不測かつ突発的な事故|驚きの事例を紹介します

不測かつ突発的な事故|驚きの事例を紹介します

不測かつ突発的な事故という火災保険の支払要件

ようやく近頃になって、火災保険は火事の時だけ給付されるわけではないということが浸透してきました。

火災保険といいながら、支払要件は火事だけでなく、風・雹(ひょう)・雪、破裂爆発・・などなどたくさんありますが、その中に「不測かつ突発的事故」というものが支払要件になっていることがあります。

北海道は雪で屋根がへこんで水が上から滴ってきた、落雪で窓ガラスがわれたなど雪が多い地域ならではの事故が多いです。

また古い物件で有れば、給水管の凍結により亀裂が入り、水がもれて天井や床などに損害が発生したという場合もお支払いの対象になるのが一般的です。(補償内容によっては対象外のものもあります。)

個人的にはこのケースでお支払いをするのが一番多いのではないか?と感じています。あくまでも私の感覚ですが。。

accident
mohamed1982eg / Pixabay

不測かつ突発的な事故とはどんな事故

不測かつ突発的な事故とは、つい、うっかり破損させてしまった場合のことを言います。

家財を落として破損した。。

踏みつけて壊した。

模様替えをしていて机を落として足が折れた。。

この場合家財の火災保険に加入していて、不測かつ突発的な事故が支払要件の補償内容に加入していれば保険が払われます。

また模様替えをしていて机を壁にぶつけてへこませた。

このような場合は建物の火災保険に加入していれば支払いの対象になります。

これって、、よく考えると「えっ!?そんなのも保険が払われるんならなんでもアリなんじゃないの?」と思うかもしれません。

はい。確かに少額ですが以外に保険給付になるケースは多いです。

ところが、この不測かつ突発的な事故については免責額を設けている会社が一般的です。

免責額とは自己負担額だと考えてください。

たとえば免責額1万円とすれば、不測かつ突発的な事故で15000円の損害がでた場合は免責1万円が適用されて支払われる保険金額は5000円になります。

免責額が1万円だったとすると、不測かつ突発的な事故で5000円の損害があった場合は保険金額は支払われないということになります。

不測かつ突発的事故とみなされるためには

不測かつ突発的な事故とみなされるためには、事故の原因や事故日が断定できる事故のことを差します。

朝起きていつの間にかガラスが割れていた。

これでは事故の原因や事故日が特定できません(もしかしたらもっと前からあったかも知れないので)

またすり傷はひっかき傷程度の損傷で、その機能が支障なく使用可能な場合は給付の対象になりません。

不測かつ突発的な事故を要件として火災保険で支払われたケース

ガラスが熱割れを起こした。事故の特質上、割れた日が断定しづらい要件ではありますが、実際に「不測かつ突発的事故」として保険金が支払われた事例です。

ガラスの熱割れが保険で出る。その条件とは。

ピンホール(孔食)による水漏れ

給排水管の孔食(ピンホール(銅管の劣化による穴あき))に保険で備える

どちらも火災保険で不測かつ突発的な事故として給付された事例です。

ちょっと先ほどの事故の原因や事故日が特定できるのが要件という部分と矛盾するかも知れません。

何か建物や火災で損害を受けたら状況を担当営業なり、保険会社に確認をしてみたほうがいいかも知れません。

これらの事例は私も最初は知らずに、事故を受けた段階で「そんなの保険じゃ払いませんよ」と当時いうことろでした。

念のため、保険会社の損害調査部門に連絡をすると要件になりますよ。

ときいて、いやいやよかったー・・とどちらのケースも胸をなでおろしたことがある要件です。

ただし注意をしなければならないのは、ガラスの熱割れはともかくピンホールは銅管が寿命を迎えたために管に穴があいたことが原因による水漏れです。

一か所穴が空けば、その管は他の場所も空く可能性があることは容易に想像できます。

その時に、保険金は受け取ったものの、穴をガムテープで止めてふさいでその場をしのいだだけで処置を済ませてしまったときはどうなるでしょうか?

