事業所得の必要経費についてもう少し詳しく解説
- 2019.09.01
- タックスプランニング ファイナンシャルプランナー(FP)
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事業所得の必要経費についてもう少し詳しく解説
事業所得の必要経費の算出についてもう少し細かく解説していきたいと思います。
ポイントは4つです。
①売上原価
②専従者給与
③租税公課
④販売費、一般管理費
それぞれについて解説していきます。
売上原価について
期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高=売上原価
棚卸資産の評価法には①原価法②低価法の2通りあります。原価法と低価法についての詳細は割愛します。
新しく事業を開始したり、他の事業を立ち上げた場合は翌年の確定申告の終了日(翌年の3月15日)までに原価法か、低価法を選択して納税地の所轄税務署長に届出なければならない。届出をしない場合は、原価法のうち最終仕入減価法で評価します。
専従者給与について
家族経営などの小さい規模の会社ではよくあることですが、
事業主と生計を一つにする親族が事業を手伝って、給与を受け取ったり、
事業主と生計を一つにする親族の資産や不動産を事業主に貸して、事業主から利子や賃借料を受け取った場合。
よくよく考えれば、同じ家族の中でお金を回しているだけのように見えます。
このような取り扱いはどうなるのでしょうか?
一般的にはこれらは必要経費にはなりません。
ただし、青色申告や白色申告をすることで必要経費とすることができます。
青色申告者の特例
事業所得や事業的規模の不動産所得を営む青色申告者が※青色事業専従者に支払った給与で次の要件を満たせば必要所得に算入できます。
また給与を受け取った青色事業専従者は給与所得となります。
青色事業専従者とは
事業所得や不動産所得が事業的規模で事業主と生計を一つにする親族で、その年の12月31日において年齢が15歳以上の者で、その事業に専ら従事する者を言います。
専ら従事する者とは?・・原則、その年に6カ月を超える期間、その事業に従事していたこと・
途中で廃業したり、病気、婚姻等をした場合は従事可能な期間の半分を超える期間従事していれば青色事業専従者とみなされています。
①特例を受けようとする年の3月15日までに青色申告専従者給与に関する届出書を提出すること。
(その年の1月16日以降に会場した場合はその日から2か月以内)
②届出書に記載された金額の範囲内で労務の対価として相当と認められたもの
白色申告者の特例
白色申告も事業専従者がいる場合は以下のうち少ない方の金額を専従者控除として事業所得、事業的規模の不動産所得から控除することができます。
専従者の定義は青色事業専従者と同様です。
以下①、②のうち小さい方
①86万円(その専従者が配偶者でない場合は50万円)
②(事業所得の金額または不動産所得の金額)÷事業専従者数+1
青色申告と白色申告いずれも、専従者の給与を経費とできることですし、専従者の定義は同じです。ではどうしたら、青色申告、白色申告に分かれるのでしょうか?
青色申告は複式簿記による記帳をする必要があり、賃借対照表、損益計算書の提出が必要なのに対し、白色申告は国税庁の定める指定の用紙に記入するだけで足ります。
租税公課
もろもろの税金も必要経費になるものとならないものがあります。
必要経費となるもの
事業税、固定資産税、不動産取得税、都市計画税、登録免許税等
必要経費とならないもの
所得税、住民税、その他懲罰的な税金
販売費、一般管理費
店舗併用で事務所と住居を兼ねているような場合は、水道が一か所だったりでどこからどこまでが家庭での支出・・要するに私用で、業務上なのかが明確にできません。
このような場合は業務用で使用したことが明らかにできる部分が必要経費として認められます。
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