自動車保険の値上げ要因である「法定利率」とは?値上げの対策

自動車保険の値上げ要因である「法定利率」とは?値上げの対策

自動車保険の値上げ要因である「法定利率」とは?値上げの対策

自動車保険の値上げの理由は2つあります

2020年1月~自動車保険が値上げになります。ずっと損害保険の保険料は値上げしているイメージがありましたが、自動車保険の値上げは5年ぶりです。

今回は値上げとその対策についてお伝えをしていきます。

自動車保険の値上げは大手損害保険会社4社が表明をしています。東京海上、あいおいニッセイ同和、損保ジャパン、三井住友海上の4社で各社約3%の値上げを予定しています。

自動車保険の平均的な保険料は7万5千円と言われています。単純に3%値上げすれば年間

2250円の負担増になります。

保険会社内部の非効率な運用を見ていると、この状況でお客様の保険料にメスを入れるのは腹立たしい限りではありますがいろいろと事情もあるようです。

値上げする理由は2つです

①増税対策

②法定利率の見直しです

それぞれ詳しく見ていきましょう。

増税対策として値上げ

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こちらは理由は簡単です。自動車保険で自分や相手の車が損傷した時に修理に出します。その修理代には消費税もかかります。

ご存知の通り2019年10月から消費税が8%から10%に値上げとなります。修理工場などで修理をして修理費用に消費税がかかるとするなら、単純に2%の増加です。

うーーんこんなところにも増税の波が・・・。

自動車の修理費用は軽減税率でどっからどこまでが8%で・・みたいなオモシロネタは転がっていないようです。

当たり前すぎる理由なのですが、受け入れたくても受け入れたくない。。

そんな感じですよね。

さてもう一つの理由。法定利率の見直しとは何でしょうか?

自動車保険の値上げの理由、「法定利率」とは?

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法定利率とは何でしょうか?

たとえばAさんが借金をしていたとします。その借金をAさんが返済しなかったり、返済が期日よりすぎるなど約束を守らなかった場合、通常の利息に加えて、遅延損害金という形でさらに利息を上乗せすること等があるかも知れません。

では、この時にまさかAさんが返済しないなんて思いもよらなかったので、貸し借りをする時に返済が遅れたときや、返済をしなかった場合の通常の利息に上乗せした場合の利息を決めていませんでした。

このように特に取り決めがされていなかったり、不法行為によって損害賠償金が発生したときにこの法定利率が適用となります。

現在の法定利率は5%です。

実は平成29年に民法改正があり、以下のように変更になっていました。

改正前改正後
法定利率5%(年)変動利率3%、3年ごとに1%単位で変動しうる
商事法定利率6%廃止

逸失利益とは

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自動車事故ではこんなことがあります。

とある夫婦がおり、ご主人は一家の大黒柱として給料をしっかり家庭に入れて仲良く暮らしていました。

ところがご主人が交通事故にあい、急に残された奥さんは将来の収入を失うことになってしまいます。この時この奥さんは自動車事故の加害者に、もしご主人が生きていたら得られたであろう利益を請求することができます。

これを逸失利益と言います。

ご主人が例えば定年まであと5年で、1000万円を家庭にもたらしていたとしたら合計5000万円です。

損害賠償は原則一括払いなので、じゃあ1000万の5年分で5000万円を加害者は奥さんに払えばいいのか?

実はこのような考え方はしません。

5年後に5000万円受取れるかどうかなんて不確定要素じゃん!

それを今確実に5000万をあげちゃうなんておかしくない??

今この人に5000万円を渡して、もし複利で5%で5年間運用したらどうなるの?

すると約6300万円になります。

そう考えると賠償金として将来不確定な

5000万円を先に渡すのはお得。という考え方をします。

・・少々わかりにくいですが、

将来の5000万の利益を今渡すとお得なので、ちょっと控除しますよ。

という理屈なのです。

その際に法定利率が採用されます。

厳密にはこのご主人は毎年1000万円の利益を家庭にもたらしていました。

1000万×5年分を前倒しで受取ると、こんな計算式が適用されます。

この計算方法で算出された金額をライプニッツ計数と言います。言葉はさておき、仕組みだけお伝えします。

年度計算式
1年目1÷1.050.952・・・
2年目1÷1.05×1.050.907・・・
3年目1÷1.05×1.05×1.050.864・・・
4年目割愛します0.823・・・
5年目割愛します0.784・・・

③の数字を5年分全部合計すると4.33です。これを1000万にかけます。

では1000万×4.33=4330万

毎年1000万円を5年間もらえるという想定で一括で賠償金で受取ると、

4330万円になってしまいます。

5000万円との差額670万円のことを「中間利息控除」と言います。

これ、、賠償金をもらう立場だったらどう思うでしょうか?

昔は利息が高くて銀行や保険にお金をいれているだけで、倍になるくらい利息が高い時代でした。そんな利息が今も使われているんです。この法定利息5%はあまりにも時代にそぐわないという指摘がありました。

確かに法定利息は冒頭述べたような約束を守らない人に対しての利息なので、高めに設定して制裁の意味合いも含めるという側面で考えれば、過度に法定利息を下げることもいかがなものかと思います。

ではこれが法定利息3%だったらどうなるでしょうか?

年度計算式
1年目1÷1.030.971・・・
2年目1÷1.03×1.030.943・・・
3年目1÷1.03×1.03×1.030.915・・・
4年目割愛します0.888・・・
5年目割愛します0.863・・・

法定利息を3%で計算するとこうなります。

③を全部足すと4.58です。

1000万×4.58=4580万になります。

法定利息5%の場合は4330万だったのですが、法定利息3%で計算をしたら4580万になります。

賠償を受ける側としてはこの方がありがたいのですが、

自動車事故の場合はこの保険金は保険会社が支払うことになります。

ということで、法定利息が下がれば保険会社の支払が増える。

という仕組みになっています。

ということで保険会社は値上げをしたということです。

結論は簡単・・

自動車保険の値上げ対策

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ネット保険にしましょう。

結論はこれだけです。事故対応等も正直、今回値上げする大手損保4社と全く変わりません。ロードサービスも同様です。

ただし年齢によっては、インターネットの保険の方が高いケースがあります。

19歳、20歳の段階は事故を起こすケースが多いため、この人たちが乗ると保険料がバカみたいに高くなります。インターネット保険はここがさらに顕著です。

自動車保険会社が一般的に保険金を払うリスクが高い年代や事故が多い人・・

悪い言い方をすると保険会社が面倒を見たくない人は、

インターネット自動車保険は加入できなかったり、保険料がバカ高いので注意しましょう。