熟年離婚をする理由をFP的な立場で考える
- 2018.06.08
- 年金、健康保険
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女性が単独で相談に来る時
あくまでもたくさんのうちのごく一部ということですが、
女性が単独で夫婦の相談に来て「ライフプラン」についての相談をする。
一見、特に何の問題もないことではないかと感じるでしょう。ご主人は日中は仕事だから・・あまりこういう話には興味ないから・・理由をつければいくらでも出てくるので全く違和感を感じないのですが、話をしていてなんとなく話がうやむやで平行線になってくることがあります。
「ご主人とは普段こういう話をするんですか?」
「いえ、、あまり話をすることもなくて・・」
「実は・・
退職したら離婚を考えているんです・・」
熟年離婚を考えて年金分割の仕組みについて教えてくださいという話はかなり多いです。
そして最近は熟年に限らず、離婚をしてもし一人になったときのライフプランを作ってみたいという相談も実は結構あります。
熟年離婚を考える原因の私の中での1位はダントツでコレ
家事や洗濯、子育てをずっとほぼ一人で行いいつしか全く感謝もされなくなり、
今までずっとガマンしてきた・・
だと思います。
2位
子どもがいたから(子どもはかわいい)
3位
なんだかんだ大黒柱の収入がなくなったら不安
ほとんどこれが当てはまるのが離婚に踏み切れない原因です。(あと夫の浮気も・・(^_^;))
ところがこれを改善する制度があるため、熟年離婚を考えるのではという思う制度があります。
離婚時の年金分割
離婚時の年金分割という制度が浸透してきていることが熟年離婚が増える一つの要因だと思っています。
離婚時の年金分割とは何なのでしょうか?
本来は仮に夫が勤務で妻が専業主婦のという世帯があった場合、扱いとしては、夫が厚生年金と国民年金を払い、妻は国民年金だけを払っているという扱いになります。
将来もらえる年金は夫の収入がよほど低くない限りは厚生年金プラス国民年金の2つ受け取れるので、妻が国民年金だけに比べてもらえる金額は多くなります。
夫婦円満に暮らしていれば、、
夫の厚生年金プラス国民年金に加え妻の国民年金も加わって、比較的安泰な老後。。
と言えるのでしょうが、仮に離婚してしまったらどうなるんでしょうか?
今の制度だったら、夫は65歳以降厚生年金プラス国民年金。
妻は国民年金のみ。
だって夫は働いていて、その期間ちゃんと年金保険料払っていたもん。
妻の分だって払っていたんだからいいんじゃないの?
とこれまではまかり通っていたのです。
しかしよくよく考えたら
そんなわけないやろ!!(←なぜか関西弁)
妻も、夫の勤務を支えるために時間をささげてきたわけです。
よって年金は婚姻期間は均等に分割するのが妥当という考え方になってきたわけです。
離婚時の年金分割は2パターンあります。平成16年からこのような法律ができました。
①合意分割
婚姻期間中に夫婦双方が払った「厚生年金・共済年金」の年金記録を分割します。
夫婦間で話合い、最終的には裁判所が結論を出しますが最大で半々です。
しかしこれは夫婦の話合いがある・・というのがなかなか妻にとっては主にです。
しかも事実婚でいい。
②3号分割制度
平成20年4月以降の厚生年金の分については、専業主婦の妻は交渉することなく「厚生年金・共済年金」の納付記録を分割することができます。
こちらの場合は事実婚は×です。事実婚出ないことを証明する必要があります。
また、あくまでも平成20年4月以降の納付記録なので、それより以前は前述の合意分割を使わなければなりません。
合意分割、3号分割共通の注意点
離婚後2年以内に請求しなければならない。
分割できるのは厚生年金・共済年金(公務員の年金(現在は廃止))の部分だけで、夫が経営者や個人事業主の場合はこの制度は使えません。
年金分割に必要なもの
①年金分割の情報提供書を作成
②年金事務所に提出
③後日年金情報通知書を確認する
これを手に入れたら、行動開始になります。
60歳の定年退職をまって、可能な限り年金分割してもたくさんもらえるように加入期間を延ばして延ばして・・退職金が出たところを見計らって離婚・・
あ、ちなみに退職金も分割対象になりますがケースバイケースなので、ここはお互いのこれまでの夫婦生活の状況をみて分割割合は弁護士に入ってもらい決めていくことになるでしょう。
これが多くでないことを祈りたいところですが、離婚をしても生活することができなければ本末転倒なので、少しでも制度は活用してもらうものはもらう。というのも利用できるならした方が良いですね。
夫婦円満が一番ですが、参考までに。
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