外貨建て金融商品の基礎知識

外貨建て金融商品の基礎知識

外貨建て金融商品の基礎知識

取引価格や元本、利息等が「円」ではなく「ドル」、「ユーロ」などで表示される金融商品のことをいいます。

外貨建て商品には日本の円よりも金利が高いので収益は高い傾向がありますが、以下のようなリスクがあります。

・為替リスク(円高ドル安のように常に変動する)

・カントリーリスク(中東情勢のように混沌としている国の通貨は、戦争などで大きく変動しやすい等)

・為替手数料(円→ドル、ドル→円に交換するときの手数料)がかかる


・預金保険機構の対象外

為替レート

前述しましたが、円を外貨に換えたり、外貨から円に換えたりするときそれぞれ手数料が掛かります。

TTS対顧客電信売相場円を外貨に換えるレート
TTB対顧客電信買相場外貨を円に換えるレート
TTM仲値基準となる相場
TTSの「S」はSell(売る)のS、TTBの「B」はBuy(買う)のB,
「M」はMiddle(真中の値段)の意味

金融機関はTTMの金額にほんのちょっと金額を上乗せしてTTSの価格で私たちに外貨を販売します(金融機関にとっては私たちに売ることになりますので、TTSは対顧客電信売相場。
そのTTMとTTSの差額が金融機関の手数料「為替手数料」となります。


私たちが外貨から円に換える時はTTMとTTBの差額が為替手数料となります。

為替差益と為替差損

1ドル100円の時に100万円でドルを購入

100万円÷100円(1ドル100なので)=1万ドル

この1万ドルで・・・

1万ドルをもっている間に1ドル120円になりました。このときに日本円に戻せば120円×1万ドル=120万円

1万ドルをもっている間に1ドル80円になり、この時日本円に戻せば80円×1万ドル=80万円

前述のパターンの時はもともとの100万円から増えているので為替差益、後述のパターンは減っているので為替差損といいます。

外貨建て金融商品の種類

外貨建て定期預金

内容
   
円以外の通貨で行う預金、その他は円の預金と同じ
特徴外貨建ての定期預金は途中引き出しはできない。預金保険機構の対象外。
税金利息は利子所得で源泉分離課税(20.315%)。為替差益は雑所得で総合課税。

外貨建てMMF

外国投資信託の1種で、外貨建ての短期国債等で運用される公社債投資信託のことをいいます。

内容
   
米ドルやユーロなど外国の法律に基づいて設定される
特徴購入日の翌日以降換金ができ、ペナルティ無しでいつでも売却可能。
外貨預金よりも手数料が安い。
税金収益分配金は利子所得として申告分離課税または条件によっては源泉徴収。売却益(為替差益)は譲渡所得として20.315%

外国債券

発行者、通貨、発行場所のいずれかが外国である債券のことで、

取り扱うには証券会社で外国証券取引口座を解説する必要があります。

外国債券の種類

円建て外債

払込み・利払い・償還すべてが円建てのものをいいます。

このうち外国の発行者が日本国内で発行するものをサムライ債といいます。

発行者を問わずに円建て、ユーロ市場に発行するものをユーロ円債といいます。

外貨建て外債

払込み・利払い・償還すべてが外貨建ての債券のことをいいます。

このうち外国の発行者が日本国内で発行するものをショーグン債といいます。

二重通貨建て債券

払込み・利払い・償還に複数の通貨が使用されるものをいいます。

払込みと利払いが同じ通貨で償還が異なる通貨のものをデュアルカレンシー債

払込みと償還が同じ通貨で利払いが異なる通貨のものをリバースデュアルカレンシー債といいます。

外国債券まとめ

種類通  貨
払込み利払い償還

円建て外債(サムライ債)

外貨建て外債(ショーグン債)

外 貨外 貨外 貨
デュアルカレンシー債外 貨
リバース・デュアルカレンシー債外 貨

外国株式

外国籍の企業が発行する株式を外国株式といいます。

外国債券と同様、取引を行うためには証券会社に外国証券取引口座を開設する必要があります。

【海外株式の種類】

  • 海外委託取引
  • 国内委託取引
  • 国内店頭取引があります。

海外委託取引

証券会社が投資家の売買注文を受けて直接海外市場で売買する。

国内委託取引

国内の証券取引所で売買している外国株式を売買する。取引はすべて円で行われる。

国内店頭取引

証券会社が持っている外国株式を海外市場の基準で国内で売買する。

外国株式の税金

売却益は譲渡所得(申告分離課税)

配当金は配当所得※配当控除の適用はなく、外国税額控除が適用となる。

外国為替証拠金取引(FX)

為替差益や為替差損を利用して外国通貨の売買を行う取引です。

少額の証拠金で、レバレッジというものを利用して何倍でも通貨を取り扱うことができるが、ハイリスクハイリターンの取引。

【現役CFP監修】FP2級資格取得webテキストTOPへ戻る

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金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP