日本の大株主の日銀|なぜ日銀はETFを買い付け(購入)しているの?

日本の大株主の日銀|なぜ日銀はETFを買い付け(購入)しているの?

ETFとは?

ETFは英語でExchange Traded Fundsの略でそれぞれの頭文字をとってETFと言います。

上場投資信託のことをいい、特定の株価指数などに連動する運用成果を目指しなおかつ東京証券取引所などに上場しており、通常の株式のように

金融商品取引所にて、いつでも売買をすることができます。

ETFにもいくつか種類があるのですが、

以下の表はETFの中の上場インデックスファンド225という代表的な商品です。

日経平均株価という言葉を良く経済ニュース等で聞くと思いますが、日本経済新聞社が選んだ225社の銘柄の平均株価が

この日経平均株価に採用されている銘柄を保有しているので、運用成果は日経平均株価に近い動きになります。

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ETFはリスクを抑える分散投資の効果が働いている商品

このETFを購入するだけで、通常のかぶしき1社で運用するよりもリスクを抑えて運用をすることができるのです。

なぜかというと株式投資を始めたとしたら、無尽蔵に株式が買えればいいのですが、

通常は運用できるお金はみなさん限られているのでどの株式を買おうかなーーと選ぶことになるはずです。

1社、ないし2社の株式を選びました。

ところが1社ないし2社の業績が上向きになり株価が上昇することもありますが、

どちらもコケるケースもあります。

資産運用の原則は一つの資産にドカンと投資をしないことです。

なるべくなら、たくさんの銘柄に投資をするとリスクを減らして運用することができます。

例えば100銘柄の株式を持っていれば、持っている銘柄全部コケる可能性は極めて低いです(可能性はゼロではないです)

マイナスもあればプラスになる銘柄もあるはずです。(全くない場合ももちろんあり得ます)

このように多くの銘柄を保有していれば、プラスマイナスが相殺しあってさほど大きなリターンんは一度に

得られなくても、少しずつリスクを抑えて収益を積み重ねることができます。

これを分散投資と言います。この上場インデックスファンド225を保有していれば225社に分散

して運用していることになります。

比較的安全に運用できる資産と言えるでしょう。

 

finance

ETFを日銀が大量買い付け(購入)している

日本銀行は国の景気をコントロールしています(コントロール不能になっているという噂もありますが・・)。

今は金融緩和といってお金を市場に大量に出回らせて、景気を上向きにしようとしています。

そのコントロールの方法のひとつとして、ETF買い付けという方法がとられています。

日銀がETFを購入することで市場を活性化させて、賃金上昇、物価上昇を進めようとしています。

日銀がETFを選択している理由は

・手数料が安い

数値に連動した運用なので、基本的に運用ノウハウ等がなく手間がかからないので手数料が安い

どの株式にしようかなーーと調査したり熟慮せず、日経225であれば225の株式を保有していれば良い。

そこにノウハウも何も存在しないのです。

・日銀という日本国の中央銀行であること

国の銀行という公的立場があるため、特定の企業に投資をするということはその企業のみに

過度の肩入れしている感が出てしまい不公平になります。

なので指数であれば、たくさんの企業に平等に投資しているということになり、

日銀が日本の中央銀行である公的機関という立場が保たれます。

 

日銀のETF買い付け(購入)によって市場がゆがめられている

日銀の買い入れしているETF指数は以下の通りです。

  • TOPIX(東証株価指数)
  • 日経225(前述の上場インデックスファンド225)
  • JPX日経400
  • ISTOXX MUTB積極投資企業200インデックス
  • MSCI日本株人材設備投資指数
  • JPX/S&P設備・人材投資指数
  • 野村企業価値分配指数

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geralt / Pixabay

日銀の買い付け額

日銀は毎年6兆円のETF購入をします!と宣言しています。

例えば日経平均株価が下がると、この株価の下落を下げようと日銀が上場インデックスファンド225のETFを1日に数億円購入して日経平均を

下支えしているのです。

日経平均株価が下がったときだけ購入していては6兆円を購入しきれなくなってくることもあるため、

下がってもいないのに購入することも考えられます。

この日銀が買い付けするよと宣言している前述のETFは、価格が膨張していることになりますよね。

わたしたちの身の回りで例えるなら・・

毎年60万分の鶏肉をスーパーで買いますよ。

と宣言して、それを忠実に実行するということになります。

必要な日が毎日あればいいのですが、冷蔵庫にもう鶏肉がいっぱいなのに

「だって年間60万買うって言ってるんだから、買わなきゃ」

みたいなこともあり得るということです。

たとえが稚拙で申し訳ございません・・。

そして、、ひいてはこのような購入の仕方で余った在庫はどうですか?

鶏肉の事例なら捨てなければなりません。

ETFという腐らない商品は、購入したのですから売却するしかありません。

ETFを毎年6兆円購入している・・なら、いつかその資産は売却する日が来ます。

売却をすれば、ETFの価格は下落します。

そして市場から一気にお金を引き上げることになりますから、日経平均株価に選ばれている

銘柄は大暴落をすることになります。

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qimono / Pixabay

日銀のETF大量買い付け(購入)は市場をゆがめていることを知っておく必要があります

今、日経平均株価はマスコミがあおってなんだかものすごい上下動をしているように見えますが、トランプ氏が大暴れしても、

中国が騒いでも、北朝鮮とアメリカが握手をしても不気味なほど大幅な値崩れをしていません。

それは日銀のこの買い付けがあって、上下動を吸収している影響が大きいです。

平成30年の6月現在、日銀のETF保有金額は25兆円と言われています。

日本の上場企業の4割で10位以内に入る大株主になってしまっているというのです。

何らかのトラブルで、このETFを日銀が引き上げることになったら日経平均銘柄の企業の被害は甚大です。

日経平均株価の選定銘柄は大企業なので、取引先も多く存在します。その取引先にも影響を及ぼしていき、

日本企業全体に与える影響は大きいと言えるでしょう。

 

それだけ個別の企業にも影響を及ぼすほどの日銀の買い付けが進めば、

この企業の決算発表をみて割安だから買う、割高だから売るというような

市場の価格決定機能が現時点でも損なわれ始めています。

日経平均株価の指定銘柄だから・・日銀がETFで買い支えてるから大崩れはしないからこの企業の株式買っとくか。

みたいな感覚になってしまいます。

この買い付けは一体いつまで続くんでしょうか??

買い付けが終わる可能性は直近では少ないですが、さすがにこのマイナス金利で地銀が疲弊して

いまの方針ヤバイかも・・と黒田総裁は思い始めているようです。

今の日経平均株価は膨張している相場である。という点を投資をしている人は意識しておく必要があると思います。