金融系WebライターＣＦＰ金子賢司のブログ

ファイナンシャルプランナー（CFP）金子賢司が監修・運営しているブログです

エアコンの故障は火災保険の対象になるか？

エアコンの故障は火災保険の対象になるか？

エアコンの故障は火災保険の対象になるか？

部屋のエアコンが壊れた場合、通常は修理に出すのですが故障の内容次第では通常の火災保険で対応できる場合があります。

何度もご紹介しますが、火災保険で補償される内容は火事だけではなく以下の表のような災害で損害を受けた場合に支払いの対象になります。

補償内容事例
火災火事で建物や家財が消失した
落雷落雷で屋根が破損した、家財が損害を受けた
破裂・爆発ガスボンベなどが爆発を起こし、壁などが損害を受けた、または家財が破損した
風災・雹（ひょう）災・雪災台風で屋根が壊れた、または屋根が壊れて家財が破損したなど
水災洪水などで床上浸水が発生し、建物や家財が損害をうけた
建物外部からの物体の飛来・落下・衝突自動車が自宅の建物にぶつかってきて、塀や門を壊したなど
給排水設備からの水漏れ給排水設備の水漏れで壁や天井が破損、汚損。または家財が損害を受けた
騒擾（そうじょう）・集団行動などに伴う暴力行為近所で暴動がおこり、塀や門、壁や家財が破損した
盗難による損害建物の場合は、盗難によって壊された部分が火災保険の対象。盗まれたものを補償するには家財の保険も加入する
不測かつ突発的な事故うっかり重いものを倒して壁を損傷させた、液晶テレビを倒して壊してしまったなど

最近の火災保険は上記の災害で損害を受けた場合は、補償の対象になりますが、水災だけを外したり、免責額というものを設定していたりと、保険料を安くするために補償を削っているケースがありますのでそこは注意をしてください。

エアコンの火災保険の場合もう一つ問題があります。

エアコンは建物か家財か？

air-conditioner

火災保険は建物の火災保険と家財の火災保険の２つがあります。

建物が丸ごと全焼してしまい、家具まですべて焼けてしまった場合にもし建物の火災保険しか加入していなければ補償されません。

逆に家財の火災保険しか加入していなければ、家財は補償されますが、建物が損害を受けた分は支払われません。

家を丸ごとカバーするためには、建物と家財の火災保険それぞれ加入しておかないと万全ではないのです。

これについての説明をする前にそもそもエアコンが破損するケースはどんなことが考えられるか見ていきます。

エアコンが破損するケース

air-con

エアコンが破損するケースとして以下のようなものがあげられます。

エアコン破損のケース

・劣化（古くなった）

・排水管の破損による水漏れ

・コンセントのショートによる発火

・室外機の破損

それぞれのケースについて解説していきます。

エアコンの劣化は火災保険では支払いません

火災保険・・いや損害保険の大前提ですが、古くなってきたもの（劣化）については支払いの対象外です。

エアコンが古くなってきたから、買い換えたいから火災保険を使いますと言っているのと同じです。

これが認められたら、誰もが火災保険に加入をします。

エアコンの給排水管の水漏れ

エアコンの給排水管が損傷していて、水漏れをして壁紙や天井にシミができたケース。

（破汚損（はおそん））と言ったりします。

このような場合も火災保険で対応します。

このケースは、給排水管自体の修理代については支払いの対象外で、壁と天井の張り替えに係った費用を「建物」の火災保険から支払います。

コンセントやエアコンそのものからの発火

エアコンのコンセントや本体からの発火した場合は、火事として扱われます。

落雷などでショートして外観上は無事なのですが作動しない場合は、火災保険に「電気的・機械的事故」が補償の内容に含まれているかで変わってきます。

室外機の破損

air-con2

エアコンの室外機の損害についてはいろんなケースが考えられます。

風で物が飛んできて破損したり、雪で埋もれて動作不能になったり、いたずらされたり、盗難されたりとケースとしてはたくさん考えられます。

室外機は一般的には建物に分類されるため、建物の火災保険が該当する災害を保障範囲としていれば支払いの対象となります。

エアコンは一般的には建物の火災保険でカバーできます

kitchen

火災保険の対象が、建物なのか、家財なのか・・微妙なものはあるのですが、一般的には、建物に備え付けられていたり、道具を使ってしっかり固定されているものは建物とみなされます。

トイレやキッチンなどは固定されていますので建物とみなされます。お風呂もそうですね。

ところが建物に固定されているストーブは建物ですが、持ち運びができるポータブルストーブは家財とみなされます。

このように建物か家財かは持ち運びが可能かどうか？が基準になります。

保険会社によって認識が違ったり、伝え方が間違って建物なのに家財と保険会社に認識されてしまうケースもありますので、念のため気になるものは必ず保険会社に確認はしてください。

ただ、一般的にはエアコンは建物の火災保険でカバーされます。

エアコンがショートで出火すれば、建物の火災保険でエアコンの修理代は火災による損害でカバーできます。

うっかり冷蔵庫を移動していたらエアコンにぶつけてしまった。

こんな時は「不測かつ突発的な事故」というものが建物の火災保険の補償範囲に含まれていれば火災保険の対象になります。

このように火災保険はケースバイケースで微妙に補償範囲が分かれていたり、建物、家財の保険の範囲が微妙なケースがありますので、基本はフルサポートにして、そのうえで一番安い保険会社を探すのがベストです。

火災保険は自然災害などが増えている近年、関心が高まっていますので、いざというときに困らない良い選択をしていただきたいと思います。

金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子　賢司

これまで１０００件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。ＵＨＢなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約５０回実施。ＣＦＰ資格保有者。ＴＬＣ（生命保険協会認定ＦＰ（ＴＬＣ資格とは））、損害保険トータルプランナー、公式ＨＰ