住宅ローン利用時に火災保険は強制加入なの?

住宅ローン利用時に火災保険は強制加入なの?

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住宅ローン利用時に火災保険は強制加入なの?

住宅ローンを組む時に忘れてはいけないのが火災保険の加入です。

この火災保険は強制ではないのですが、実質火災保険に加入をしないと金融機関はお金を貸してくれません。

強制といえば強制という側面があります。

ただし、金融機関が指定する保険会社を選ぶ必要はありません。

金融機関が自分のところで火災保険も契約してほしい理由は以下の通りです。

    火災保険に契約してほしい理由
  • 貸したお金が返ってこないと困る
  • 保険会社から手数料を受け取れる
  • 金融機関の継続的な収入になる
  • 火災保険に加入していることが確認できる

貸したお金が返ってこないと困る

moerschy / Pixabay

単純にこれが一番大きいと思います。仮に火災保険に加入せずに住宅ローンでお金を貸した人がいたとします。

その人の家が火事で焼けてしまったら・・。

その人は住む家がなくなり、住宅ローンが残っています。

大変な状況なので、住宅ローンの返済が望めないかも知れません。

貸したお金が返ってこないなんて、金融機関としては大打撃ですよね。

したがって、住宅ローン利用時の火災保険は、そのローンを利用した金融機関で契約する必要はありませんが、

利用した金融機関がその建物を評価している金額以上の火災保険金額を設定することが条件です。

金融機関が、新築物件の建物の評価を2000万~2500万と判断したら、2000万円以上の火災保険に加入をする必要があります。

1900万や1500万等の火災保険では住宅ローンは貸してくれません。

保険会社から手数料を受け取れる

金融機関は自分のところで加入してもらった方が、保険会社から販売手数料も受取れるからです。

受取った保険料の20~30%が金融機関の手数料になると推定されます。※あくまでも推定です。

金融機関の継続的な収入になる

住宅ローン利用時の火災保険は今は10年契約が最長です。

35年の住宅ローンを組んだような場合は、10年後に火災保険が切れてしまいます。

このようなことが内容に10年後は万が一、手続きが漏れても同じ内容で自動更新できる内容にしておくことも要件の一つです。

金融機関にしてみれば、かなり長期ですが10年ごとに前述の手数料が定期的に入ることになります。

火災保険に加入をしていることが金融機関で確認できる

これも大きな理由ですね。貸したお金が返ってこないと困るというパートと重複する部分もありますが、

お金を貸した金融機関が、きちんと住宅ローン利用者が火災保険に加入していることがチェックできるからです。

基本的には指定のところ以外で火災保険に加入をしても、金融機関は証券なり、支払った領収証や控えなど証拠となるものを「みせろ」と言ってきます。なので、加入しないということはできないのですが、

もしかしたら、加入をしてそのあと火災保険を解約している悪質な人もいるかも知れません。

ということで、やっぱり住宅ローンを利用した人は金融機関は自分の管理課におきたいというのが正直なところです。

このようなメリットが金融機関にはありますので、必ず住宅ローン利用時に火災保険の加入を勧めてくるので、忘れることはまずありません。

住宅ローンの火災保険は安かろう悪かろうはNGです

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しかし必ず勧められるのですが、金額的には内容は安くても20万~30万位かかることがあります。

住宅ローンを利用すると保証料がかかったり、登記の手数料がかかったり・・

それ一体なんの項目ですか??

と聞いたこともないような単語の料金がかかってきます。

さらに火災保険で大きな金額がかかるとなると、気持的にはかなり萎えてきます。

この火災保険は実は内容を安くしようと思えばかなり下げることができます。

安くしようと思えば補償内容を削ったり、保険金額を下げたり、免責額というものを上げると安くできてしまいます。

臨時費用特約というものも意外と保険料を下げるには有効です。

あら、もう少し安くできるのね。。

ましてや住宅ローン利用時の火災保険料は10年分をまとめて払うのが通常なので、大幅な保険料削減に見えてしまいます。

月200円の特約を外すと、12カ月で2400円、10年間で24000円。

24000円も保険料が削減になるなら、特約無くていいわーー。

なんていう判断を安易にしないことが大切です。

火災保険のまさかが最近は本当に良く発生しています

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地震や台風などで損害を受けて、新築間もない世帯が被害に会うケースが増えています。

金融機関は火災保険に加入しないと住宅ローンは利用できませんと言いながらも、

その火災保険の内容は「火災、破裂爆発、風・雹(ひょう)・雪」という最低限の補償内容で火災保険に加入してくれればOKなんです。

では・・・・

台風や河川の氾濫、地震で建物が損壊したらどうするんですか?

という問題です。

火災保険は台風や河川の氾濫も支払ますよ。という保険に加入していないと、台風や河川の氾濫で建物が損害を受けた時は支払になりません。

地震保険も同様です。

しかし、近年日本では今まで他人ごとだったような災害が各地で数多く発生しています。

私自身も北海道の震災を経験しています。

火災保険の最長は現在は10年です

かつては住宅ローン利用時の火災保険は最長35年まで一度に支払うことが可能でした。

しかし今は最長10年になっていることも注意です。

なぜ最長が10年になったのか?

近年では災害も多く、保険会社はその間に世界的に事故が多発して採算の合わない火災保険になってしまっては収益を圧迫してしまいます。

35年なんていう長い火災保険に契約されてしまったら、保険会社は値上げしたくてもできないからです。

せめて10年ごとなら、災害による支払が多くて保険料に転嫁したい場合は10年ごとに保険料を値上げできる余地が生まれます。

実は35年の火災保険がなくなったのはそれが要因なんですよ。

ということで、住宅ローンの火災保険は住宅ローンにまつわる沢山の書類のやりとりの中で済まされてしまうため、あまり内容を確認せずに加入していること。

また

お金がかかる時期に、さらに高額な火災保険料を少しでも安く済ませたいという意識が働き、手薄な補償内容になりがちなんです。

わざわざ入り直すのではなく、補償内容を途中から追加することができます。

また、地震保険にも加入していないケースが多いので必要であれば地震保険も検討し、こちらについても追加で契約することができます。

しかし、できれば加入する当初にどんな火災保険に加入をしたらよいのかということを把握して選択をするのがベストです。

10年後は補償がなくなってしまうことも注意

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住宅ローン利用時の火災保険は10年満期で、自動更新をすることが条件というのが建前なのですが、

住宅ローン利用時の金融機関とは別で火災保険に加入をした場合は自動更新になっていないことがあります。

必ず保険会社から10年経過近くなると、火災保険満期の案内が来ます。

久しぶり過ぎて、火災保険の営業DMと見間違ってそもそも封を開けていないことがあります。

また10年後、住宅ローンを利用した金融機関が、ちゃんと火災保険継続してますか??

とは確認はしません。きちんと保険代理店等で火災保険の専用営業マンがついていれば連絡してくれます。

しかし、馴染みのない代理店やネット等で契約してしまった場合は、郵送物のみの案内で、金融機関もいちいち継続しましたかーー?とチェックしてくれません。

火災保険が10年経過して、保険が切れていて、万が一台風や火災などで家を失ったら・・

家はなくなるわ住宅ローンは残るわで大惨事になってしまいます。

住宅ローンの火災保険は保険料に気を取られずに、中身を確認したうえで加入。地震保険も検討をしましょう。

10年経過後は、まとまった支出がいやなので毎月払いの火災保険に切り替えているケースも見受けられます。

支払方も工夫して、災害が多いご時世なので万全の火災保険を備えておきたいものです。

金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP