資産運用に関連する税金
- 2019.12.23
- 金融資産運用 FP2級資格取得webテキスト
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資産運用に関連する税金
投資、資産運用でお金が増えたとしても、増えた分には税金がかかります。
各金融商品の収益にはどのような税金がかかるのかについて学んでいきましょう。
預貯金にかかる税金
債券にかかる税金
平成28年1月1日以降、新制度が採用されています。
利子 | 償還差益 | 売却益 | |
特定公社債 (国債、地方債、 外国債など) | 利子所得(申告分離課税 または申告不要) ・申告分離課税を選んだ場合は 上場株式の譲渡損益等と 損益通算が可能 ・申告不要を選んだ場合は 20.315%の源泉徴収 | 譲渡所得(申告分離課税) 上場株式の譲渡損益等と 損益通算が可能 | 譲渡所得(申告分離課税) 上場株式の譲渡損益等と 損益通算が可能 |
一般公社債(同族会社役員保有以外) | 利子所得 (源泉分離課税20.315%) | 譲渡所得(申告分離課税) 一般株式等の譲渡所得と損益通算が可能 | 譲渡所得(申告分離課税) 一般株式等の譲渡所得と損益通算が可能 |
一般公社債(同族会社役員保有) | 利子所得 (源泉分離課税15.315%) | 雑所得(総合課税) | 譲渡所得(申告分離課税) 一般株式等の譲渡所得と損益通算が可能 |
株式にかかる税金
株式には二通りの収益があります。
- インカムゲイン(配当金による収益)
- キャピタルゲイン(譲渡(売買)にともなう収益)
インカムゲイン(配当金)にかかる税金
インカムゲイン(配当金)にかかる収益は以下の3通りの方法があります。
- 配当所得として源泉徴収
- 確定申告をして総合課税
- 申告分離課税
上場株式のキャピタルゲインにかかる税金
また上場株式の場合は損失が発生した場合は、確定申告により翌年以降3年間にわたって繰り越し控除できます。
特定口座
投資家は1証券会社につき1口座、特定口座をつくることができます。
特定口座の確定申告不要を選択すれば、今まで説明してきたような、確定申告等の煩雑な業務の負担をなくす効果があります。
源泉徴収 | 確定申告 | |
一般口座 | なし | 必要 |
特定口座 | 源泉徴収あり、なしを選べる | 必要、不要を選べる |
NISA(ニーサ)
NISAとは少額投資非課税制度の事を言います。これまでキャピタルゲインやインカムゲインにかかる税金の話をしてきましたが、
前述の一般口座、特定口座とは別にNISA口座を新たに開設し、利用する場合は、毎年120万円(平成27年分までは100万円)まではキャピタルゲインやインカムゲインは非課税になります。
NISA・積立NISA・ジュニアNISAがあり、それぞれの特徴は以下の通りです。
NISA | 積立NISA | ジュニアNISA | |
---|---|---|---|
利用できる人 | 国内に住む20歳以上の人 | 国内に住む0~19歳の人 | |
対象商品 | ・上場株式 ・ETF(上場投資信託) ・REIT(不動産投資信託) ※公社債投資信託が無い | 金融庁で定められた株式投資信託 | ・上場株式 ・ETF(上場投資信託) ・REIT(不動産投資信託) ※公社債投資信託が無い |
金融機関の変更 | 可能 | 不可 | |
非課税枠 | 年間120万 | 年間40万 | 年間80万 |
非課税期間 | 最長5年 | 最長20年 | 最長5年 |
非課税枠の繰越 | 不可 | ||
いつまで口座開設できるか | 2023年 | 2037年 | 2023年 |
払い出し | 年間の非課税枠の範囲内で何度でも、いくらでも可能 | 年間の非課税枠の範囲内で何度でも、いくらでも可能 | 18歳まで不可 ※3月31日時点で18歳である年の前年の12月31日 |
投資信託にかかる税金
投資信託には株式投資信託と公社債投資信託があり、それぞれ扱いが異なります。
公社債投資信託
株式投資信託
株式投資信託については分配金への課税と解約・償還・譲渡で扱いが2通りあります。
収益分配金への課税
特別分配金 (元本払戻金) | 非課税 |
普通分配金 | ・申告不要で源泉徴収(配当所得で20.315%) または ・総合課税、申告分離課税も選択できる 総合課税を選択すれば、配当控除を受けられ、 申告分離課税を選択すれば損益通算ができます。 |
解約・償還・譲渡益への課税
いずれも譲渡所得として申告分離課税で、譲渡損失の3年間の繰り越し控除が可能です。税率は20.315%
外貨建て金融商品にかかる税金
外貨預金 | 利息 | 利子所得20.315%の源泉分離課税 |
為替差益 | 雑所得 為替先物予約をしていた場合は利子所得に対して20.315%の源泉分離 | |
外国投資信託 (外貨建てMMF) | 収益分配金 | 利子所得20.315%の申告分離課税 |
譲渡益 | 譲渡所得として20.315%の申告分離課税 | |
外国債券 | 利息 | 利子所得20.315%の申告分離課税 |
償還差益 | 利付債、割引債ともに譲渡所得として20.315%の申告分離課税 | |
譲渡益 | 譲渡所得として20.315%の申告分離課税、 ゼロ・クーポン債等は譲渡所得として総合課税 | |
外国株式 | 配当金 | 国内株式と同様 |
譲渡益 | ||
外国為替証拠金取引(FX) | 譲渡益 | 雑所得として20.315%の申告分離課税 |
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー金子 賢司
これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー、公式HP
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