マイナス金利で生命保険はわかりましたが、損害保険も値上がりするんでしょうか?
- 2016.03.19
- 損害保険
ずっとマイナス金利による生命保険の利回りの悪化や保険料の上昇などは記事にしてきましたが、損害保険も同じ保険ですよね。損害保険があんまり騒がれていないのはなぜでしょうか?
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損害保険も影響が無いわけではない
確かに損害保険も影響が無いわけではありません。みなさんから預かった保険料を安全に運用していることには変わりありません。
損害保険は保険料に転嫁しやすい
自動車保険を例にしてみると毎年事故を起こしていないで保険料が下がるはずなのに毎年自動車保険の保険料が上昇している!という方はいませんか?損害保険の保険料は定期的に更新されていて、保険料に転嫁しやすい仕組みになっています。
自動車保険で例えば、トヨタのクラウンが今年は日本全体で事故が多かったねーーということになるとクラウンの保険料が見直しされたり、高齢者が事故多いよねーーということであれば高齢者の保険料を上昇させたりしています。
したがって、生命保険でいう予定利率の影響をうける商品が損害保険は少ないのです。
昨年2015年の10月から、長期の火災保険が35年から10年になりました。
これは35年にすることで割安にしていたのですが、その35年の間に自然災害が増えたりすることで保険金の支払いが多くなってしまったら保険会社の利益が脅かされます。その35年の間に保険会社は払うお金がなっなっちゃったからお客様追加でお金をいただけませんか??ということができないのです。お客様の立場だったら怒りますよね。
これを10年にすることで、その10年の間に自然災害が多くて払った金額が多かった場合は10年後には保険料を値上げして採算を合わせることができるようになったのです。保険会社の保険料を見直す余地を作るためというのも長期契約がなくなった要因の一つです。
要は、損害保険は事故が多くてたくさん保険金をはらったら保険料にすぐ転嫁できるのです。
じゃあ損害保険会社ボロ儲けだね。と言えばそれ以上に保険金の支払いが多く決してそんなことはないことだけは言っておきます。
生命保険と損害保険の大きな違い
生命保険は長期の契約、損害保険は毎年更新が基本です。
生命保険は10年に1度、満期です。という案内が来るとは思いますが毎年更新しますという機会はあまりないと思います。しかし例えば自動車保険は毎年更新(3年更新などもあります。)、火災保険も1年、2年の満期のケースが中心です。なぜ損保は掛け捨てが多いのでしょうか?
人の生命に保険をかけるのが生命保険で物の損害に保険をかけるのが損害保険は、一般的なことですが生命保険は保険の対象となる被保険者が変わることはめったにありません。
被保険者とはご主人Aさんが亡くなったら奥様Bさんに生命保険金が入るというような場合はAさんが「被保険者」にあたります。
しかし損害保険は生命保険でいう被保険者を保険の対象という言い方をします。
損害保険は物を補償の対象としているので、また自動車保険を例にとると保険の対象が変わることが頻繁にあります。
上記のクラウンからプリウスにしました。息子が免許とったから息子ものれる設定にしてください。あまり車を使わないので保険料安くしてもらっていたけど急遽仕事で今後も使うようになったので、設定替えておいて。など損害保険は保険料に影響を及ぼす環境変化が生命保険に比べて圧倒的に多いのです。
したがって前述の火災保険と同様で、見直す余地が多いので自動車保険は毎年更新の掛け捨てで長期契約は長くても3~5年というのが普通です。
結論として、損害保険も収益悪化により保険料は上昇傾向にありますが、マイナス金利の影響は生命保険に比べると格段に低いと言えます。損害保険の保険料は純粋に天災や高齢者の自動車事故などによる保険金の支払いにともなう収益の悪化が原因でまったく別物なのです。
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