悪徳業者のビジネスになる前に、地震保険の損害は外観に問題がなくても、プロに確認をしましょう
- 2018.11.10
- 火災保険
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地震保険の給付申請の傾向が変わってきています
北海道胆振東部地震から日数が経過しましたが、地震保険の申請はいまだに続いています。
発生直後の地震保険給付の申請はお客様から、損害があったので見に来てくれませんか?という問い合わせだったのですが、しばらくするとこの傾向は変わってきています。
明らかな震災による外観の損傷による保険給付の申請はひと段落して、今度は外観上の損傷がないが専門家が見ると損傷が発生しているというケースです。
要するに、お客様が自ら保険金請求をしてくるのではなく誰かから提案があってお客様が初めて保険金請求できることに気づいたというケースです。
簡単に言えばこういうことです。
今回の地震のあと自宅の外観になんの損傷もなかったのですが、とある保険代理店の火災保険担当から連絡がありました。
「今回の地震によって建物や家財に損害はありましたか?」
という電話がありました。お客様は
「うちは特に何もなかったわ??」
というケースです。しかし、ここで終わってはいけないのです。
地震保険加入者にはおそらく気の利いた保険会社は、損害状態を確認することをお勧めする旨のお手紙をみなさんに送っています。
なぜかというと、皆さんは建物の外観の損傷に気が付かなくても、保険会社の鑑定人が査定をしてみると基礎や柱、外壁に損害が発生していることがあります。
家財については、破損した現物の写真がないと厳しいケースが多いですが建物についてはそのような案件が放置されているものがかなりあります。
建物に地震保険をかけていた人はとにかく見てもらいましょう
100%お支払いを確約するわけではありませんが、かなりの確率で建物の基礎や外壁、柱などに何かしらの損傷が見つかっているケースがあります。
皆さん自身で、損害が特にないから・・と自分で判断せずにとりあえず見てもらいましょう。
何も損害がないので来てもらうのも申し訳ない・・ともいわれますが調査の人は
それが仕事です。遠慮する必要はありません。
保険金請求の流れ
保険金請求の流れは以下の通りになります。
①まずは保険会社や代理店の保険担当に連絡しましょう
コールセンターでもなじみの保険担当でもどちらでも構いません。
②建物確認の日程調整
みなさんの自宅に訪問する日程を保険会社の査定担当と調整します。査定時間は損害状況にもよりますが、20~1時間くらいで終わります。その間は特に部屋の中でお茶を飲んでいてもテレビを見ていても問題ありません。
③その場で査定結果の案内
建物と家財の損害状況の確認が終わったら、損害状況を報告し、問題なければその場で保険金請求書に署名捺印と保険金の入金口座を記入。
④保険金の入金
その場で保険金請求書を記入し、早ければ翌日には保険金が指定の口座に入金されます。
この間、2日間だけです。
保険金に不満なら再査定
査定された内容に不満があれば、再査定も要請することができます。
地震保険の契約者がすることは、
まずは保険会社に電話すること、①建物の査定に立ち会うこと(実際はただ家にいるだけです。)、②保険会社の鑑定から説明をうけて、③保険金請求書に署名、捺印
これだけです。
もらった保険金は必ず修理に使う必要はない
地震保険の保険給付は損害保険というよりも、地震被害にあった契約者の生活必要を賄うためという性質上、もらった保険金は必ずしも損害の修理に使う必要はありません。
保険金を受け取って、そのまま修理はせずに手元に持っておいてその他の用途に使うことも問題ありません。
ただし、その場合は被っている損害については放置されている状態であることは忘れてはいけません。
悪徳業者に注意
地震保険はとにかく請求すると本人では気が付かなかった損害について保険金が受け取れるので、お客様にとっては喜ばれます。
このことを知っている業者は、これをビジネスにしている業者もいます。
とびこみ、または紹介で地震保険の申請をお客様にさせて、保険金を受け取りその保険金の受け取り金額の一部を成功報酬として受け取ったり、その保険金をもとに修理を受注したりするという方法です。
すべてが悪徳業者というわけではありませんが、本来皆さんがこのことを知っていれば、保険金の一部を報酬などという形でお支払いする必要もありませんし、自分のなじみの業者にお願いすればいい話です。
該当する方はまずお手元の証券を確認して、地震保険の加入の有無を確認しましょう。
地震保険金を受け取ったときの注意点
先ほど受け取った地震保険金は手元に持っておいてもいいというお話をしましたが、その保険金はあくまでも修理代金として保険会社が渡したお金です。
万が一ですが、北海道胆振東部地震のような規模の地震が再度発生したとします。
また同じように保険金を受け取れるかというとそうではありません。
すいません、、前回修理代をお渡ししていますよね。なので今回はお支払いできません。
ということになります。
前回の地震が原因なのか、今回の地震が原因なのか区別なんてつくわけないじゃない!!
いえいえ、鑑定しているのはプロフェッショナルできちんと履歴は残っています。
さらに損害が上回っている場合は超えた分が支払われるかもしれませんが、
地震保険金の支払い方は一部損、小半損、大半損、全損の4パターンしかありません。
仮に一部損の段階での損害保険金を前回の地震保険で受け取り修理をしていなかったとすると、2回目の地震で受け取るためには一部損のさらに上の段階の小半損程度の損害になっている必要があります。
しかしその小半損に至った原因が一部損の修理をしていなかったことが原因ということになれば、保険金を受け取れる確証はありません。
あくまでも受け取った保険金は修理代、または震災をうけて受けた不利益を金銭面でカバーする、、生活費をまかなうためのものという地震保険の位置づけを忘れないようにしましょう。
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