資産ポートフォリオとは

資産ポートフォリオとは

資産ポートフォリオとは

ポートフォリオとは資産の組み合わせのことをいいます。

ポートフォリオ運用をする目的

たくさんのタマゴを一つのカゴに盛るな!という言葉が有名です。

「たくさんのタマゴを一つのカゴに盛るな!」とは

一つの商品にドカンと投資をしないという商品の分散投資の重要性を言葉に表した格言です。

一つのカゴにタマゴを持った状態で落としたら全部ダメになってしまいます。

カゴを分けておけば、一つ落としても残りのカゴは無事なので大怪我をしなくて済むということです。

このカゴを商品に置き換えてください。

運送業の株式を持っていたとします。

ガソリン代の高騰で収益が上がらず株価が下がってきました。分散投資でいろんな商品を持っていたとしても、全部似たような運送業の株式ばかりでは、みんな同じような動きをするため、持っている資産の株価が全部下がってしまいます。

ガソリンが値上がりすると、石油メーカーが利益がでて一般的には株価が上昇します。

このように運送業と石油メーカーは一般的には逆の値動きをする性質があります。

同じような値動きではなく、値動きの特質が違う商品をもつことを商品の分散といい、たくさんのタマゴを一つのカゴに盛るなを実践した運用方法と言えます。

 

ポートフォリオ運用の目的は、異なる値動きの特徴を持つ金融商品を組み合わせて持つことで、リスクを下げた運用を行うことができる効果があります。 このように金融商品(資産(アセット))を配分(アロケーション)して運用することをアセットアロケーションといいます。

資産運用におけるリスクとは

「リスク」という言葉は一般的には「危険」という意味で使われます。
しかし金融商品におけるリスクとは、値動きの大きさのことをいいます。
-10円になるかも知れないし+10円になるかも知れない商品よりも、
-100円になるかも知れないし、+100円になるかも知れない商品の方がリスクが高い商品といいます。

リスクとはその値幅の「不確実性」のことをいいます。

ポートフォリオで用いる指標

資産運用はただやみくもに儲けるという考え方は、非常にリスクが高いです。

本来は5%の収益を出していれば、十分余裕のある生活ができる人が必要以上のリスクある運用をしてしまい、逆に元本が減ってしまうということでは資産運用の意味がありません。

ポートフォリオで組み合わせた資産トータルでどれくらいの効果があるのか?を考えることが非常に重要です。

以下はポートフォリオの効果を見るうえでの指標をいくつか紹介していきます

投資収益率

投資額に対する投資収益(インカムゲインとキャピタルゲイン)の割合

投資収益率(%)=(投資収益÷投資額)×100

期待収益率

その投資をして、起こりうる確率を仮定して、それぞれの投資収益率を加重平均したものです。

Aという株式の予想投資収益率を以下のように仮定した場合。

シナリオ予想投資収益率確率
楽観的なケース10%30%
普通のケース5%50%
悲観的なケース-5%20%

期待収益率=10%×0.3+5%+0.5+(-5%×0.2)=4.5%
従って期待収益率は4.5%

ポートフォリオの期待収益率

前述の期待収益率は一つの商品についての期待収益率を様々なケースでみたものですが、

ポートフォリオの期待収益率は以下のように算出します。

シナリオ期待収益率確率
A株式8%30%
B株式1%50%
C株式10.0%20%

期待収益率=8%×0.3+1%×0.5+10%×0.2=4.9%
従ってポートフォリオの期待収益率は4.9%

分散と標準偏差

投資におけるリスクは不確実性を表すものですが、期待収益率に対するばらつきがどのくらいかを測定することができます。

分散の計算方法

分散=(ある状況での収益率-期待収益率)²×確率  の合計

標準偏差の計算方法

標準偏差=√分散

 

 

 

シャープレシオ

リスクからどれだけ効率的に収益を上げたかの指標です。

シャープレシオ=(ポートフォリオの収益率-無リスク資産の収益率※)÷ポートフォリオの標準偏差
※無リスク資産とは預貯金のように元本が保証されている資産のことをいいます。
シャープレシオは標準偏差が異なるポートフォリオを比較するときに使われ、シャープレシオの数値が大きいほど投資効率が高いと判断できます。

ポートフォリオの効果と相関係数

組み入れる資産が同じような値動きをする特質があるなら相関係数は+1、前述の事例のように、運送業と石油メーカーのように相反する場合は相関係数は-1、0は相関がないという意味です。

相関係数-1逆相関全く正反対の動きをする性質をもつ証券
相関係数無相関証券同士の関連が全くない
相関係数+1完全相関証券の動きが全く同じになる

分散投資によって、リスクのある商品もある程度はリスクを抑えて運用することは可能ですが、市場全体の変動が株価の影響を及ぼす場合には分散投資の効果が得られないことがあります。

これをシステマティックリスクといいます。

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金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP