を見込めば良いことになります。

先ほどの3600万必要な世帯があったとしたら、

この場合は8万×12カ月×20(年分)=1920万に減りました。

これに遺族年金を考慮すればさらに必要保障額が下がります。

必要保障額が下がるということは毎月支払う保険料が安く済むということです。

不動産投資が生命保険の代わりになる。というのはこういう仕組みです。

正確には、生命保険の代わりになる。のではなく、

団体信用生命保険という割安な保険に住宅購入のときに金融機関で加入をするので、

個人で加入する保険と重複する部分があるので不要になる。

ということです。

だから不動産投資にだまされるな・・ということではなく、

私は不動産投資も一つの方法としてはおすすめをしています。

実際に私の実家の場合も、老後のお金に両親が不安を抱えていましたが不動産を売却して得た所得が大きく、おかげで老後の生活費の心配はなくなりました。

資産を持っておくことは大切だと思いますし、その資産が毎月収益を生み出してくれるものなら最高です。

ただ、私は家賃収入を生まない、自分の住むための家を購入するだけの住宅ローンは

この令和の時代については

個人個人の状況をみて良く考える必要があると思います。

最後にこれだけはお伝えしたいです・・

よく住宅ローンに○○疾病保障付きという特約がついていることがあります。

これは返済中は問題を感じないかも知れませんが、あとあと大きな問題になってくることがありますよ。

NGではないのですが、仕組みをよく理解したうえで検討しましょう。