銀行手数料の値上げの備え方

銀行手数料の値上げの備え方

銀行手数料が値上げになります

2020年から銀行の手数料が値上げになります!

UFJ銀行が、現在不稼働の口座に手数料をかけるというニュースをきっかけに、一気に銀行の手数料に対しての議論の機運が高まってきました。

おそらくこの流れはもう逆らうことができないでしょう。

これまで、このブログでも銀行業の利益については危機的な状況にあることをおつたえしてきました。

さらに、金融商品の営業を拡大しようにも、あまり過度の負担を営業にかけることで今度は顧客が、よくわからないまま購入してしまい結局クレームになってしまうという事件が発生し、金融商品の販売ノルマを廃止するという流れが起こりました。

銀行の収益源が、銀行のATMや振込み手数料にならざるを得なくなってきています。

銀行業界は儲けるのが難し業種になっています

銀行業界はこの人手不足中、リストラを行ってきた数少ない業種です。

意図的な早期退職はここ最近のトレンドですが、単純に利益がでないので人件費を削減しているのはこの時期では銀行業位ではないでしょうか?

ではなぜ銀行がここまで利益が出ない業種になってしまったのでしょうか?

  • マイナス金利の影響
  • 資金需要の低下
  • ATM維持費の負担
  • そもそも高コストな構造
  • 運用商品も手数料がとりにくくなった

マイナス金利の影響

もっとも大きな要因はマイナス金利の影響でしょう。

マイナス金利とは今一度おさらいをすると、

民間の金融機関は日本銀行というところにもお金を預けているのですが、一部の金額については、日銀にお金を置いておくと利息を取りますよ。

ということです。

私達が銀行にお金を預けたら金利を取られるというわけではありません

今までは民間の金融機関は日銀に預けておけば、少ないですが利息をもらえていたのが、今度は利息を払え!と言われるようになったわけです。

マイナス金利でまず民間の銀行は一つの収益源を失いました。
マイナス金利の結果、日銀に預けても儲からなくなったお金をどうにか利用しなければなりません。

そこで金融機関はいろいろな影響を受けました。

【銀行業への影響】 ・住宅ローン金利の低下・・とにかくお金を貸してその利息で儲けないといけないので、手っ取り早く貸し出し額も大きい住宅ローンの金利を下げた
→結果利息の値下げ競争になった
→金利がもっと下がり住宅ローンの金利では持受けられなくなった。
・普通預金の利息が下がった(住宅ローンのケースと同じ理屈です)
【保険業への影響】 細かい仕組みは割愛しますが、積立保険の販売中止または保険料の値上げ

代表的な影響はこれくらいです。

これくらいですと言いながらも、金融機関の収益源はどんどん無くなっていきました。

資金需要の低下

中小企業は厳しい状況は続いていますが、上場企業等の大手はお金が余るくらい実は利益が出ています。

銀行がお金を貸してその利息で儲けるのが主な収益源なのですが、企業はお金をもっているのでいくら利息が安いとはいえわざわざ利息を払ってお金を借りる必要が無くなってきました。

また、ほんとうにお金を貸してほしいところはお金を貸すと返ってこないかもしれないので貸さない。

そのような理由で、企業への貸し出しの収益源も減ることになります。

ATM維持費の負担

コンビニや駅にあるATM、あちこちにあると私達にとっては便利ですがあの機械、一台あたり数百万するうえ、セキュリティ等も含めた維持費が月で30万位係るのだそうです。。

銀行の貸し出しなどで利益が出ているうちはいいのですが、さすがに苦しくなってくると、ATMの維持費を何とかならないかと考え始めます。

・ATMの台数を減らす
・金融機関共同のATMの創設など
これらの方法で何とかATMの削減をし今も進めている最中です。

そもそも高コストな構造

これも仕組上しかたないのですが、人さまのお金を預かる以上書類のちょっとの不備がだめだったり、捺印が必要だったり、提出書類が複雑だったり・・

セキュリティ上どうしても非効率な仕組みや、人件費が高いという問題があります。

AI化で簡素化できるように改善はしている最中ですけれどね。

運用商品も手数料が取りづらくなった

唯一残された収益源は投資信託などの金融商品の手数料なのですが、

積立NISAのように国が貯蓄から投資への後押しをしており、積立NISAの制度で扱っていいよという商品には、

  • 安全性
  • 手数料が極めて安いこと

を求めています。

そもそも、投資信託などの手数料は日本は高いと言われており、2020年以降は外資の手数料が極めて安い投資信託がどんどん参入してくると言われています。

銀行提供しているインフラの価値を知ってほしい

mega-bank

銀行業の代弁をするとこういうことです。

銀行は決して公的サービスではなく、ATMの設置なども顧客の利便性を高めるためのサービスです。サービスの対価がないものはもはや提供していくことは難しいということです。

