マクロ経済スライドについてめっちゃわかりやすく書きました
- 2019.06.23
- ファイナンシャルプランナー(FP) 年金、健康保険

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マクロ経済スライドについてめっちゃわかりやすく書きました
公的年金が2000万円不足する問題で、改めてこのマクロ経済スライドという言葉も取りざたされるようになりました。
しかしこのマクロ経済スライドというのは本当にわかりにくい仕組みです。
公的年金の特徴
改めて公的年金の特徴を整理していきます。これだけでも日本の年金制度はいかにすごい制度化ということがお分かりいただけます。または改めて認識してもらえたらと思います。
①一生涯にわたって受給できる
これだけでもすごいことですけどね。保険料さえずっと納めていれば、65歳から90歳まで生きても100歳まで生きてもずっともらえるわけですから。
これを民間の保険で加入しようとしたら、一番近いのはトンチン年金という商品になるのですがとんでもない保険料になります。
②障害、大黒柱の万が一でも対応する
障害年金や遺族年金等の制度もあり、老後の生活保障以外にも日本国民が困った状況に陥ったときはサポートできる制度があるということ。
③誰でも加入できる
日本の年金制度は年齢、健康状態や職種を問わず誰でも加入することができます。
④物価、賃金に連動する
今回のテーマに連動しますが、その時の経済情勢によって年金額も変動させるようになっています。
例えば年金支給額が年間70万だったとします。
では今まで購入していた牛乳が1パック100円だったのが200円になってしまいました。
こんな中、年金額が70万のままでは生活が苦しくなってしまいます。
物価が上昇したら年金額も上げたいのだけど、国にも財政的に苦しい事情があるから調整させてね。というのがマクロ経済スライドです。
マクロ経済スライドの概要

繰り返しになりますが、2019年の6月~ポテトチップスやカップラーメンなど多くの身の回りの食品が値上げしました。
物価が上昇していくのに支給される年金額が一定では年金生活をする人たちの生活が苦しくなってしまいます。
物価上昇が全体で5%アップなら、年金額も5%アップしてあげたいところだけども・・
今後少子高齢化だし、みんな長生きしているし・・ちょっと物価上昇と同じくらいの年金アップはさせられないんだよ・・(←国の声)
ということでちょっとまけて1%だけ年金額に上乗せするからそれで勘弁して。(←国の声)
ということで-4%調整されました。これがスライド調整率であり、マクロ経済スライドのざっくりとした説明です。
これについて批判をする有識者もいますが、年金制度は今現在維持できているのが不思議なくらいの財政だと予想されますので有る程度寛容に見ていく必要はあるのかなと思っています。
マクロ経済スライドの仕組み
ここで概要を理解してもらったうえでもうちょっと詳しく説明してきます。
スライド調整率の計算方法は少々難しいですが、このような計算で算出されます。
「公的年金全体の被保険者の減少率」+「平均余命の伸びを勘案した一定率」
例えばスライド調整率0.9%だった場合
【賃金物価が上昇した場合】
賃金物価の上昇が1.5%だったら本当は年金額も1.5%上昇させたいところですが、調整率0.9%があるので
1.5%-0.9%=0.6%年金額が増加します。
物価上昇分ちゃんと加味してよ!!とちょっと腑に落ちない部分もあるかも知れませんが、物価上昇時もきちんと一定額は考慮してくれていると寛容に受け止めたいものです。
【賃金物価が少ししか上がらなかった】
では賃金物価が0.3%しか上昇しなかった場合はどうなっちゃうんでしょうか?スライド調整率は0.9%のままです。
その時は0.3%-0.9%=-0.6%
年金額は-0.6%減らされるのでしょうか?
いえ、この時は現状維持です。年金額の調整はありません。ところが、この0.6%は好景気の時期までキャリーオーバーされてしまいます。
【賃金物価がマイナスだった】
ではそもそも賃金物価がマイナスならどうなるのでしょうか?
賃金物価-0.3%スライド調整率-0.9%なら
-0.3%-0.9%=-1.2%
-1.2%ではなく、賃金物価-0.3%だけが年金額に反映されます。(減額)
のこりの0.9%はキャリーオーバーです。
ちなみに平成31年度のスライド調整率-0.2%になっています。
スライド調整率をもう少し細かく見ていきましょう

これから年金を受け取り始める人(新規裁定者)は賃金変動率で改訂
すでに年金を受給している人(既裁定者)は物価変動率で改訂することになっています。
当然物価と賃金の伸びが異なることもあります。
(ケース1:物価>賃金>0)
原則は賃金変動率が物価変動率を下回るときは新規裁定者、既裁定者ともに賃金変動率で改訂することになっています。
(物価>賃金>0)の場合
賃金の伸びが0.5%、物価の伸びが0.7%だった場合、0.5%にあわせます。ということでスライド調整率は0.5%のプラスです。
(ケース2:0>物価>賃金の場合)
物価、賃金ともに-の場合もどっちかが大きなマイナスになることがあります。この時もマイナスの小さい方に合わせます。(0>物価>賃金)の場合
たとえは賃金の伸びがマイナス0.5%、物価の伸びがマイナス0.7ならマイナス0.5に合わせます。ということです。スライド率はマイナス0.5になります。
(ケース3:物価>0>賃金)
原則は賃金変動率が物価変動率を下回るときは新規裁定者、既裁定者ともに賃金変動率で改訂することになっている!ので、
マイナスになってしまうところですが、この場合はスライドなしになります。
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