火災保険の値上げの前に、保険会社はもっとやるべきことがある
- 2019.05.23
- ファイナンシャルプランナー(FP) 損害保険 生命保険
火災保険の値上げの前に、保険会社はもっとやるべきことがある
2019年10月~火災保険料が値上げになります。確かに火災保険は「火災」と言いながらも実はたくさんのことに使えるということで、その内容が再度認知されつつあります。ということは使われる頻度も多いということです。
漏電やショートによる損害(火事に達すれば火災という扱いになりますが、漏電等で使用不能にな多様な場合はEM特約を付ければ対応することもできます)
最近多いピンホールという事例
物件が古くなってきたような場合にありがちなトラブルです。
給排水管に穴が空き、そこから水漏れをして壁や床を破損、汚損させるケースです。水漏れによって家具や家電製品も損害を受ける可能性があります。
凍結による水漏れも冬場は本当に多いトラブルです
というように火災保険は火災と名前がついていますが、火事で家や家具、家電製品が焼けたときにしか給付されないというイメージがある人がほとんどですが、実はいろんな要件でお支払いできることがあります。
なんでもかんでも火災保険というわけでもありませんが、建物や家具・家電製品がわざとでもない限り偶然の出来事で損害を受けたときはまずは確認してもらうのがよいです。
特にピンホールは時代の流れとともに劣化している物件が増え続けています。
そう考えれば合理的な方向に人間は流れていきますので、保険についても一般的な人の知識も増え使う機会が多くなりました。
自動車保険は保険を使うと「等級」といい方をしますが、等級が下がります。自動車保険は使うと次の更新の時に保険料が上がります。
車同士の事故で自分の損害が20万円分、相手が50万円分の損害を受けていました。50万円を全て保険ではなく、現金で払えば保険は使わなかったことになります。
その時自分の保険の「等級」が例えば10等級だとしたら翌年11等級となり、保険料は通常は下がります。(最近は等級が上がっても、必ず下がらないことも多くなりましたが・・、年齢や車種によっても異なります。)毎月自動車保険料が5000円→4800円になった。という状態です。
ではこの50万円をしはらうのはちょっと厳しい、自分の車の修理代20万もあるし、、というときは自動車保険を使えば自己負担はありません。
50万円は保険会社が相手に支払ってくれるうえ、保険の内容によっては自分の車の修理代20万円も保険会社が払ってくれます。
その代り翌年の更新時に今まで10等級だった人は7等級に下がり今まで自動車保険料毎月5000円だった人は6000円になったりします。
しかし火災保険は使ったからと言って値上がりすることはありません。
うすうす私自身も火災保険って本当に採算あうのかな?とはおもっていました。
そんなに保険料も高くもなく、凍結などの損害で30万くらいをしはらったりというケースをよく見かけます。
木造で毎月2000円~3000円くらいの火災保険料の人が、凍結の水漏れで壁や床が損傷を受けて、修理代20万や30万になった。
火災という大きな支払いはないのですが、このような20万や30万くらいの損害が激増しているというのが実感です。
しかも自動車保険のように使ったからといって翌年の保険料が上がるわけではありません。
等級というものはないのです。
その代り、木造、鉄筋コンクリート等の建物の構造で保険料が異なってきます。
木造の方が燃えやすい、燃え広がりやすい等その他の項目でも事故が発生する確率や、事故が拡大する可能性も高いので高くなるように設定されています。東京や北海道など地域によっても異なります。
生命保険もその他の保険も独自の価格設定方法があり、様々な保険の中身を見ていくと今のご時世みなさんが賢く使っており、保険会社が採算が合わなくなっているのはうすうすわかります。
わかるんだけどさ・・(急にタメ口)
ちょっと簡単に保険料に転嫁しすぎだよね。と感じています。
保険料も簡単に値上げしすぎ
感覚としては、電力会社が採算が厳しければいとも簡単に、顧客に同意も何もなく値上げをしてしまうことができる。
という感覚です。電力は私たちの生活に直結していますし、選択肢も限られているので
値上げします。といわれたら
えーー??と思いながらもほぼ受け入れるしか選択肢がありません。
保険料も私は同じだと感じています。
損害保険は、損害保険料率算出機構という期間が基本の両立を決めて後は各保険会社がどうするかというのを検討します。
必ずしも損害保険料率算出機構が料率を上げたからといって、各保険会社は合わせてあげる必要もないです。
がほとんどの場合この料率に追随する形になります。
保険業界も無駄が多すぎる
以前銀行業務はムダが多いということを指摘しましたが、保険会社の業務内容の終わりっぷりもかなり負けていないものがあります。
最近リストラ年齢が下がっているのを知っていますか?
