テレビを壊したら火災保険の対象になる?

テレビを壊したら火災保険の対象になる?

テレビを壊したら火災保険の対象になる?

これは実際にあった話ですが、結論からいうと、家財の火災保険に加入をしていれば支払いになる可能性が高いです。

私が知人の家に遊びに行った時に、

その知人の子どもが家を走っていたら液晶テレビを倒してしまい、

液晶にヒビが入りました。

その場ではうわーどうしようみたいな話になったのですが、

私が 家財の火災保険に入っていれば保険金がもらえるかも知れませんよ。

と一言アドバイスしたことで、

保険に無頓着だったその知人の家で火災保険の保険証券の大捜索大会が始まりました。

30分位探してようやく発見。

火災保険の内容を見てみると、

賃貸マンションだったので家財の火災保険には加入をしていました。

ちなみに建物と家財の火災保険は別物です。

今回のケースでは建物の火災保険では支払いになりません。

今回はその知人は賃貸マンションに住んでいました。

賃貸マンションの場合は大家さんが建物の火災保険は加入をするのが通常なので、

家財の火災保険のみ加入をしていました。

参考

この場合、部屋に損害を与えた場合は一般的にはこの家財の火災保険についている、借家人賠償責任保険特約(しゃっかにんばいしょうせきにんとくやく)というもので補償されます。賃貸物件に住む際の火災保険には必ずついています。ついていなかったら、紹介した保険の営業を怒りましょう。賃貸物件向けの火災保険でこれがついていない保険を紹介されないのは怒っていいレベルです。

テレビの破損が火災保険で支払になる要件

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テレビは建物か家財か

これは先ほど申し上げましたが、

テレビは一般的には家財に分類されますので家財の火災保険に加入をしていなければ対象になりません。

しかし、ちょっと高級な介護施設では

お風呂の壁にテレビがセッティングされているという

すごい設備の賃貸施設があります。

あまりないケースなので詳しくは話しませんが、

この場合は家財とはみなされません。

建物としてみなされる可能性が高いです。

この場合は家財とは認定されない場合があります。

賃貸物件で建物に損害を与えた場合は先ほどの

借家人賠償責任保険(大家さんへの弁償の保険)での対応になります。

火災保険の補償範囲

火災保険は火事以外でも支払える要件がありますので、一体どこまでカバーしている火災保険であれば支払いの対象になるのでしょう。

一般的に火災保険の補償範囲は以下の通りです。

補償内容事例
火災火事で建物や家財が消失した
落雷落雷で屋根が破損した、家財が損害を受けた
破裂・爆発ガスボンベなどが爆発を起こし、壁などが損害を受けた、または家財が破損した
風災・雹(ひょう)災・雪災台風で屋根が壊れた、または屋根が壊れて家財が破損したなど
水災洪水などで床上浸水が発生し、建物や家財が損害をうけた
建物外部からの物体の飛来・落下・衝突自動車が自宅の建物にぶつかってきて、塀や門を壊したなど
給排水設備からの水漏れ給排水設備の水漏れで壁や天井が破損、汚損。または家財が損害を受けた
騒擾(そうじょう)・集団行動などに伴う暴力行為近所で暴動がおこり、塀や門、壁や家財が破損した
盗難による損害建物の場合は、盗難によって壊された部分が火災保険の対象。盗まれたものを補償するには家財の保険も加入する
不測かつ突発的な事故うっかり重いものを倒して壁を損傷させた、液晶テレビを倒して壊してしまったなど

冒頭の子どもがうっかり液晶テレビを倒してしまったような場合は、

上記表の

不測かつ突発的な事故」に該当します。

火災保険の保険料を安くするために、

この補償は削ることができる保険会社も多いのですが、

使う頻度としては不測かつ突発的な事故という項目が

一番支払案件が多いというのが肌感覚です。

一旦事故が起これば、

規模も支払う火災保険金も大きくなるのは「火災」と「水災」による損害です。

しかし金額は小さいですが、

頻度という点で多いのは「給排水設備の水漏れ

とこの「不測かつ突発的な事故」です。

また、火災等でテレビが焦げたような場合は、

火災が補償範囲になっていれば対応できます。

落雷などで、コンセントがショートして、

外観は問題なくても実質使用不可能なケースでは、

火災保険に「電気的・機械的事故」の特約が付いているかが要件になってきます。

ショートして焼けてしまえば、それは火災というくくりになります。

微妙なところですよね。

ただ今回冒頭で紹介した事例の場合は不測かつ突発的な事故が補償対象に含まれていれば支払うことができます。

テレビの破損で火災保険を受取るまでの流れ

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破損したテレビは捨てずに取っておく

破損した家財をすぐに捨ててしまうと破損したという証拠がなくなってしまいます。

世の中には悪い人がいるので、

もともと無いものを壊れたといって保険金を請求する人もいるのです。

基本は写真を保険会社に見せればいいのですが、

まれにこの写真では証拠として不十分とされてしまうことがあります。

再度写真を取り直したいけどもう捨ててしまったということが無いように、

給付が出る出ないの結論が出るまでは捨てずに破損した現物は取っておきましょう。

保険会社に連絡をしましょう

まずは自分が加入している保険会社に連絡をしましょう。

ここで連絡をすると事故受付をしてくれます。

基本は契約者本人が連絡をして、証券番号を聞かれます。

この証券番号をもとに、加入しているかどうか?

と補償内容が今回支払い要件に該当するかがわかります。

テレビが修理可能か?不可能か?

また、壊れた状態によっては修理可能と保険会社が判断する場合があります。

そういう意味でもやはり現物はすぐに捨てずに取っておきましょう。

電気屋などに修理をお願いして、

修理をするより買った方が安いという判断になれば、

「全損した」という証明を発行してくれます。

またはそのような記載をした見積もりを作ってくれます。

これをもらえば、

破損したテレビと同等のテレビを購入して、

その購入代金を火災保険で受取ることができます。

今どき火災保険に再調達価格で加入をしていない人はいないとは思いますが、

同等のテレビを購入できるような火災保険金を受け取るためには、

再調達価格で火災保険に加入している必要があります。

免責に注意

不測かつ突発的事故で火災保険の事故申請をするにあたり、

もう一点知っておかなければならないのが免責額です。

不測かつ突発的な事故という項目は、

事故か故意なのかが判別がつきにくいです。

本当は、自分でわざと倒してテレビを故障させたのに、

子どもが暴れて倒したように事故申請した。

こればかりは証拠を出せといってもなかなか難しいのです。

善意でみんなが火災保険の事故報告をしていると思いたいところですが、

わざとかどうかの判別がつきにくいので、

一定額の自己負担をしてもらうケースが多いです。

これを免責といいます。

免責1万円という条件なら、10万の損害があり、

火災保険金が10万円全額認められても、

1万円だけさしひいて9万円を支払います。

免責5千円なら9万5千円になります。

いろいろな災害で火災保険はお支払いするのですが、

この不測かつ突発的な事故だけは免責額が設定されている保険会社がほとんどです。

これは防ぐも何もありませんので、

不測かつ突発的な事故は免責があるということは知っておきましょう。

たとえテレビの損害と一言でいっても火災で損害を受けたのか、

子どもが倒したのか、

ショートで使用不能になったのか・・

いろんな災害でテレビは破損する可能性はあります。

私流の原則ですが、保険料を安くするために補償内容を削ったり、免責額を増やしたりするのはオススメしません。さまざまな災害が複雑に絡み合うこともあるので、火災保険はフルサポートで加入をすることがポイントです。

金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP