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高額療養費制度とは?所得による区分とは?

      2017/02/16





高額療養費制度の前にまず医療保険の制度について

社会保険は国民の最低限の生活を実現するために国が、国民が①疾病・ケガ、老齢、失業、死亡など日常生活を脅かす事態が発生した場合の救済を目的とした制度です。

個人の努力では対応できない経済的なリスクに対して、国や集団の力で連帯して支え合うというセーフティネットの機能があり、私たちが経済的に困窮した際に必要な生活保障をおこなうのが社会保障制度の役割です。
小難しい言い回しになってしましましたが、要するに病気や傷病の際は国から必要最低限の保障をうけることができるので、その上乗せで民間の医療保険を用意すればよい。ということです。

Taokinesis / Pixabay

義務教育就学以降70歳未満の人は3割負担、義務教育就学以前は2割負担(自治体によって様々で無料のところもあります)

70歳以上は現役並み所得者は3割、それ以外は2割負担(2015年4月以降に70歳になる人から)4月より前に70歳になっている人は1割負担。

75歳以上後期高齢者医療制度の取り扱いとなり、現役並み所得者は3割、それ以外は1割負担です。

たとえば手術で50万円の手術代金がかかったとすると、1割負担なら5万円だけ負担をすればよい、3割負担なら15万の自己負担となります。後は健康保険が払ってくれるのです。すごい恵まれているしくみですよね。

加入者 医療保険制度 自己負担割合
大企業のサラリーマンとその家族 組合管掌健康保険 70歳未満は3割

ただし、

小学校就学前は2割

70歳以上は現役並み所得者※は3割、それ以外は2割(2015年4月より以前に70歳になった人は1割

 

 

中小企業のサラリーマンとその家族

 

協会けんぽ 70歳未満は3割

ただし、

小学校就学前は2割

70歳以上は現役並み所得者※は3割、それ以外は2割(2015年4月より以前に70歳になった人は1割

公務員とその家族

 

共済組合 70歳未満は3割

ただし、

小学校就学前は2割

70歳以上は現役並み所得者※は3割、それ以外は2割(2015年4月より以前に70歳になった人は1割

漁業、農業、自営業者

 

国民健康保険 70歳未満は3割

ただし、

小学校就学前は2割

70歳以上は現役並み所得者※は3割、それ以外は2割(2015年4月より以前に70歳になった人は1割

75歳以上の高齢者 後期高齢者医療制度 現役並み所得者※は3割、それ以外は1割

 

※現役並み所得とは夫婦で520万、単身者で383万円が目安

医療保険を検討するときに考慮したい、「高額療養費制度」と、「傷病手当金」

健康保険制度の療養給付について

まず健康保険で一番なじみがあるのが療養給付(家族療養費)ではないでしょうか?

療養給付というとピンとこないので、以下のようなことが健康保険の療養の給付といいます。

療養の給付??と思うかもしれませんが以下の通りです。

  • 小学校就学前はかかった医療費のうち2割が自己負担
  • 小学校就学~70歳未満はかかった医療費のうち3割が自己負担
  • 70歳以上は(一定の所得者を除いて)かかった医療費のうち2割は自己負担(一定以上の所得者は3割)

これならああ知ってるという方もいますよね。

これが健康保険の加入者(被保険者)が利用する場合は療養の給付、その扶養家族が利用する場合は家族療養費といういい方になるわけです。療養の給付と家族療養費はだれが受けるかでいい方が違います。

3割負担でも負担が大きいことがある

もし足の骨折で手術もおこない、入院期間が想像以上に長引いてしまい手術と入院代合わせて100万円かかったとします。

仮に100万円の医療費に対して3割自己負担だとしたら、30万円が自己負担。

3割負担ってとてもありがたい制度ですが、このようなケースで30万負担となると3割負担とはいえ痛いですよね。

そんなとき高額療養費制度の登場です。




計算式と具体例を見てもらった方が分かりやすいと思うので、以下の通りです。

一番一般的な標準報酬月額の例で説明します。

 

高額療養費の自己負担限度額の計算例

※このブログの最後に述べる計算式「区分ア~区分オ」のうちの「区分ウ」を用いて計算してみます。

区分ウは

80,100円+(かかった医療費-267,000円)×1%=自己負担限度額になります。 

100万円の医療費がかかって、健康保険(3割負担)でも30万の負担が発生する場合。

80,100円+(1,000,000-267,000)×1%=87,430円

通常の健康保険では自己負担が30万円もすると思いきや87,430円で済んでしまうのです。




高額療養費制度は27年1月~制度が若干制度が変わっています

高額療養費の計算式は標準報酬月額によって5段階に分かれています。

それぞれの計算式と100万円の医療費がかかった場合の自己負担額を見ていきましょう。

 

高額療養費は収入によって自己負担の最高限度が変わる

その人の毎月の報酬がいくらかによって、受けられる高額療養費の金額も違います。毎月高額な給料をもらっている人には、医療費の負担軽減が少なくなり、低所得の方には医療費の負担が軽減されるような仕組みになっています。

また以下にでてくる標準報酬月額は毎月の税込の給料の支給額だと思ってください。たとえば毎月社会保険料や所得税等が差し引かれる前の給料明細の額面金額が28万なら、以下の分類の③区分ウに該当するという意味です。

①区分ア(標準報酬月額 83万円以上)

252,600円+(医療費-842,000)×1%

医療費100万円の場合の自己負担額 254,810円

②区分イ(標準報酬月額 53万~79万円)

167,400円+(医療費-558,000)×1%

医療費100万円の場合の自己負担額  171,720円

③区分ウ(標準報酬月額 28万~50万円)

80,100円+(医療費-267、000)×1%

医療費100万円の場合の自己負担額 87,430円

④区分エ(標準報酬月額  26万円以下)

医療費100万円の場合の自己負担額 57,600円(計算式はありません)

⑤区分オ(被保険者が市区町村民税の非課税者)

医療費100万円の場合の自己負担額 35,400円(計算式はありません)

 

これだけの健康保険からの給付が受けられるということを知っていたら、医療保険での準備額も変わってきませんか?

高額療養費の注意点

なんでもかんでも治療費が一定額を超えれば受けられるわけではありません。

  1. 同一月内の診療であること・・1月10日~2月10日にまたがってしまったような場合は1月10~31日と2月1日~10日に分けられてしまいます。それぞれ15万ずつ医療費がかかったようなケースはどちらも高額療養費は使えません。
  2. 同じ医療機関の診療であること
  3. 医科と歯科は別であること
  4. 入院と通院は別であること

が要件です。

高額療養費を請求することになって知っておきたいこと

平成19年4月より前は高額療養費制度の適用を受けられたとしても、健康保険の3割負担の人であれば3割負担をして、後日高額療養費との差額の払い戻しを受けるという流れになっていました。いずれ払い戻されるとは言え、いったん医療費を立て替えて、戻ってくるのが2~3カ月後なので一時持ち出しとは言えかつては大きな負担となっていました。

限度額適用認定証

高額療養費の適用を受けられるとき、一度立て替える必要がなくなる制度が平成19年4月以降生まれました。限度額適用認定証というものを医療機関に提出することで高額療養費の自己負担以上の金額を立て替える必要もなくなりました。

限度額適用認定証を協会けんぽの場合は各都道府県の支部へ、国民健康保険の日つは住んでいる市町村、大企業の方は組合健保に用紙を請求し、医療機関に提出をするという流れになります。

 

 








 - 社会保障

by Kenji.Kaneko