2019年3月に富士通は45歳以上の全グループ社員に早期退職を募ると公表しました。それよりも前にNECやカシオでも早期退職者を募集しているという記事がありました。
リストラって何となく55歳くらいからというイメージですよね。役職定年といって、もう定年間際であまり出世の見込みのない人は役職が外され、年収が激減します。
その激減っぷりに頭を悩ませている退職間近の人たちも多いと思います。
ライフプランをお客様と考えているときに、まさか役職定年等想定しません。こちらからまさかあなたは役職定年になりますから、55歳以降は給料下げた想定にしますね。
なんて言えるわけがありません。
なので、こういう役職定年という社会背景もありますよとまずお伝えをします。
定年まで順調に給料が上昇するという想定でライフプランを作る方もいますが、55歳過ぎは横ばいか、低下をするパターンのライフプランもサラリーマンの場合も万が一に備えて考えてもらうようにしています。
しかし今やリストラ対象が45歳になっているというのです!
各企業が構造改革をするうえで、今後AIやロボットを導入して人件費の削減を進めていくことになります。
今までとは全く異なったビジネスモデルに順応してもらう必要があります。長く勤めて、それなりに自分のやり方を身に着けて変化に対応しにく、しかも人件費が高い人は企業としては邪魔な存在になりつつあります。
以前の会社でも、その前の会社でも確かにそういう人はいました。
いつも喫煙室にいる。。本人の言い分としては喫煙室での情報収集が業務にやくだつんや!!(関西弁)
ずっとエ●サイトを閲覧している人などなど固定給をもらっていながら何をしてるんですか?
と若かりころ感じていました。
銀行や保険業がここまでひどいとは思いたくありませんが、保険会社を見ているととにかく無駄な書類が多く、改善する意欲に欠けている点は否めないと感じます。
とにかく突出しているのが書類の多さです。
信頼性の証でもありますが、契約に対しての提出書類の多さに担当営業もうんざり・・。
100人近くをいろんな地域から呼び集めて2~3時間の資料をただ読み上げるだけの会議。
メールや社内イントラで公開する仕組みがあるにも関わらずです。
これが全国各地で月1で開催されていればかなりの高コストになります。
何の仕事をしているかわからない関連会社の出向社員、天下り社員、新しいことをしたくても、これまでの自分のやり方で心地よく頑として考え方を変えられないお局社員、各部署に必ず1~2名存在しているようです。
これらのこまごまとした要件が、全国に展開してしまっているのでもはや身動きが取れない状態になり、この高コスト体質を改善するのはもはや不可能と感じます。
保険はネット保険がいい
いろんな要素を加味すると、大手保険会社は基本高コスト体質でこの状態はもはや改善できそうにありません。
私たちの保険料は、万が一の時に支払うために用意しておくお金+事業を営むために必要な経費(人件費や物件費)で成り立っています。
この保険会社の事業を営むための経費は、細かいことが全国的に積み重なってかなり無駄な経費となって積みあがっています。
そう考えると、この部分を無店舗で、基本ネット販売でコールセンター対応で人件費も意識しているインターネット保険は本当に合理的な仕組みだなあと感じます。正直同じ補償内容ではインターネット保険にはなすすべがありません。
なんだかんだ対応力が、、いざというときの・・というのは屁理屈で、どう考えてもインターネット保険の方が有利です。
しいて言うならインターネットで自分で保険を決めるのが怖い、苦手でいちいち調べたりするのが面倒という人は保険会社に任せるメリットはあります。
今後スマホやインターネットを活用できる世代が大人になれば、この傾向はつよくなっていくと思われます。
そうなる前に、高コスト体質を改善できなければ大手生命保険会社、大手損害保険会社もかなりその地盤は危うくなっていくでしょう。
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