資産運用の損得は長い目でみるべき【FPが断言】
- 2019.11.02
- 資産運用

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資産運用の損得は長い目でみるべき【FPが断言】
2019年10月27日から、私自身の自己紹介や経歴もさらすようにしました(笑)
保険や時事ネタを中心に発信しているのに、
「一体オマエ誰やねん!!」
という状態ではなかなか記事の信憑性も薄いのではないかと思ったからです。
リアルな場でも意外と公な場で活動もしておりますので、改めてみなさまよろしくお願いいたします。
今日は資産運用の損得は長い目で見るべきというお話です。

先日、突然私の携帯に連絡がありました。
「すいません!1年くらいで資産が倍になるような商品を教えてください!」
私の公式HPでは携帯の連絡先も公開しておりますので、携帯に連絡していただくのは全く問題ありません。
しかし、資産運用に限らずこのように直情的に質問をしてきて、自分の知りたいことだけを教えてください。という性格の人は残念ながらお金に恵まれるタイプではありません。
「1年間で倍になる商品は私はすぐには思いつきません。」
「あるとしたら、かなりリスクの高い商品なので元本割れする可能性も覚悟しておく必要があります。」
という返答をしたら、
「いや・・元本割れは考えていません。」
毎月分配型がいいって聞いたんですけど!!。」
私はちょっと絶句してしまいました。
毎月分配型についてはこちらの記事が参考になります。
この毎月分配型に対しての論議はかなり以前から実はあり、もうこの類の商品は絶滅したと思っていました。
このように直情的に質問をしてくる人は、やっぱり「情報弱者」になりがちです。
情報弱者とは、情報収集力に欠け、ニセの情報やメリットが無い情報や既に時代遅れの情報をつかんでしまい豊かになれない層の事を言います。
耳が痛い思いをする人もいるかも知れませんが、実は豊かになれるかどうかは自分がしっかりと情報収集できる能力があるかどうかにかかっています。
万が一私がFXの自動売買ツール等を販売していて、
「FXって儲かりますよ。初期投資10万円でうまくいけば1年で倍は余裕ですよ」
と伝えたら・・
この質問者はおそらく買ってしまっただろうと思います。
ただ、FXを上手にやれば資産を1年で倍にすることは簡単であることは事実です(ただし膨大な経験と、それまでには膨大な損失も経験しています)。
聞けば投資もまだやったことが無いのだとか・・。
そして、1年後に倍にしたいのはなぜですか?
と質問をすると、
いや・・なんとなくお金が何もしないで増えるっていいなと思ったので・・。
という内容でした。
最終的にリスクもなく1年後に倍になるような、そんな商品はありません。ということをお伝えしました。
資産運用は長い目でみて、その効果を実感するものであり1年やそこらで実感できる効果はたかが知れているのです。
資産運用はなぜ長期で見る必要があるのか?
いかのグラフをみていただくと一目瞭然です。
それぞれ値動きの異なるA,B,Cという商品があったとします。
ここではA,B,Cにそれぞれ10000円投資をしたら、10年後にどうなっていたかという比較を見ていただきます。

資産運用でA商品を選択した場合の考察
元本1万円でスタート
かなり急激に増加していますね、5年で倍以上になっています。しかし、、6年目で21,380円→10,134円に・・半分以下になってしまいました。
せっかくここまで増えたのに、いいときに売却しておけばよかった。。そう思いますよね。しかし投資とは得てしてこのようなものです。
大きく急増する商品は、何かあったときの下落幅も大きいのです。
しかし、10年後の結果を見てみれば一番増えているのもこのタイプです。
あくまでも傾向ですが、これがリスクのある商品の値動きの特徴です。
資産運用でB商品を選択した場合の考察
同じく元本1万円でスタート。出だしちょっと不調でしたね。10000円の元本が3年目で6800円になってしまいました。
もうこんな商品やめてしまいたいですよね。
しかしこのグラフでは我慢して持ち続けていた結果、6年目からプラスに転じてきました。
最終的には当初の元本10000円が1.7倍になっていたという事例です。
資産運用でC商品を選択した場合の考察
元本10000円でスタートし、一度も元本割れすることなく着実に増えています。10年後に1.2倍になりました。
物足りないといえば物足りないかも知れませんが、それでも一度も元本割れしないなら安心ですよね。
もちろんこれはあくまでも事例なので、実際は元本割れすることもあります。
ただ、得てしてこのように増加が少ない商品は、何かあったときの下落幅も少ないのです。
こちらの事例でも元本割れはしていませんが、微妙に上限しているのがお分かりいただけると思います。
運用商品は原則以下のような上下動を繰り返しながら長い目で見れば増えていく傾向にあります。

したがって資産運用は1年や2年という短いスパンで結果を期待してはいけないということがお分かりいただけると思います。
資産運用にうまい商品はない
なんの世界でもうまい商品はないのですが、資産運用についても同様です。
ラクに儲かるということを言われたら、反面損をするのもサクっと大きく損をします。というウラがあることをすぐに想定できるようにしましょう。
大きく増える商品は、大きく減る可能性が高いのが運用の法則です。
ド素人あるある「やみくもな」押し目買い

じゃあ、大きく下落している商品を買って、大きく上昇した時に売ればもうかりますよね・・
という発想になりがちです。
価格が大きく下落した時に、上昇すると見込んで購入するのを
「押し目買い」
と言います。
この押し目買いは、世の中の市場動向等を知ったうえで確信をもって行うのが押し目買いです。
ただ、下落してるからといって何にも根拠が無く購入したら・・
もっと下がるかも知れないじゃないですか!
なんの確信もなく購入してしまったので、いつか上がるだろう、、上がるだろうと思っていたら上昇せずにそのまま元本が半分に・・
下落していた商品を見つけて10000円分購入。
きっと上昇するぞーーと思っていたら7500円に。えっっ・・でもきっと上昇するさ・・とみていたらさらに6000円に下落。
こりゃたまらんと売却→4000円の損失。
そして1日後にその商品は11000円に上昇。
明日まで待てば良かった。
こんなのはド素人ではよくある話です。
このストーリーの悪いところは2つ。
わかっていてもやっちゃうんですよね。先ほどの表で10年たって振り返ってみればようやく利益が出ていたね。。というレベルです。10年でも短いかも知れません。
かといって良くわからない商品をただ10年20年もてばいいというものでもありません。
まずはポピュラーな商品、メジャーなネット証券でおためしで購入してコツコツ少額からスタートしていくのが王道です。
ネット証券などはオススメや人気商品にランキングがついていますので、鵜呑みにしていいと思います。
金融機関の窓口で購入すると、金融機関が儲かる商品を紹介されてカモにされるので相談さえしないようにした方がいいです。
金融機関にお客様本位で商品紹介をする営業はいません。
銀行からこの商品を売れだとか、手数料の高い商品を売れという圧がすごすぎて、お客様の事を思って販売している営業はだいたいクビか営業を外されるからです。
かんぽ生命保険の不正販売や、外貨建て保険のクレームが続発している件はまさにそのことを象徴しています。
そうなるとやっぱり資産運用の商品選定はネット証券のサイト等を見ながら自分で行わなければなりません。
資産運用も大きく増やすためには、まずはレベル1からスタートする必要があります。
目先の損得で資産運用を行うと大きな失敗につながったり、詐欺に会う可能性も高まります。くれぐれもご用心。
簡単に儲かる商品はありません。
絶対にありません。ということを断言させていただきます。

この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー金子 賢司
これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー、公式HP
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