保険業界も人員削減RPAとは何か?
- 2019.06.25
- 損害保険
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銀行に続き保険業界も人員削減
損保ジャパン日本興亜が2020年末までに従業員を4000人削減すると発表しました。
介護やセキュリティといった今後市場が伸びる事業への配置転換を進めるのだそうです。
損保業界はもってあと5年
保険・金融というとなんだかモバイル端末を使ってお客様に画面を見せて提案するというようなスマートなイメージを持つ方もいるかも知れません。
しかし、世の中ではそのような方向性に向かっていきたいとは思うものの、変化を社内勢力がどこの業界にも存在し、なかなかIT化が進んでいないというのが現状です。
こんかい話題になった損保ジャパン日本興亜とは保険会社なのですが、損害保険がメインの会社です。自動車保険、火災保険などをメインに取り扱っている保険会社です。
ところがご存知の通り、もう若い世代というのは自動車保険や火災保険はこのような会社から加入することはまずありません。
なぜならインターネット保険があるからです。
昨日はほぼ同等、事故対応も自動車保険などで、
「ネット保険を甘く見てはいけない・・」
「事故対応が不安だわ」→「本当にそうでしょうか!」
というCMがあるように、今は事故対応も実は大手損害保険会社と遜色ありません。
同じ機能を持った商品で、値段が高いものと安いもの。
皆さんだったらどちらを選びますか?
当然安いほうを選ぶはずです。
ということで、損害保険の市場はどんどんインターネット保険に流れています
本当に保険会社の仕組みを知れば知るほど、私たちの保険料がこんな無駄な作業に使われていると思うと腹が立ってくると思いますよ。あらゆる保険の毎月私知が払う保険料の中には当然事務手数料なども含まれています。
無駄な会議や、取引会社の天下り社員、的外れな商品開発、将来性を全く感じない事業プラン。ざっくりいうとなかなか伝わりにくいのですが、本当に細かいところでいちいち終わっている。
RPAという言葉がようやく損保業界で話題になり始めた
RPAとはロボットによる業務自動化を表す言葉です。Robotic Process Automationロボティックプロセスオートメーションの略で、単純作業は全部ロボットにとって代わられるということです。
コンピューターの方が処理速度も速く、労働時間が長くても、文句も言いません。
保険会社の事務処理は全く融通が利かないので、どのみち融通が利かないなら機械で作業をしても変わらないので、RPAがもっとも推進しやすい業種とも言えます。
また通信が今の4Gから5Gになりテクノロジーが大変革を起こすのが2020年。
自動運転の導入もおそらく5Gの導入で急速に進んでいくでしょう。
そうなればすぐには無くならないにしても、ボディブローのように損害保険は衰退し、早ければ3年、長くて5年でもはや損害保険は無くなると私は思っています。
損害保険会社地震ももはや将来性を感じていない
おそらく損害保険会社もこのことはおそらく感じていると思われます。
なぜなら、今回4000人従業員を削減し、100億円が捻出されることになっておりますが、そのお金が社員の給与が増えるということに全く言及されていないからです。
ではインターネットに対抗できるように業務効率化で保険料をもっと安くするようにしよう!!
それが私たちにとって一番ありがたい話なのですが、そうはなりません。
なぜなら、損害保険そのものがもはやオワコンであり、損害保険会社自身もそれに気づいているからです。
いまさら、そんな損害保険の商品そのものに力を入れても仕方ないから。です。
将来的には自動運転で自動車事故も無くなります。ということは自動車保険も不要になります。さすがに何が起こるかわからないので、賠償責任保険くらいは加入するかもしれませんが・・
ただ、唯一火災保険は将来性があると思っています。今後は建物の老朽化によって※水漏れの事故が増えてくる可能性が高いからです。
※老朽化による水漏れは、ケースバイケースなのでこの文面だけで火災保険で必ず支払われるわけではないことをご了承ください。
IoTによって、家具家電製品がスマホなどで管理されれば火災などの重大事故は激減するかもしれませんが、火災保険で火事を要件とした支払いはあまり多くはありません。
では人件費を削減した分のお金はどこに向かうのかというと、損保ジャパンについては介護とセキュリティ対策への投資へ向かうと公表しています。
ここに損害保険会社が損害保険という商品に将来性を感じていないことが見て取れます。
介護業界もたくさんの事業者が乱立しておりますが、新しい建物を建てて、もっと大きくビジネスにしていこうと思って、新たに介護用の物件を立てる人はもういません。
なぜでしょうか?
介護施設の建物を一括現金で買えればいいですが、ほとんどの場合はローンを組むことが多いかと思います。多くは20年30年という長い期間をかけて返済します。
そこまで20年、30年とい期間の返済をする前に、人口減少の影響が表れ始め介護業界のトレンドが過ぎ去っていくからです。
具体的には建物を建てても、住宅ローンあるいは事業ローンを抱えている間は、介護になる人口さえも人口減少に逆らえず、今後は減っていきます。。
それでも介護のように先行きがあまり見通しが明るくない分野に手を付けたということは、、
具体的には損保ジャパンが介護に力を入れということは、人材を通常の社員の給料に反映したり、保険料を下げる努力をするよりも介護に振り向けてた方が効果が高いと感じているからです。
少なくとも介護業界よりも先に損害保険のメイン事業である、自動車保険が先にオワコンになると損害保険会社自身が感じていることがお分かりいただけると思います。
セキュリティ部門については資金を投入しなければならないのは妥当な判断だと思います。
金融業の従業員リストラは継続するか?
損害保険会社大手は、基本的に常にライバルなのでおそらくこの流れは各社追随してくることが濃厚です。
損害保険会社が自社の社員を削減することが終了したら、今度は代理店の整理を加速していきます。
代理店は保険会社の商品を保険会社から手数料をもらって販売をしている事業所のことを言います。昔ながらの会社が多く、いうなれば地域のシャッター街にある個人商店のようなものです。
地域の個人商店ということは、高齢化が進んでおり将来性が見込めないので保険会社もお荷物に感じています。何を改革しようにも、反対する勢力がここに存在しているからです。
保険会社はウチの商品をこれだけ販売してくれないと、手数料を下げますよと毎年次から次へ無理な目標数値を作らせ、できなければすぐにやめて他の代理店と合併してください。
または今の経営者が引退や万が一などでトップを失った瞬間に合併をさせることを虎視眈々と狙っています。
損害保険会社も将来性はありませんが、その損害保険の保険部門に依存している代理店も将来性はゼロです。
自動車保険の販売は、自動車販売のディーラーやガソリンスタンドの店員だって扱えます。火災保険も不動産屋や個人で不動産業をやっている人でさえ取り扱えます。
専属の保険代理店は営業のノウハウにもなりませんし、知識もさほどいらないので人生のキャリアにもなりません。
たくさんの生命保険を扱っている生保中心の代理店は生き残れる可能性は高いですが、損保中心の代理店は入社しても、独立しても成功どころか家族を養える可能性もゼロです。
これらをきっかけに様々な業種で業務改善が進んでいくことを期待します。
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