火災保険の免責はつけない方がいい
- 2019.09.23
- 火災保険
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火災保険の免責はつけない方がいい
保険の免責とは、保険会社が保険金を支払う責任を免れる。という意味です。要は保険が出ないことを免責といいます。
火災保険には免責額1万円、3万円、5万円、10万円など、ここまでなら保険金は払わなくていいですよ。という免責額を設定して、そのかわり火災保険料の支払額を安くすることができます。
免責額1万円なら、1万円までの損害なら保険は使えません。
3万円なら、3万円までは自己負担なので保険は使えない。というような具合です。
火災保険の保険金額を決めるときに保険料を安くする一つの方法は3つあります。
- 補償範囲を狭くする
- 臨時費用保険金の金額を減らす
- 免責額を増やす
火災保険免責の具体例
火災保険金1000万円、免責額なしの場合
火災保険金1000万の通常の火災保険に加入をしていたとします。
かつ水漏れで壁や天井に損傷が発生。修理に10万円かかったとします。
この修理をするときの見積もりの金額に妥当性があること、
そして、実際に事故が起こったかどうかを証明する、事故箇所の写真とこの2つがあれば保険会社の査定係は支払をするかしないかを精査して判定します。
無事に10万円全額認定となり、保険金額10万円が支払われ修理代をカバーする。
これは普通の話だと思うかも知れません。
火災保険金1000万円、免責額5万円の場合
ところが、今度は先ほどの火災保険金1000万に免責額を5万円を設定したとします。保険料は免責額を大きくした方が安く済みます。
安く済むのですがこんな感じになります。
火災保険金10万円で、10万円支払われることが決まったとしても、免責額5万円がさしひかれて5万円しか支払われなくなってしまいます。
今の2つの事例をまとめるとこうなります。
修理代 | 免責 | 最終的に支払われる保険金 |
10万円 | 0円 | 10万円 |
10万円 | 5万円 | 5万円 |
火災保険の免責は臨時費用保険金にも影響が出る
これだけなら良いのですが、臨時費用保険金を付けるとさらに差が広がります。
臨時費用保険金は、保険金が支払われることが決まった時に追加で支払われる保険金です。以下の事例を見た方が分かりやすいです。
保険金1000万円、免責額なし、臨時費用保険金10%の場合
今回は何らかの事故で50万の修理代がかかったとして、全額支払が認定となりました。
免責額なしなので、支払われる火災保険金は50万です。
しかし臨時費用保険金があるので、50万×臨時費用保険金10%=5万。
保険金額50万+5万=55万
55万円が支払われます。
保険金1000万円、免責額5万円、臨時費用保険金10%の場合
上記同様、保険金額50万認定となりました。免責額5万円なので、50万-免責額5万円=45万円
ここがポイントなのですが、この45万円に臨時費用保険金10%がかかります。
45万円×10%=4.5万円
保険金額と合計して49.5万円
先ほどの55万円とくらべて免責を付けると5万の差が出てきます。
この差をどう解釈するかは人それぞれですが、この免責額は修理代金が少ないときほど影響が出てくることが大きいです。
臨時費用保険金がある場合の2つの事例を比較するとこのようになります。
修理代 | 免責額 | 臨時費用保険金 | 最終的に支払われる保険金 |
50万 | 0万 | 10% | 55万 |
50万 | 5万 | 10% | 49.5万 |
免責は少額の事故のときにボディブローで効いてくる
支払う保険金額が10万円なのに、免責額を契約当初に支払う保険料を安くしようとうと免責5万などを選択すると10万円の修理なのに5万円しか支払われません。
火災で建物が大規模に焼けて、1000万円保険金として支払われるようなケースでは5万や3万という免責額はあまり気にならないかも知れません。
実際火災保険は「火災」と名前がついていますが、火災で建物や家財が損傷するケースは極めて低いです。むしろ強風でアンテナが折れた、水漏れで天井や壁にシミができた。水道管が凍結して水漏れて天井や壁にシミができた。
こんな事故が圧倒的に火災保険を使う「件数」としては多いのです。
免責額を増やせば、保険料は安くなりますが肝心な保険金の支払い時に、思ったような保険金が受け取れずに不満を持つケースが非常に多いです。
免責額の説明をすると、事故なんて起きないから大丈夫と免責を付ける人もいるのですが、、
私は絶対にこちらから免責額を増やすことはお勧めしません。
実際に事故があった時に高い確率でモメるケースを数多く見てきているからです。
免責額3万円、5万円位なら自腹で何とかするよ。大きな事故だけ何とかしてくれれば大丈夫と自分で理解をしたうえで、免責額を選択していない人はくれぐれも注意してくださいね。
免責額があることを知らない人もいますので、これも要注意です。
お手元の火災保険の証券を確認してみてください。
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