不測かつ突発的というのは、予想がつかない偶然な事故という意味です。

ガムテープで止めて、修理をしていなかったら再度発生するのは目に見えてますよね。

そんな時は、同じ事故が発生しても不測かつ突発的な事故とは認めてくれません。

だって、予想できますよね。

という論理です。

まったく違う要件で予想外の事故が発生すれば、当然不測かつ突発的な事故として認めてもらえます。

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marionberaudias / Pixabay

「不測かつ突発的な事故」で支払われないケース

確かにいろんなケースで支払われるので、とくに家財が損害を受けた場合はなんでも保険金が払われるのではないかを思われるかもしれませんが、一般的には以下の事故は支払いの対象になりません。あくまでも一般的な事例ですので、詳細は保険会社ごとの約款などを参考にしてください。

・建物の修理や増改築、家具をお気に入りの形に加工しようとして壊したとき

これは当然と言えば当然ですよね。これを認めていたら、もともと壊れていたものを適当に自分でいじってこれはもともと壊れていたといいきってしまえば保険が受け取れてしまうことになります。

・保険の対象の電気的・機械的事故を原因とする損害

漏電やショートなどで、家財が外見は損害がないが実質使用不能になった場合のことを電気的・機械的事故と言います。

これが燃えてしまったら単純に火事という扱いになります。

不測かつ突発的な事故によって、電気的・機械的事故が起こった場合は要件となります。

・さびやカビ、腐食など

損害保険の大前提ですが、長い時間をかけてだんだん悪くなってきたもの。

ようするに

さびてきた、

カビが生えてきた。

壁が黄ばんできた。

などの劣化による損害は保険の対象にはなりません。

これも認めてしまっては、テレビの映りが悪くなってきたから保険金を受け取って買い直すことができてしまいます。

・土地の沈下・隆起・移動等に起因する損害

大雨などで土地の地盤沈下や隆起、地面が移動することがあります。これらは不測かつ突発的事故とはしません。

・引っかき傷程度の損害で使用できるできないに影響しないもの

前述したとおりです

・風・雨・雪・雹(ひょう)・砂塵やこの類の吹き込み、漏入

たとえば窓を開けっ放しにしていて、風が吹き込んでほこり等が冷蔵庫の細かい電子機器の中に入り込んで故障した。

あえていうならこんなケースでしょうか?

部屋の中にきちんとあって、窓を開けっ放しにしていない限りはほとんど起こり得ないケースですが、仮にあったとしたら保険の対象にはなりません。

・楽器の弦や打楽器の皮などの表面部分、音色の変化など

これを認めていたらきりがないということろでしょうか?

・その他不測かつ突発的な事故として認められないもの

その他、仮に不測かつ突発的な事故で損害を受けたとしても以下のような家財は対象にはなりません

・携帯、パソコン、もちろんスマホ、タブレット等も、メガネ、コンタクトレンズ、義歯、義足、動物、植物、電球やブラウン管などの管球類の損害

不測かつ突発的な事故の免責額に注意

この補償内容が火災保険に要件として含まれている場合、かなりいろんな要件で支払うことが可能なので建物や家財に損害が発生したらまずは代理店や保険会社に問合せしてみるのがよいです。しかし、かなり支払要件が広範囲で、例えば100均の商品を壊した!!といわれて保険請求されると非常に煩雑になってしまいます。

したがって金額は一定のラインを引かせてもらっていることが多いです。

3000円以上の損害に対いて超えた分を支払う。

5000円以上の損害に対して超えた分を支払う。

といった例です。この3000円、5000円を免責額と言います。

これは私自身のケースですが、スティック型の掃除機でカーペットを掃除していたら力を入れ過ぎてしまい持つ部分が壊れてしまいました。

要件としたら不測かつ突発的な事故に該当します。

しかし、免責10000円の補償内容になっていいました。

この掃除機、保険請求しようとしたら実は7000円だったんです。

したがって保険はもらえませんでした。

仮にこの掃除機が15000円なら、免責10000円あったとしても5000円は受け取れていたということになります。

保険料の兼ね合いもありますが、私は不測かつ突発的な事故は是非火災保険の補償内容に組み入れることをお勧めします。

金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP