老後不安の対策|パワーカップルという選択肢

老後不安の対策|パワーカップルという選択肢

老後不安の対策|パワーカップルという選択肢

老後の生活費に不安を持つかもしれませんが、貯金や資産がないよという場合パワーカップルという選択肢を最近よく見かけます。

各家庭、いろいろな事情がありますので、特にこうしろというお話ではありませんが参考にしていただきたいとは思います

パワーカップルとは

couple

パワーカップルとは、2人ともパートではない勤め人のうち、2人とも高収入でな世帯のことを指します。

高収入の目安ですが、お互い600万~700万以上くらいの給料をもらっていればパワーカップルなのかな?と考えられます。

単体でもかなり収入は高めですが、お互いこれだけもらっていれば単純に合わせれば年収1200万、1400万ということですからね。

パワーカップルは下手な経営者より裕福

例えば個人事業主の代表の夫と専業主婦のような世帯の場合、日本の所得税の仕組みから年収1000万(厳密には所得が1000万)をこえると、手取りががっつり減ります。

細かい話はしませんが、税金は所得に対して40%くらいかかります。

独りが大きな収入を稼ぐよりも、2人ともそこそこの収入で雇われ(会社から社会保険(厚生年金と健康保険など)が差し引かれている状態)というのが一番理想です。

もちろん年収3000万、4000万といったような圧倒的な収入をこの個人事業主が得ている場合はこの限りではありません。

しかしパワーカップルが下手な経営者よりは裕福な理由は以下の通りです。

①所得が2人ともそこそこなので過度な税金もかからない

②社会保障も会社と従業員で分担できる。

③厚生年金に2人とも加入をしている(将来の年金額が多い)

以下ひとつずつ細かくお話していきます。

所得が2人ともそこそこ

日本の税金は以下のような仕組み(超過累進課税)になっています。

厳密には「年収」という言い方はせず、課税所得金額という言い方をしますが、課税所得金額が例えば600万円なら、

600万×20%=120万-42.75万円=77.25万円

年間の税金は77.25万円

夫婦2人なら税金は単純に倍の154.5万円です。

では一人で1200万円だったらどうでしょうか?

1200万円のひとなら以下の表で行けば、

1000万×33%=396万-153.6万=219.6万

年間の税金は219.6万円

年収600万、1000万と課税所得金額が600万、1000万というのは大分違いがありますので、そこはさておき、

ここで知ってほしいのは所得が高いほど税金が圧倒的に違うということです。

上記のケースで行けば、一人が稼ぐより2人で稼いだ方が年間で税金が65万円ちがいます。

2000万や3000万になったら約半分が税金です。

お金持ちは節税ばかりして・・と思う人もいるかもしれませんがこのことを考えると稼いでいるひとの立場から言えば、こんなに税金を持っていかれて何のために働いているのかわからない。。といいたくなります。

ということで、一人で大きく稼ぐより、2人ともそこそこの収入なら税率もそこそこなので有利ですよ。という理屈です。

社会保障も2人で分担できる

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健康保険や年金なども、個人事業主なら健康保険や国民年金等は自己負担になりますが、会社に勤めていれば労使折半といって、健康保険や年金保険料は従業員と会社が半分ずつ負担します。

お勤めの方の厚生年金については、圧倒的に個人事業主有利なところもあるかもしれませんが、これについては将来年金受け取りの時に以下の③の理由で大きく差がでて、お勤めの夫婦・・パワーカップルの方が有利になってきます。

厚生年金に2人とも加入している

そして一番大きいのはパワーカップルは厚生年金に2人と加入しており、2人とも将来厚生年金が受け取れるということです。

国民年金だけの夫婦では2人合わせて将来受け取れる年金は約156万です。

ところが、厚生年金でずっと働いた場合ですが、2人で将来受け取れる年金は30万を超えます。年間なら360万です。

夫婦2人で必要最低限の暮らしをするために月27万で不足を貯蓄で補うというよく言われるお話を基に考えれば、

この2人が仮に40年間働いていけば、必要最低限の暮らしは老後は年金だけでできてしまい、貯蓄は極端な話をすればゼロで済みます。

パワーカップルは忙しい?

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パワーカップルは忙しいのでは?特に結局は女性の負担が大きくなるのでは?ということにもなりますが、

何せ収入が多いので、食事も外食が多かったり、若干お金はかかりますが便利な制度なども利用して生活に合理化を図っています。

小さなことですが、おむつのサブスクリプション支出という仕組みがあります。

サブスクリプションとは定額サービスという意味です。

月500円で音楽聞き放題、月5000円で居酒屋でビール飲み放題を使い放題というようなサービスなのですが、

ユニチャームが実施しているおむつのサブスクリプションというサービスがあります。

特定の保育園に保護者がネットで注文すれば、おむつが保育園に届くというサービスです。

0歳児で3000円、1歳児で2900円、2歳で2700円などです。(価格は団体によって異なります。)

定額で上記の金額を払っておけば、ユニチャームからオムツが保育園に届きます。いちいち保護者がオムツを持参しなくてもいい。というメリットがあります。

サブスクリプションは長い目で見れば安上がりで済むのですが、なかなか日々の生活費を切り詰めていると、

この辺の判断がなかなかできなくなってしまいます。

パワーカップルのようにある程度経済的に余裕があれば、

このように手間を省くためにお金を使う。時間をお金で買うということもできます。

そうはいっても決してパワーカップルは楽ではありません。

お金があるので、趣味や洋服なども比較的自由に購入することができ、そのあたりのストレスもないというのも忙しさに我慢できる理由のひとつかもしれません。

夫婦お互いの協力が不可欠

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パワーカップルが成立するためには、夫婦2人の支えあいが不可欠です。

こどもの送迎や、料理や掃除、行事参加等どちらが何をやるという役割も何もなく、夫婦2人どちらもやる。できる。ということが前提です。

そんなことできないと思うかもしれませんが、実はパワーカップルはごく自然にこの役割分担が成立しています。

夫婦2人とも、将来に目をむけてこの忙しさをのりきって子育てをしていけば、あとは贅沢はできなくても、そこそこ豊かな老後が待っているということを認識しています。

パワーカップルはお金についても意識が高い

おそらく、特にライフプランを作らなくても夫婦2人がこれくらいの働き方をすれば将来の年金は安泰なんだろうな?というのが肌感覚で分かる人たち。

と思われます。

これだけのライフプランを自分で作らなくてもある程度、頭の中で作れてしまう夫婦なので、

当然お金についても意識が高く、資産運用(イデコや積立NISA)などの相談も多いのがこの層です。

特に老後にものすごい不安を感じて、2人とも働いている。

というわけではなく、漠然とした不安はあるけど働けるうちは働いておいた方がいいから何となく夫婦2人とも働いている。というパターンが多いです。

夫婦2人とも意識して、行動しないとこのパワーカップルというのは成立しないのですが、老後の不安を解消する方法としては貯蓄だけではなく、

ちょっと忙しいですが2人とも働くという選択肢も以外と多いという事例を取り上げさせていただきました。