2018年4月~生命保険、安くなるものと高くなるもの
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2018年4月から生命保険、医療・がん保険の保険料が改定となります
亡くなった時の保障が値下げ傾向、医療・がん保険は値上げ傾向
全部値下げとなればありがたいのですが、
実はその内訳は
亡くなった時の保障は値下げ傾向。
医療・がん保険は
値上げもしくは据え置き傾向にあります。
昨年度から積立タイプの保険、例えば終身保険、学資保険、養老保険などがそれに当たりますが、実は実質値上げしています。
今まで子どもが生まれたら学資保険よねーーと思って学資保険に加入したい意欲まんまんで保険ショップ等を訪問したら、
学資保険は今あまりメリットがありませんよ。
外貨建ての保険にした方がいいんじゃないですか?
という提案を受けた方もいるのではないでしょうか?
昨年度はマイナス金利の影響で生命保険がいよいよ収益が圧迫され、
積立型の保険は毎月払う保険料を値上げするか、
満期の時にお客様にお返しする「解約返戻金」を少なくしたり、
そもそも商品自体を売り止めにするという出来事がありました。
(※従来より加入しているものには影響はありません)
貯金のかわりに日本円でのごく一般的な終身保険という提案も
なかなか保険の営業はできなくなってしまいました。
金融関係の営業が運用商品や外貨建ての商品を
紹介するのはこんな時代背景もあります。
改定の要因は平均寿命の延び
今回の改定はマイナス金利の影響とはちょっと違います。
保険会社が毎月の保険料を決める算出根拠はちゃんと根拠があります。
使わない人にとってはボッタクリのようなイメージになってしまっていますが、
○歳ぐらいの男性が1000人のうち1人亡くなる可能性は○○%で・・
○歳ぐらいの女性が○○という病気で医療保険を使う可能性は○○%で・・
というのを信じられないくらい細かく計算して保険料というのは実はちゃんと計算して保険料は計算されています。
なぜ亡くなった時の保障の保険料が下がったのかというと、
なかなか人が亡くなる機会が減った
からです。
要するに高齢化しているということです。
例えば子どもが2人いて、学費や生活費などで今ダンナに先立たれると収入がなくなって困る!
という期間が10年あったとするとその10年間だけ掛け捨ての保険に入っておくと安心。。
・・実際はもっと細かく設定するのですが、亡くなった時の保障に加入する目的は一時的に多くのお金がかかる時期に大黒柱が亡くなってしまった時のリスクに備えるのが一般的です。
65歳や70歳になると保険料が高くなるので、あまり高額な保障を高齢まで続ける人も少なくなりました。
収入保障保険という合理的な保険の登場で、年齢を経るごとに保険金額がだんだん減っていくという画期的な構造がさらにその傾向に拍車をかけていきました。
使わずして満期を迎える。
定期保険は掛け捨ての保険と言われますが、
文字通り掛け捨てとなる機会が増えたのです。
繰り返しますが、保険会社はボッタクリではありません。
使わなければ、保険料はちゃんと見直します。
そのため今回は掛け捨ての亡くなった時の保障の保険料は下がりました。
医療保険とがん保険はなぜ値上がりした?
これも原因は同じです。高齢になると病院に行く機会も増えます。
転倒したりするとちょっとしたことでも骨折で入院したり
私も山のように事案を経験しています。
当然保険を使う人が増えると、みなさんから預かっている保険料よりも
万が一の時に支払っている保険金額の方が大きいと会社はつぶれてしまいますので、
医療保険、がん保険に入る人はみなさんもう少し負担してくださいね。。ということです。
医療保険、がん保険はお値段据え置きの会社も
医療保険、がん保険はここ2、3年で商品内容も大きく変化しましたが
一番競争が激しかったのは
「価格」
でした。
あっちの会社がこの商品を出せばもっと安い商品がこっちの保険会社から・・
なにーー!!
じゃあうちは30代、40代の女性だけ安い医療保険にしよう!
などなど、後だしジャンケン状態だったのです。
そのようにして競争してきた保険会社は
医療保険、がん保険だけは負けられない!!
のです。
したがって今回も価格はごく一部の会社は医療保険、がん保険は
お値段据え置きになっています。
いつもいいますが、あえて駆け込みで加入する必要は
私はないと思っています。
必要な時に、躊躇せずに加入するべき。
駆け込みで加入するのも問題ですし、
見直しや加入の必要性があるのに、
忙しいやら、面倒でおっくうになっているのも問題です。
情報のアンテナだけは立てておいて、必要な時に損しない選択をしましょう。
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