火災保険の再調達価額とは

火災保険の再調達価額とは

火災保険の再調達価額とは

かなりざっくりいうと時価の火災保険の反対が再調達価額の火災保険になります。

「火災保険の契約内容が時価で支払う」

という内容になっている場合は直ちに見直しが必要です。

火災保険はずいぶん進化していますので、

ここ最近ではあまり見かけないのですが、

火災保険の契約の中で、

新価(再調達価格)での支払いか?

時価で支払うのか?

というのを知っておくことは非常に重要です。

古い火災保険では時価での契約になっていることが多いのですが、

いざというときに保険の給付の対象にはなっても

思ったより金額ががっつり減らされて火災保険金が支払われてしまうことがあります。

ちゃんと時価と再調達価格についても解説していきますので安心してください。

火災保険金をどうやって決めるのか?今一度おさらい

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火災保険は自分の家が仮に火事にあって全焼したり、一部焼けたり、その他水漏れで壁が濡れたりしたり、建物や家財が災害で損傷した場合に支払います。

ではこの火災保険金額はいくらに設定したらよいのでしょうか?

建物と建物付属物あわせて3000万で購入したのに1000万円しか火災保険金をかけていなかったら、単純計算でいけば全焼しても最大で1000万円しかもらえません。

火災保険金額をいくらにするのか?は厳密には「保険価額」をもとに設定します。

保険価額とは

同等のものを新たに建築したり、購入する際に必要な金額から、「使用による消耗分」を控除して計算した金額のことです。

建物付属物含め3000万円で購入した家を例えば10年後に売りたいと思っても、壁に多少の劣化する箇所もありますし、破損、汚損などもあるかも知れません。3000万円という買った当初の金額で売るのは難しいということは何となくお分かりいただけると思います。

買ったのは3000万円ですが、現在は劣化なども含めて2000万の価値になっている。この2000万が保険価額になります。

火災保険が時価での支払いになっている場合

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この時価も保険価額と同じ考え方です。

もし火災保険が時価契約になっていたら、直ちに見直しが必要です。

かなりトラブルが多いので、

最近は時価での火災保険は家庭用の火災保険はあまりないのですが、

企業向けなどでは割とまだポピュラーに存在しています。

ただ家庭用の火災保険でも、

住宅ローン設定の際に35年など長期でまとめて支払ったような場合は

割と古い契約になりますので時価での契約になっている場合があります。

時価契約の何が問題なのか?

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事故があった時に保険価額と同様、

経過年数や使用による消耗を差し引いた金額を支払う方式が時価契約です。

例えばとある建物を建物および建物付属物含めて3000万で購入しました。

保険価額は3000万なので当然、

当初は保険金額3000万円に設定していました。

そんなさなか、20年後にこの家が全焼しました。

20年後は一概には言えませんが、

その家の価値は3000万ではないでしょう。

たとえばその建物の価値が20年後1500万になっていたら・・。

時価の契約の火災保険では1500万までしか支払われません。

ちょっと耳を疑う内容ですよね。

3000万円の火災保険に加入していたのに、

20年後に自分の家が全焼したら1500万円しか支払われない・・。

だったらせめて保険金1500万の火災保険にしておけば、、

無駄な保険料を払ったうえに、

保険金も満足に受け取れないというトンデモない保険が

時価契約の火災保険なのです。

時価契約デメリットを解消した再調達価額

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このタイミングで火災保険の再調達価額の説明をするのが一番わかりやすいと思います。

時価のデメリットをなくした火災保険の支払い方法が再調達価額での契約です。

簡単に言えば先ほどの事例で、

建物と付属物含めて3000万円で購入した家が全焼したら、

3000万円位は火災保険金はもらいたいですよね。

再調達価額とは同等のものを新たに購入するのに必要な金額を言います。

ということは時価契約と違って、

付属物含め3000万円で購入した家が20年後に全焼してしまっても、

20年後に同等の家を購入するのに3000万円くらい必要であれば

3000万円を上限にうけとれるのが再調達価格方式です。

再調達価格での契約をする。

または価額協定保険特約を付けると、

時価契約の時のようなデメリットは発生しません。

ちなみに価格協定保険特約とは再調達価額(新価)基準で損害額を実損払いする特約のことを言います。

再調達価額はインフレ時は要注意

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インフレとは物価上昇のことを言うのですが、3000万円で購入して、再調達価額の契約で火災保険金を3000万円かけていたとします。

20年後猛烈なインフレがおこって、同等の物件を購入するには3500万円必要だったとします。

これまで解説してきた再調達価額の定義では3500万円支払ってほしいところではありますが、

内容は建物が全焼した場合は残念ながら火災保険金3000万円までしか支払われない内容になっているので、

3500万ほしいところですが3000万で打ち止めです。

再調達価額での契約方式はインフレの時はちょっと気を付ける必要があります。

ただ時価額での契約よりはよっぽどいいですね。

今どきの火災保険は絶対に再調達価額です。

繰り返しますが、時価契約の内容なら、店舗、家庭用ともに即刻見直しが必要です。

金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP