老後の年金が不安な方は知っておきたい、年金の分類

老後の年金が不安な方は知っておきたい、年金の分類

ライフスタイルが多様化していると言いながらも、65歳を過ぎれば多くの方が年金を基本的な収入の柱として頼っていくことになると考えられます。将来の年金が不安だ。。。と言いながら一体どんな種類のどんな年金がいくらもらえるのでしょうか?

まずは用語を整理していきましょう。

働き方によって異なる年金制度

第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者という言い方がありますが、これは何かというと、、

まず

  • 第1号被保険者・・・自営業者や学生など
  • 第2号被保険者・・・サラリーマン、公務員
  • 第3号被保険者・・・第2号被保険者に扶養されている配偶者

というように分類して呼ばれ、加入する年金制度が異なっています。

公的年金と企業年金に分類されます

422737 / Pixabay

そして、その年金制度には

  • 国民年金、厚生年金保険、共済年金のような「公的年金」
  • 確定拠出年金や確定給付年金などの「企業年金」

に分類され、年金は3階建てになっているといういわれ方をします。※共済年金は2015年10月に厚生年金に統一されました。実質国民年金と厚生年金の2種類です。

国民年金が年金制度の1階建て部分。厚生年金は2階建て部分、企業年金が3階建部分といわれています。

  • 国民年金・・・3階建の年金の1番下の土台にあたります。日本で生活する全ての20歳以上60歳未満の人全てが原則加入。第一号被保険者は国民年金を支払うことになります。
  • 厚生年金、共済年金・・・3階建の年金の2階部分に該当する。サラリーマン、公務員等が加入しています。給与支給日にもらえる給与明細の項目に厚生年金保険料と書かれて額面の給与から控除されている人はこちらに該当します。第2号被保険者がこちらに該当します。

びっくりするくらいの金額が差し引かれていますよね。私もかつてサラリーマン時代にそうであったように、なんでこんなに苦労して、税金でこんなに引かれているんだ!!(税金ではありませんが、私は当時そう思っていましたので)と思うことでしょう。

しかし厚生年金保険料を支払うことで、国民年金も支払いが既にされたことになり、さらに扶養となっている親族や配偶者(前述の第3号被保険者)の国民年金も支払っていることになるのです。平成27年度9月~国民年金保険料は一人あたり15,590円になりました。これを親族や配偶者は扶養になっていれば払わなくてよいのですから大きいですよ。

大きな金額が差し引かれている裏側には扶養親族の国民年金保険料を払ってくれているという大きな役割があったのです。

  • 企業年金・・・厚生年金基金や確定給付年金、確定拠出年金401Kなどがこれにあたります。

第一号被保険者は年金額が少ない!

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第一号被保険者は国民年金しか加入しておらず、将来もらえる年金額が少ないです。ここに該当する人は将来に備えて第2号被保険者の人よりも老後の生活費をまかなうため大きな貯蓄が必要になってきます。

目安としては月額7万弱です。老後夫婦二人で生活していくためには27万円が必要といわれていますから、夫婦2人分で7万円×2人分=14万円だったとしても、月額13万円生活費が足りません。

これを人生が全うするまでの期間用意しておく必要があります。

13万円×12カ月=169万円

60歳以降25年間、85歳まで生きるとすると

169万円×25年間=4,225万円を自分で用意する必要があります。

国民年金と厚生年金はどれくらいの期間、年金保険料をはらったら将来もらえるの?

上記の国民年金や厚生年金を支払っても、ずっと払っていなくて給付になる65歳の直前でちょろちょろっと支払って受け取れるかといえば当然そんなはずはありません。

どれくらいの期間保険料を払えば年金をもらえる資格が発生するかという期間を受給資格期間と言います。

厚生年金の受給要件は国民年金を受け取れる要件を満たしていること。なので国民年金の受給要件(期間)を見ていけばよいということになります。

65歳から年金を受け取るためには、かなりの長い期間年金を払っている必要があります。

以下の①~③の期間をたして25年間以上であれば、65歳から年金を受け取る権利は発生します。

  1. 保険料納付済み期間(国民年金、厚生年金、共済年金に加入した期間)
  2. 保険料免除期間(経済的な理由や学生等により保険料が全額ないし、一部免除になる期間)※ただし免除をうけると将来の年金が削減される
  3. 合算対象期間(年金制度は変遷を繰り返しているため、生まれた年や海外に住んでいたなどの事情でどうしても25年間治めることができない場合があるため、受給資格期間には算入するが、年金は増えない)(カラ期間ともいわれます)

またサラリーマン、公務員(要するに厚生年金、共済年金)は、自動的に国民年金を収めていることになるため、少なくとも会社勤めを25年間(複数の企業の場合は合算して)厚生年金に加入していれば自動的に国民年金の受給資格を満たすことができます。

これまであまりに無頓着だった人がもしいたら、今までの自分の職歴がどんな種類の年金だったかよくわからない方もいらっしゃると思います。

自分の誕生日の属する月におくられてくる年金定期便で確認をしておきましょう。また年金ダイヤルや年金ネットでも確認が可能です。近所の年金事務所でも丁寧に教えてくれます。

老後不安だからとりあえず貯蓄、、、の前にまずはどれだけ年金がもらえる予定なのかを知らなければいくら貯蓄しても不安は解消されません。

次回は受け取れる年金額のお話をしたいと思います。

あなたがもらえる年金はおおよそいくら?に続く