安い火災保険に要注意

安い火災保険に要注意

安い火災保険に要注意

今まで加入していた火災保険を自分んで見直そうと、インターネットなどで自分で作ってみたときに、1年間で2万も3万も値段の差が出ている場合はちょっと注意する必要があります。

2万円、3万円の差がないから大丈夫かというわけでもないのですが、火災保険で著しい価格の差が生じる場合はもう一度内容を見直してみましょう。

火災保険で起こるよくある間違い

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火災保険を検討する際によくある間違いは以下のような場合です。

著しい火災保険の保険料の差が生じる場合は以下のようなケースを疑ってみましょう。

  1. 構造級別の誤り
  2. 家財保険の加入漏れ
  3. 地震保険の加入漏れ
  4. 補償範囲が実体と異なっている
  5. 物件の用途を間違っている
  6. 補償内容が間違っている
  7. 保険期間が間違っていた

それぞれについて解説していきます。

構造級別の誤り

家庭用の火災保険では、その建物が何でできているかが重要なポイントになります。建物の柱などの「主要構造部」鉄筋コンクリートならM構造、鉄骨造りならT構造、木造ならH構造。この分類を構造級別といいます。

鉄筋コンクリートは火事や水災などで損害が発生しても、被害が拡大しにくいということもあり、

同じ面積で同じ場所にある建物だったらM構造が保険料が一番安く、次にT構造、H構造が一番火災保険料が高くなります。

火災保険が今までより著しく安くなったと思ったら、構造級別が間違っている可能性があります。従来の保険証券と見直している火災保険の構造級別「M、T、H」が間違っていないか確認が必要です。

家財保険の加入漏れ

火災保険は建物と家財の火災保険は別物なので、までは建物と家財の火災保険両方入っていたのですが、自分で設計してみたら実は建物の火災保険しか加入していないことになっていた。というパターンです。

地震保険の加入漏れ

理屈は前述の家財の火災保険と同じです。火災保険に加入していて、地震保険に加入していない場合、地震が原因で火災が発生した時は火災保険だけでは支払いになりません。

地震保険に加入をしていなければ、地震に伴う火災は支払いの対象にはならないのです。

ちなみに地震保険も建物と家財に分かれています。

建物と家財の火災保険と建物と家財の地震保険。この4パターンで自分の持ち家の火災保険の備えとしては万全です。

補償範囲が実体と異なっている

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火災保険の補償範囲は一般的には以下の通りです。

補償内容事例
火災火事で建物や家財が消失した
落雷落雷で屋根が破損した、家財が損害を受けた
破裂・爆発ガスボンベなどが爆発を起こし、壁などが損害を受けた、または家財が破損した
風災・雹(ひょう)災・雪災台風で屋根が壊れた、または屋根が壊れて家財が破損したなど
水災洪水などで床上浸水が発生し、建物や家財が損害をうけた
建物外部からの物体の飛来・落下・衝突自動車が自宅の建物にぶつかってきて、塀や門を壊したなど
給排水設備からの水漏れ給排水設備の水漏れで壁や天井が破損、汚損。または家財が損害を受けた
騒擾(そうじょう)・集団行動などに伴う暴力行為近所で暴動がおこり、塀や門、壁や家財が破損した
盗難による損害建物の場合は、盗難によって壊された部分が火災保険の対象。盗まれたものを補償するには家財の保険も加入する
不測かつ突発的な事故うっかり重いものを倒して壁を損傷させた、液晶テレビを倒して壊してしまったなど

ところが、補償範囲を安くしたくてこの中から例えば「不測かつ突発的な事故」や「水災」などを取り外してしまった場合

保険料は確かに補償を落とすことになるので安く済みます。

とにかく価格本位で保険設計をしていくと、人はついついそんなこと起こらないよ・・まんが一のことがあったって自業自得だし・・と補償を外してしまいがちです。

万が一の時の保険だということを忘れないでくださいね。

例えば水災を保障範囲から外すときなどは、ハザードマップなどを参考に自分の住んでいるエリアが洪水の心配がないことを確認したりと根拠のある裏付けがあるときだけにしましょう。

物件の用途を間違っている

自営業で自宅兼何かの業種を営んでいる場合は、ただの住宅よりもリスクが高くなります。

これを併用住宅というのですが、業種によって異なりますが一般的には通常の住宅よりも、美容室やクリーニングなど自宅で他の業種を営んでいる場合はリスクが高いと見なされ保険料が高くなります。

火災保険はその建物を何に使うかを「用途(ようと)」という言葉で表現しています。

用途は家庭用や併用住宅という言葉で表され、併用住宅の方が保険料は高くなります。なお、アパートやマンションのような物件は、共同住宅という分類になります。

補償内容が間違っている

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これは、賃貸アパートの火災保険でよくありがちな間違いです。

大家さんから火災保険の加入を勧められて、勧められるのが嫌なので自分で選んで加入したところ異様に安くすることができました。

そこであなたは、なんだよ今までこんな高い保険入らされていたのかよ!!

と怒っていたところに部屋で事故が発生します。

洗濯機のホースから水が漏れて下の階の人から弁償しろ!と言ってきました。

保険会社に連絡したところ、

「今の内容では支払えません・・」とのこと。

このケースは火災保険ではなく、賠償責任保険に加入をしていないと支払いにならないのです。

大家さんがおすすめする火災保険には通常これらの賠償責任保険はセットになっています。

自分で済ませようと・・安くなっていることに疑問を持たずに契約してしまい、百万近い金額をしたの階の人に支払うことになってしまったケースもあります。

保険期間が間違っていた

これも賃貸アパートの火災保険で実際に会った事例なのですが、2年間で10000円のプランにこれまで加入をしていました。

それが、自分でネット保険で見直したら約7000円で済みました。

よし!火災保険料が安くなった・・

と思いきやなんと1年間で7000円の火災保険でした。

今まで加入をしていたのは2年で10000円だったのです。

1年で7000円のものに加入してしまっては、2年で14000円です。

大損害というほどでもありませんが、自分で見直したて安くなったと思ったら思わぬ勘違いでかえって高くついてしまった事例です。

自分で火災保険を選んでいるときに、著しく安くなったとき、今回ご紹介した事例のような手落ちがないか確認してみましょう。

金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP