FPと倫理
- 2019.11.24
- ライフプランニングと資金計画 FP2級資格取得webテキスト
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FPと倫理
ファイナンシャルプランナー(FP)とは
ファイナンシャルプランニングをおこなう専門家であり、必要に応じて、弁護士や税理士、社労士や不動産など専門的な分野との協力を得ながら実行の援助をおこなう人の事を言います。
ファイナンシャルプランニングとは
家を買ったり、大学に入るための入学金や学費は数百万円、数千万円とまとまったお金が必要です。
では明日、家を買うから2000万円用意しなきゃ。と思ってもそう簡単に用意できる金額ではありません。
2000万というお金を用意するためには、時間をかけて貯金をしたり、銀行からお金をまず借りて、月々返していく方法など選択肢が出てきます。
FPの職業倫理
FPは人の財産と人生を左右する重要なアドバイスを行います。そのためその社会的責任を自覚し、高い倫理観を持って業務にあたる必要があります。
- 顧客利益の優先
- 守秘義務の遵守
- 顧客に対する説明義務
顧客利益の優先
具体的には、、
このように、自分の都合でお客様の商品を考えるのはNGです。
あくまでもお客様の利益最優先で商品を検討していく必要があります。
守秘義務の遵守
FPは顧客の収入、資産、負債などお客様は他人には公開したくない情報を、FPは入手してライフプランを作成し、提案して、メンテナンスを行います。
顧客に対する説明義務
FPは家計のホームドクター(医者)といわれます。
医者は手術をする際に、手術の内容などを細かく説明し、手順やリスクなどを説明して承認を得てから手術をします。これをインフォームドコンセントといいます。
FPも同様で提案内容を十分説明し、相手の理解を確認しながら提案を進めていく。
FPを取り巻く関連法規
金子さん、ちょっと今回確定申告やっておいてくれない??
実務をやっていると結構多い相談です。
しかし、これを私が受けてしまうとNGなのです。
なぜなら、これらの業務は税理士の資格を持っていなければ行ってはならないという税理士法で定められているからです。
このようにFPの仕事というのは、税理士や弁護士などの専門の資格をもった方しか行うことが許されない業務に踏み込んでしまう可能性が高いです。
その他の専門家との業務の区分けの代表的なものは以下のようなものがあります。
FPと税理士法
税理士資格を持たないFPは個別、具体的な「税務代理行為」、「税務書類の作成」、「税務相談」を反復・継続して行うことを禁じています。
これは営利目的や有償無償の有無を問いません。
ただし仮の事例や金額を用いた一般的な事例、税制の仕組みなどを説明する業務は税理士法違反にはなりません。
FPと保険業法
保険募集人の資格がなければ、FPは保険の募集行為、勧誘行為をすることができません。 ただし一般的な保険商品の仕組みや活用例などを行うことは可能。
生命保険募集人や損害保険募集人、近年では少額短期保険募集人等の資格もあり、それぞれ登録が必要です。
FPと金融商品取引法
金融商品取引業者の登録をしていないFPが、個別の商品の販売、勧誘をしてはならない。
すでに公表されている経済指標、景気動向など投資判断に必要な資料の提供を用いて説明することは可能です。
しかしそこから「そこで今はこの商品が・・」というのは金融商品取引業の登録が無ければしてはなりません。
FPと弁護士法
弁護士でないものは具体的な法律事件についての相談やアドバイスをしてはならないとされています。
しかし、法律の条文の一般的な解説については可能。FP業務をしていると、相続の相談等を受けることがあります。
一般的なケースとして返答をする場合は問題ありませんが、法律判断が必要となる場合や手続き代行などはしてはいけません。
FPと著作権法
他人の著作物は著作権者の承諾なしに勝手に利用することはできません。
私的目的であれば可能。法令、条例、通達、や国や地方公共団体が公表している資料は許可なく使用することが可能。
ファイナンシャルプランナー相談のステップ
相談の申し込み
顧客と面談などの日時を決め、それぞれの責任を明確化し報酬体系を告知、契約をします。
顧客のデータ収集と目標の明確化
ヒアリングシートなどを使い、顧客の情報を収集します。
情報には定量的情報と定性的情報があります。
【定量的情報】
家計の収支、源泉徴収、保険証券など数値化できるデータのこと
【定性的情報】
顧客の趣味、志向、目標など数値化できないもの
現状分析と評価
家族構成、収入と支出、住宅取得、ローン、保険などを分析します。
現在の状態で夢や目標をかなえる貯蓄額になるか?
または実現してキャッシュフローがマイナスにはならないかなどを分析します。
顧客に提案書という形で提出し、ライフイベント表、キャッシュフロー表、家計バランスシートなどを作成します。
対策の検討
夢や目標が実現不可能の場合は、どのようにしたら目標達成なのか?またもっと合理的な方法はないのかなどを分析。
場合によっては他の専門家との連携をとって問題解決をします。
プランの定期的な見直し
急な支出や不慮の事故、などでライフプランは変更になることがあります。その後の見直しなどのフォローも重要です。
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー金子 賢司
これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー、公式HP
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