ライフプラン作成で使用する6つの係数(終価係数、減価係数、年金終価係数、年金減価係数、資本回収係数、減債基金係数)
- 2019.11.26
- ライフプランニングと資金計画 FP2級資格取得webテキスト
FPとして相談を受ける際に、
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ライフプラン作成で使用する6つの係数(終価係数、減価係数、年金終価係数、年金減価係数、資本回収係数、減債基金係数)
毎月利率3%で1万円で運用したら、20年後には○○円になりますよ。
のような提案をすることがあります。
普通に毎月1万円を20年積み立てれば240万ですが、
1万円を利率3%で運用すれば20年で約327万になります。
このように計算をすることがあります。FPの実務でよくつかわれる計算を6つ紹介します。
FPの試験でもここは大変重要なので、覚えて問題集などを使ってくりかえし練習してくださいね。
ただ、以下に紹介する計数を使えば簡単に計算できます。
表は全く覚える必要はないのですが、使い方だけは押さえておきましょう。
実務では、予算と運用利率と年数を入れれば自動計算できるサイト(カシオさんのサイトです)がありますので、そちらを使います。
ただ、自分が理解していないとこれらの係数も使いこなせないのでしっかり理解しておきましょう。
以下はすべて年率2%の場合の係数を紹介しています。ここでは7年分しか表記していないので、そこから先は前述の計算サイトを利用していただくのがよいと思います。
年 | 終価係数 | 現価係数 | 年金終価係数 | 年金現価係数 | 資本回収係数 | 減債基金係数 |
1 | 1.02 | 0.9804 | 1 | 0.98 | 1.02 | 1 |
2 | 1.04 | 0.9612 | 2.02 | 1.942 | 0.5151 | 0.4951 |
3 | 1061 | 0.9423 | 3.06 | 2.884 | 0.3468 | 0.3268 |
4 | 1.082 | 0.9238 | 4.122 | 3.808 | 0.2626 | 0.2426 |
5 | 1.104 | 0.9057 | 5.204 | 4.713 | 0.2122 | 0.1922 |
6 | 1.123 | 0.888 | 6.308 | 5.601 | 0.1785 | 0.1585 |
7 | 1.149 | 0.8706 | 7.434 | 6.472 | 0.1545 | 0.1345 |
6つの係数
終価係数
現在のお金が将来いくらになるかを計算する。
上記表の終価係数の5(年)の欄を確認すると「1.104」とあります。
したがって
具体的な相談では100万円を2%で運用したら5年後いくらになるかしら・・という相談があったときはこの数値を用いればすぐにアドバイスすることができます。
現価係数
将来一定の金額を受け取るためには今いくら必要かを計算する。
また上記の表を参考に現価係数の5(年)の欄を確認すると、「0.9057」と書いてあります。
したがって
となります。
こちらも具体的なアドバイスとしては5年後年利2%で運用して100万は用意しておきたいけど、今いくら現金が必要かなー?なんていう質問に答えられます。
95万7000円を5年間複利で2%で運用すれば、100万円になりますよということです。
終価係数の逆パターンです。
年金終価係数
上記表をもとに計算すると
①の終価係数と③の年金終価係数もそうですが、
運用した結果がいくらになるか?というのが終価係数です。
年金原価係数
現価係数、年金減価係数いずれもそうですが最終的にこのようにするためには「今いくら必要か」を求めるのが減価係数です。
資本回収係数
現在手元にある金額を一定の年利で運用が場合、毎年いくらのお金を受け取ることができるかという計算に使います。
住宅ローンの返済額にもこの係数は使われます。
全く同じ計算で、21万2200円です。
具体的な事例としては、老後65歳で手元に大きなお金があるにしても、将来貯蓄がなくなってしまうのでは?
という不安があるということで、今の資産例えば2000万のうち100万円を運用したとします。
この100万円を年利2%で運用し、なおかつこれを5年間に分けて受け取るという年金形式で受け取った場合は毎年21万2200円です。
普通に100万円を運用せずに、ただ5年間に分けて受け取るだけでは当然20万円ずつですよね。
2%で貯蓄を取り崩しながらも運用をしていれば21万2200円です。
少し運用すれば、ただ受取るだけより1万2200円プラスですね。
老後大きなリスクは取れないけど、少ないリスクで少しでも資産を増やしたいんですけど・・という相談を受けた時などこの指数は有効です。
⑥減債基金係数
将来の目的額に達するためには毎月いくら積み立てたらいいかを計算します。
全部の計数が出題されることはありませんが、いくつかの計数を用いて具体的に計算させる方法や、例えば将来の目的額に達するために毎月いくら積立をしたらいいかを計算する係数を( )(答えは減債基金係数)というという問題形式で必ず試験にでると思いますので、それぞれの違いをしっかりと押さえてください!
覚え方の早道は、セットで覚えることです。
終価計数と現価計数とは反対の関係、以下それぞれの計数は反対の関係にある。
終価係数←→減価係数
年金終価格係数←→減債基金係数
年金現価係数←→資本回収係数
この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー金子 賢司
これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー、公式HP
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