よくよく考えたら、

  • 通帳だって私達は当たり前のように無料で提供されています。
  • 銀行から銀行へ安全に送金できる仕組みも、ほんのわずかの手数料で利用できます。
  • ATMも今までは無料かほんのわずかの手数料で利用できていました。

まだまだ他にあるにしても、これだけでも銀行が提供してきたサービスって沢山ありますね。

不稼働口座への手数料がスタート予定

これはもう既に始まっている銀行もありますが、三菱UFJが発表してから急に話題になりました。

要は

しばらくの間取引した形跡がない口座には手数料をかけますよ。

ということです。

このしばらくの間というのは2年となる見込みです。2年間全く取引が無い口座は手数料をかけますよ。ということが検討されています。年間1200円の予定とのこと。(2020年10月~)さらに残高がなくなれば強制的に解約となります。

また紙の通帳発行にも手数料をかけることも検討しているようです。

銀行手数料の導入へ

そしてついに・・

銀行口座手数料の導入が本格的に検討されています。

おそらくこの流れはメガバンクからスタートして、各地銀にも影響していくでしょう。

手数料の導入といっても、決まったことではないので、今検討され得ているみずほ銀行は以下のようになります。

NISA口座を持っている
または
預金額50万以上
20年1月時点で以下の要件を満たす
・Jコインペイを毎月使う
・積立投信で毎月1万円以上引き落とし
・給与受け取り口座にすること
コンビニATMの引き出しセブン、ローソン、イーネットは月4回まで無料イーネット銀行で月2回まで無料(セブン、ローソンATMは無料ではなくなる)
振込手数料みずほ銀行同士 ATMは無料、他の銀行宛の振込みは月1回まで無料みずほ銀行同士ならネットなら無料、ATMは有料、他の銀行宛の振込みは有料(1回まで無料がなくなった)

ちょっと細かすぎてややこしいですね。

いろいろ比較サイトとかもおそらく出るでしょうが、電力自由化のときと同じで複雑すぎて一概に比較ができませんね。。

これ、金融機関の常とう手段なんです。

銀行手数料の対抗策

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上昇する銀行口座手数料やその他の手数料に対抗するには

  • ネット銀行の活用
  • キャッシュレスの最大利用で出入金を少なくする
  • 資産運用

この3つが主な対抗策です。

ネット銀行の活用

今のところこのような銀行口座手数料の広がりに対して、明らかに対抗策をとっているのはLINEペイだけのようです。

ただ、来年に入って銀行口座手数料などの流れが広がれば、ネット銀行もまた魅力的な内容を提供してくることが予想されます。

いずれにしても、ネット銀行は

「ただなんとなく怖い・・」

という理由だけで利用しないということはなしにしたいところです。

キャッシュレスの利用

私達消費者にとってやはり一番影響があるのは、ATMの引き出し手数料でしょう。

わざわざネット銀行口座開設までしたくはないという人は、キャッシュレスの活用でなるべく出入金の機会を減らしたりすることも大切です。

またATM手数料は値上がりするとっても大した金額ではありませんが、海外送金や、振り込み手数料はバカにならない金額になることが予想されます。

毎月振り込んでいるもの等は引き落としにしたり、クレジットカード毎月払いにする等、現在利用している銀行が今後手数料をどのように改訂するのか注視して対応しましょう。

資産運用

ちょっと大げさですが、今回の銀行手数料がスタートして、今後は口座維持手数料なども検討される可能性があります。そうなると銀行に預けておくとお金の価値が目減りするインフレリスクが高まっていくともとらえることができます。

インフレリスクに備えるためには、よりお金を積極的に増やしていくという資産運用という手段が不可欠になります。

イデコや積立NISAからでもよいので、まずは資産運用でお金を増やすという考え方もこれを機会に取り入れていただきたいです。