民泊の流れとオーナーが備えておきたい保険とは

民泊の流れとオーナーが備えておきたい保険とは

先日石井啓一国土交通省相が2016年に日本を訪れた外国人旅行者が同月30日に累計で2000万人を超えたと発表した。2015年1年間の1973万人余りを早くも上回り、過去最高を更新。暦年(1~12月)での訪日客2000万人突破は初めてとなる。

2020年にはさらに倍増の4000万人を目指しており、そのためには不足する宿泊施設をどのように補っていくかも重要なポイントになります。その一つの方法としていろいろと賛否両論ありますが、「民泊」という方法がクローズアップされています。

民泊の大きな流れ

民泊を始めるには

①物件を購入または賃貸で借りる(借りる場合は原則オーナーから民泊の了承を必要とします)

②宿泊サイト等に自分の物件情報を載せる。

③予約の受付

④ゲストの利用

⑤ゲストチェックアウトの後の清掃

②に戻ってあとは繰り返す。

民泊のリスク

当然物件を購入や賃貸で借りるため、購入費用や家賃が発生します。またゲストが宿泊する際にもベッドやテレビ、冷蔵庫、冷房、暖房などの必要最低限の家具、家電はないといけないので買いそろえる必要があります。

揃えてしまえばあとはゲストが予約してくれるかです。当然ゲストが来なければ、購入した人はローンを、家賃の人は住んでいないのに家賃を払っていかなくてはなりません。

民泊で考えておきたい保険

さて先日大手損保会社が民泊向けの保険を相次いで販売をしました。

しかし個人や小規模で民泊を行っている場合はこの民泊専用の保険に必ずしも入る必要はありません。一番心配なのはゲストが自分が借りている物件に損害を与えてしまった時です。

購入をした人は自分で火災保険に加入をしておく必要があります。

民泊に使用する物件を購入したか、賃貸でかりているかで加入をする保険が異なってきます。

購入をしたら火災保険

もし物件を購入したなら、建物の火災保険に入る必要があります。ゲストが建物に損害を与えた場合はゲストに請求をすることが必要です。ただ、火災保険の保険金の給付に当てはまっている必要がありますし、給付要件に当てはまっていたとしても、原因がだれがやったのかわからないという状態でいると事故として認識してもらえません。原因がなければ火災保険は給付されませんので注意が必要です。

これをカバーするにはやはり退去のたびにオーナーは確認をするしかありません。

民泊用の物件を賃貸で借りている場合

この場合は建物に破損があった場合、ゲストの行為によって部屋が損害を受けた場合は大家さんに弁償をしなければいけません。この場合は火災保険ではなく、火災保険の特約にある「借家人賠償責任特約(しゃっかにんばいしょうせきにんとくやく)でカバーできます。

ゲストの行った行為ですが、大家さんはどのような用途で使用しているかにかかわらず部屋を借りている人に責任を求めます。たとえゲストの行った行為であってもです。

ということはゲストが行った行為でも部屋の借主が責任を持つということは、火災保険の特約の「借家人賠償責任特約」が使えるということになります。

目安としては鉄筋コンクリートの建物で2000万程度の保険金で年間5000円から6000円

、木造で10000円から20000円程度です。かなり大雑把な試算なので確認の必要はあります。

要注意

建物が火事や吹雪、河川の氾濫などで損害を受けた場合は借主に責任はないので「借家人賠償責任特約」は使えません。仮にこれらの災害で損害を受けて大家から請求があっても保険は給付になりません。建物の火災保険は大家が加入をして、ゲストが起こした事故を弁償する保険は借主が加入をする。こうすれば民泊で部屋を貸している人のリスクはほぼ賄えるはずです。

賛否両論がある民泊ですが、仮に行っている人、これから民泊に携わっている人。大家や世間の了解を得るためにもきちんと万が一の保険に加入をしておくようにしましょう。