日本は北朝鮮問題だけでなく金融緩和も取り残された?
- 2018.06.16
- 資産運用
北朝鮮対策は蚊帳の外ではない?
先日米朝首脳会談が実施されました。内容が期待外れだ、とかいろいろ批判的な意見もありますが、
アメリカの大統領と北朝鮮のトップが会談するなんて、一体だれが予想できたでしょうか?
元バスケ選手のデニスロッドマンが北朝鮮にいって、なぜか日米会談が実現しただけでもすごいことだーー
と感動して泣きながら大騒ぎしていましたが、実は私も同感です。
それに対して日本はトランプ大統領に拉致問題のことは言っておいてね。と今回は口添えをしただけにとどまりました。
マスコミが日本は北朝鮮問題においては蚊帳の外という意見もありますが、アメリカと日本がスタンスを同じくして
北朝鮮のトップを米朝会談の土俵に「乗せた」という部分では、日本の役割は大きかったと私は思っています。
世界的にも核実験はいかん!といいながら果たして、アメリカの存在がなければ誰があそこまでの経済制裁ができた
でしょうか?
かといってアメリカだけが経済制裁を主張しても、孤立を招いたはずです。
日本は拉致問題プラス核ミサイルが上空を飛んでいくというダブルのリスクもあったので、アメリカとの利害が一致したために強固な対応が徹底でき、会談に結び付いたと思っています。
前置きが長くなりました。何がいいたいのかというと、北朝鮮問題よりも蚊帳の外になってしまったことが、、
金融緩和です。
本当に日本が蚊帳の外なのは金融緩和です
FOMCが先日利上げを発表しました。
FOMC(米連邦公開市場委員会)が0.25%の利上げを発表しました。しかも利上げはあと2回行われるという強気の発表をしました。アメリカの景気がかなり上向いていることの表れです。実は利上げ3回と4回はほんの1票差だったとも言われておりますが・・
利上げをしてそのあとドルが買われて円安に向かうかと思われましたが、中国との貿易摩擦が直後に懸念されたのでドル高は抑えられる展開になりました。
そして翌日・・ECB理事会が行われました。今度はEUです。
ECB理事会は、イタリアの情勢不安等もありましたが量的緩和の終了を年内に行うと発表しました。
量的緩和とはECBが債券を購入して市場に出回るお金を増やします。世の中に出回るお金が多くなると金利が下がり、お金を借りやすくなり、企業が設備投資をしやすくなり経済が好転する方向に向かいます。経済が好転すれば企業の業績が上がり、社員の賃金があがり、物価が上昇するという流れに原則なります。
EUはずっとこの金融緩和を行い続けてきましたが、まだ目標としている物価上昇率には達していないものの失業率が下がり、賃金が上昇し始め、物価上昇を達成できる目処がついたという判断をしたということです。
国債の毎月の買い入れを300億ユーロから10月より150億ユーロに減らすと発表。ただし、利上げは来年の夏までは行わないというちょっとだけ含みを残した発表に終わりましたが、EUも経済が上向いてきたことを表しています。
そして日銀の発表
日本はということですが、私は物価上昇をさせようと言っても人間は物価を上げようとしてもネットなどで安く購入する方法を見つけることができる時代なので、物価上昇なんていうのは難しいのではないかと思っていました。
ところが、アメリカやEUは金融緩和をやめるまで物価上昇をさせることができました。
ということは日本でもできるということです。
日銀は相変わらず金融緩和は維持するという表明し、物価上昇率2%を目指すと発表しました。
この目標を達成するために、異次元ともいわれる金融緩和を今行っています。
この緩和はいつまで続くのでしょうか?というより続けられるのでしょうか?日本の消費税は2019年の10月から10%になり、消費が冷え込むことが予想されます。アメリカの景気も2020年までに利上げの目標が達成すれば、経済は失速すると考えます。
このような世界情勢でいつまでも異次元緩和をしている時間はなく、2018年末には金融緩和を異次元でなく通常の金融緩和にする等の措置が必要でしょう。
マイナス金利の影響で地銀が想定している以上に利益が痛んでいます。ただ、ある程度合併やフィンテックの導入により、業務の効率化はしていく必要はあるでしょう。それがある程度終えたところで、マイナス金利をやめる。こうすることで企業の筋肉がついて地方銀行が収益を出していけるのではないでしょうか?
地銀が再編、効率化をしない段階でマイナス金利を解除してしまうのは全く意味のないことです。
アメリカ、EUに続いて日本も金融緩和の目処をつけて、もっと末端まで好景気がいきわたることを臨みます。
金融緩和は今のところ日本だけ蚊帳の外という状態と言えるでしょう。
- 前の記事
民泊新法(住宅宿泊事業法)がスタート、今後の展望 2018.06.15
- 次の記事
火災保険と地震保険が2019年から値上げ。該当するケース 2018.06.16