火災保険がでなかった残念パターン4選
相談に来ていただいて、本当に保険が生かされていない。。と思うケースがこんなにたくさんあるなんて、、と思うことがあり今日はこんな話題にさせていただきました。
建物と家財を混同しているケース
同じ火災保険でも建物と家財は別に加入しなければなりません。
建物だけ仮に火災保険に加入していて、万が一建物が全焼してしまった場合には建物は保険金支払いの対象になりますが、建物の中にあった電化製品や、家具などの「家財」は補償してくれません。いろいろな方が豆知識として建物と家財の保険は別物です。と言っていますが、まだまだ浸透していないようです。
先日いらっしゃった方は10年間ずっと建物の火災保険だと思っていて加入していたものが、満期で私のところに相談しにきて家財の保険に加入していることに初めて気づいた!という方がいらっしゃいました。何もなかったからよいですが、ほんとうにヒヤヒヤものです。
積立の火災保険が辞められず、火災保険が減額されたケース
このケースはいたし方ない部分もありますが、積立の火災保険が昔は結構主流で販売されていた事はご存知でしょうか?昔の積立火災保険はかなり率もよかったので貯蓄にもなるし、いざというときの保険にもなるということで好むかたもいらっしゃいます。
しかし今回はこんなケースです。
あと2年で満期で満期金がもらえるからその後に考える。ということでそのままになっていた火災保険。
今回事故があり、60万円位の損害になりました。建物価額が1400万円に対してこの方は1000万円の火災保険金をかけていました。
じゃあ、安心じゃないですか・・・!1000万円が上限だから当然60万円支払われるんでしょ!と思いたいですが実は違います。
1400万円の80%以上すなわち損害額1120万円以上なら全額支払われますが、それ以下の場合はこんな計算式が適用されます。
損害額60万円、加入している火災保険金額1000万円、保険価額(建物の実際の価額1400万円)の場合
損害額×加入している保険金額÷保険価額×80%=支払い保険金
60万円×1000万円/1400万円×80%=約53万円
60万円の損害に対して53万円の支払いになってしまいます。
このような支払い方を比例填補方式といいます。
今回の場合、、満期金200万円をもうすぐ受け取れることを考えると、今回は、この積み立ての保険を途中でやめてまで最近の実損に対してそのままお支払いするものに途中で切り替えることはしなくてもよかったケースかも知れません。
ただ、比例填補という支払い方をするタイプの火災保険になっているものがまだまだあり、この支払われ方の違いを理解している人はほとんどいないことは事実です。
今の主流は比例填補ではなく、実損払い方式
今はこの比例填補は紛らわしいので、実損に対してそのままの金額をお支払いするというのが火災保険の主流です(実損払方式)実損払い方式では上記のようなケースでも53万円とならず、60万円が支払われます。
また、積立の火災保険も場合によっては満期金があるために、保険期間中に内容の見直しの踏ん切りがつかず思わぬ損を逆にしてしまうことがあり得るということもひとつの考え方です。
保険の内容を理解していなかったケース
火災保険は家が火事になった時だけ支払うのではありません。
最近は火災、落雷、破裂、爆発、外からの物体の衝突、風災、雹災、雪害、不測かつ突発的な事故などさまざまな要件が支払いの対象になります。
自動車保険の更改で訪問した自宅で、雪の重さで屋根がへこんで水漏れがしていたのですが、保険が出るわけないし、そんなに重大な影響が生活にあるわけではないのでほうっておいた人がいました。訪問した際にそれ火災保険で出ますよ。とアドバイスしてあげて大変喜ばれたケースもあります。
もちろん、内容によっては極めて補償範囲が狭いものもあります。
ただ、内容はきちんと理解しておかないとせっかくの保険がまったく意味を持たなくなってしまいます。
火災保険のまとめ
・火災保険は建物と家財別々にかける必要があること
・比例填補払いか、実損払いかを理解する。理解できないときは担当者に質問しましょう
・補償の範囲を確認しましょう。火災保険は火災の時だけ支払われるわけではありません。どのような災害に対して支払われる内容になっているかを確認しましょう
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