不動産売買で注意しておきたいこと|手取り収入は思ったより少ない

不動産売買で注意しておきたいこと|手取り収入は思ったより少ない

不動産売買で注意しておきたいこと

老後の年金不安を持っている人の気持ちというのを考えたことがありますか?

例えば貯金が1000万円あったとします。現在70歳です。

毎年年金だけでは生活ができずに、毎月5万円ずつ貯蓄を切り崩していきながらの生活をイメージしてください。年間で60万円です。

80歳になりました。順当に貯蓄は減っています。

年間60万の貯蓄の取り崩しで、10年間経過したので貯金はあと400万しかありません。

80歳時点で残り貯蓄400万です。頼る人は誰もいません。

さあ、どのような心境になるでしょうか?

果たしていつまで生きられるか・・

80歳からでは働こうにも働けません。その人の能力にもよりますけども・・

このペースでいけばあと6,7年以上生きれば貯金が底をつきます。

もし、入院したりしたら・・もし泥棒が入ったら、、もしリフォームが必要になったら。

こんな不安を抱えながら、暮らしている高齢者の方は今の時点でも沢山います。

そうだ!不動産を売ろう!

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その不安を解決する一つの選択肢として、今住んでいる家の売却です。

簡単にいえば今住んでいる家を売却して、賃貸に住めば、家賃は今後かかりますが手元に大きなお金が入ってきます。

今貯金残高が400万しかありませんが、家を売却し、例えば700万で売れました。すると自分の手元にはもともと400万と700万で合計1100万になります。

賃貸アパートの値段が今後かかるので、5万だったとすると、いままで取り崩していた毎月5万円と合計して10万を取り崩すことになります。

10万×12カ月×120万。

手元に1100万あれば80歳からあと10年生きれます。

ただ、注意をしなければならないのは、例えば1500万で今住んでいる物件をば売却しました。

しかしその1500万、全部自分の物になるとおもっていませんか?それは大きな間違いです。

税金や健康保険が高くなります

私の実家の事例です。

実家はもともと東京の池袋にありました。もともとは製本工場で、1階、2階が工場、3階、4階が自宅という作りになっていました。

建物は鉄筋コンクリートでできており、さらに東京は隣の人と窓越しに握手できるくらい建物と建物の間が狭いので、建物を潰して土地だけを売却したくても建物の処分費用だけで2000万かかる予定でした。

もう実家には両親2人しか住んでおらず、4階建てに2人しか住んでいない・・

壊すだけで2000万もかかるなんてなんとなくもったいない・・

ということでなかなか踏ん切りがつかずにそのままの状態になっていました。

ホワイトナイトあらわる

そんな中、私の両親がインターネットで不動産業者を探していろいろ連絡をしてみたところ、それはそれは大量の営業がくるようになってしまったそうです。

沢山の営業が来る中で、とてもよい営業がいたらしくその時点で自分に親から相談がありました。すぐにその不動産会社は購入したいという人を見つけてきてくれました。

前述の建物取り壊し代金2000万かかるといわれてることも含めて、8000万で購入したいという後のオーナーが見つかりました。

とてもよい条件。なおかつその購入を希望しているオーナーは私の大学の後輩だというのです。

最初はなんか話ができすぎていて、詐欺かもと思っていましたが話を進めるうちに信頼感もでてきて、その不動産屋さんにお任せすることにしました。

新しい自宅を埼玉県に購入

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8000万で売却をすることができ、それだけではうちは家がなくなってしまいます。そこでうちの両親は畑仕事がしたいという希望があり、大きな庭があり田舎で過ごしたいということもあり、埼玉県の鴻巣市に家を1800万で購入しました。

ただ8000万で売却して現金を手にした場合、恐ろしい税金がかかることを忘れてはいけません。

私は税理士ではないので細かい解説はしませんが、

日本の税率は収入(厳密には課税所得金額)が大きければたくさんの税金がかかってきます。

単純に8000万にまるまる税金がかかれば

以下の日本の所得税の仕組みをもとに計算すると、

8000万×45%-4796000円=約3120万の税金がかかります。

さすがにこんなには実際はかかりません。

もろもろの控除や、売却をして自分の住む物件を買い替えた場合はその買い替え費用も経費としてみてくれるからです。

私の実家の場合は8000万に新たに購入した物件1800万=6200万

その他もろもろ費用を引いて税率を計算し、

払った所得税は

900万円でした。

人生でこんなに税金を払ったことがありません!!

これだけではありません!

住民税の恐怖

じつはまだあります。住民税は前年の所得をもとに計算します。

ことしようやく所得税900万が終わって、なんとか心をおさめていたら・・

なんと翌年

住民税400万

の請求が来ました。

まだ取るのか!!

お金持の節税なんてけしからんとか思いますけど、、

こんなにかかると節税したくなる気持がわかります。。

さらに国民健康保険も所得をもとに計算されますので、

爆上がりします。

1年だけですけどね・・

8000万で売却をして、1800万で購入。

もろもろ経費も差し引けますが、それでも所得税900万、住民税400万

税金だけで1300万!

手元にのこったのは4500万位でした。。

不動産の売却益はまるまる自分の物にはなりません

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これは当たり前の話なのですが、不動産を売却してもその売却益は全部自分の物にはなりません。

その年の確定申告でまずとんでもない所得税がかかります。

そして、、忘れがちなのが

その翌年の住民税と健康保険です。

それらを終えて手取り額が初めて自分のものになります。

老後ライフプランを考えて、このままでは貯蓄がなくなってしまう・・

不動産を売却してお金を手に入れてひと安心しよう!

というのは決して悪い方法ではありません。

年金暮らしで貯蓄を毎月とりくずし、自分の貯蓄を眺めながらあと何年私は経済的に生きられるかという不安を抱え、もし病気になったら・・云々と冒頭申し上げたような不安もたまに思い浮かべながら過ごす老後は精神衛生上もよくありません。

そのような時に不動産を売却して一時的なお金をえて、老後のお金を確保する方法は気持に余裕がなくなるくらいなら、買い手がいるうちにやるべきだと思っています。

が、、いままで申し上げた手取り、すなわち手元に残るお金が意外と少ないという点も知っておかないと、自分の想定とはかなり異なりますので注意が必要です。

細かい税率等は一切省いて体験談という形で紹介しています。

個別のケースについては、もよりの税理士や不動産会社にお問い合わせください。