ライフプランの年代別の考え方
- 2016.07.22
- ライフプラン FP 独学 ファイナンシャルプランナー
Contents
年代ごとのライフプランの特徴
さまざまな相談者に今後は出会うことになりますので、年代によってどんなライフプランニングが必要かが変わってきますのでまずは典型的な事例として以下に上げます。テストではこの内容は全て覚える必要はありません。なんとなく、この世代はこんな感じなのね・・という傾向だけは押さえておきましょう。
20代のライフプラン
社会人として働くようになると初めて自分で働いて給料を得るということになります。この時点から、入った分をすべて使ってしまうのではなく、将来老後いくら必要なのか?老後までは行かなくても、結婚、出産、子育て、住宅購入などがどれだけ必要なのか?ということを知っておけば、早めに今毎月いくら貯蓄しなければいけないのかというのがわかり、余裕をもったライフプランを作ることができる。という時点でお金の使い方をしっかり把握しておくことが極めて重要です。また、少しでも有利に資産形成をするためにも運用の知識もできれば身につけておきたいところです。
新入社員には出入りしている保険の営業などともお話をする機会もありますので、保険についても勉強する必要があります。
お金の使い方と金融商品全般の基本的な知識を身につけることが必要な時期といえるでしょう。
30代のライフプラン
住宅購入や結婚などを考え始める時期、教育資金についてもこれからピークを迎える時期に差し掛かり、ライフプランを真剣に考え始めるのもこの時期の人が多いです。結婚して扶養家族もできるため、大きな万が一の時の保障を考えることが必要な時期でもあります。
保険や教育資金、住宅ローンなど考えることも多く出産や結婚を機会に一気に金融知識を詰め込んでいく必要があります。なるべく若いうちにこれらの知識は興味を持って取り組んでいけばいざというときに頼りになります。
40代のライフプラン
教育費用もピークを迎え、住宅ローンとも重なり支出面では最も大変な世帯がこの時期です。この時期に向けて、20代、30代でしっかりと資金を備えておくことが重要です。どうしても備えが不足しているときは携帯電話やパソコンの通信料や車の経費の少ないものに買い替えたり、生命保険などを見直す必要があります。
ただ、支出が最も多い時期は裏を返せば大黒柱に万が一のことがあったときにはもっとも保険金額が必要な時期です。支出を抑えるために生命保険を削ろうという発想は厳禁です。
ただ安い保険・・ではなく、本当に万が一の時に必要な金額を受け取れる生命保険に加入をするのがこの時期は最も重要です。
毎月払う保険料よりも、保障内容重視です。
50代のライフプラン
子供が独立し、住宅ローンの支払いも終了しているか、先が見えて来る人が多い時期です。万が一の時のための生命保険もさほど大きな額も必要のない時期でもありますので、見直しも可能です。ただここで子育ても済んだしということで、財布のひもを安易に緩めず、今度は老後資金の積み立てを視野に入れていきましょう。生命保険は亡くなった時の保障よりも医療保険や介護保険を重視したプランを検討しましょう。
これまで老後に向けて貯蓄をしてこなかったという方も、あと10年程度は準備する期間があります。収入も増え、支出も教育費や住宅ローンなどの目処が立ち経済的に安定してくる時期なので、必ず老後に向けていくら必要かを計算して、いざ老後を迎えた時に生活費に困らない金額をこの時期に残しておきたいものです。
60代のライフプラン(シニアライフプラン)
老後資金について真剣に検討をする時期です。または老後資金を積み立てている人は、運用のリスクを極力減らして守りの運用(利回りは低くても元本は減らない運用)を心がけましょう。介護や相続に対しての対策を検討していく必要もあります。
平均余命はいまだに伸び続けており、男女ともに90歳まで生きるのが珍しくない時代です。
一般的な家庭では夫婦で老後必要な生活費は月に約27万円。それに対して、夫がサラリーマンで退職し、妻が専業主婦というよくある家族構成では65歳以降現在の制度では受け取れる年金額は夫婦2人で月に約22万円。
収入よりも支出の方が上回っています。その額5万円。
60歳で退職して90歳まで生きるとしたら、5万円×12カ月×30年=1800万円
1800万円は夫婦で必要最低限のくらしをするためには必要ということです。
すでにこの年代に差し掛かっているという方も、現在の貯蓄の一部を運用にするなど、少しでも今の資産を増やす方法を検討すれば意外と時間を見方にリスクの少ない運用をするだけで、小さな投資額でも増やすことはできます。
また年金を65歳よりも早く受け取れる(その分年金額が減る)繰上げ支給、年金支給時期を65歳よりも後にずらすことができる(その分年金額が増える)繰下げ支給を知っておきましょう。老後の生活費と年金額がリアルに見えてきたときに対策を立てる上で非常に重要な情報です。
最後に・・
ここで示しているのはあくまでも一般的な事例です。たくさんの相談を受けていれば、配偶者が他界していたり、何らかの事情で離婚をしていたり、晩婚化や共働き世帯、趣味を重視して子ともがいない夫婦など一概に上記のケースには当てはまらないケースもあります。
前述で老後夫婦2人で年金以外で1800万円の貯蓄が必要と書きました。しかし、これは必要最低限の金額です。老後お金がなくてどこもいけない。。いまさら働く体力もない。でもどこにでも遊びに行ける体力はある。では本当につまらないセカンドライフになってしまいます。
今は老後の生活がイメージできない・・というときからもう本当は老後に向けた貯蓄を始めているのが重要です。
試験では一般的な事例しか出ませんが、実務ではたくさんのケースを経験する必要があります。
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