今さら聞けない円安、円高、為替の仕組み

今さら聞けない円安、円高、為替の仕組み

円高と円安とは

1ドル100円の状態から1ドル101円になれば円安。1ドル99円になれば円高という状態です。

円高がうれしいケース

海外で物を購入したとします。200ドルの洋服を買いました。

上記の例でいけばどっちだったらうれしいですか?

101円の時だったら101円×200ドルで20200円払います。

99円の時に洋服を買えば99円×200ドルで19800円払えばよい。

どっちがうれしいですか?このケースでは円高がうれしい!と思えるケースです。

円高がうれしいケース②

海外旅行行ったとします。10000円を持って行きました。

海外にいってその時1ドル120円でした。すると10000円は10000円÷120=83.33ドルです。

また1ドル90円ときに旅行をすれば10000円は10000円÷90=111.11ドルです。

円高のほうがたくさんドルが手元にあるので、海外で楽しめます。

海外旅行に行く時はどっちがうれしいですか?円高の時ですよね。

円安がうれしいケース

海外に物を販売するとき

ネットショップで洋服を200ドルで海外に販売しました。手元には200ドル有ります。

200ドルを受け取って円に換金する時に、1ドル101円なら20200円

1ドル99円なら19800円

これが円安がうれしいケースです。

円のどこが安全なんだ・・

先日のイギリスのEU離脱の時もそうでした。経済情勢が不安定なときはなぜか円に人気がでて円買いが起こり、円高になります。

アベノミクスもなかなか効果が出ず、賃金は上がらない。物価上昇が起こりそうになったと思うと思わぬ自然災害でやはり元に戻ってしまう。。年金や健康保険の財源の限界。。いや限界どころか「国債」という手段でもう1000兆をはるかに超える借金は既にデフォルト(経済破綻)した国よりもひどい状況。

実際で暮らしている私たちは、世界で何か大きな不安材料が発生すると日本の円が買われ、しかもその理由が安全資産だなんて・・到底信じられませんよね。

いつも泣きっ面に蜂状態の日本の円高

東日本震災、EU離脱、、日本だってヤバイ!という時もことごとく円高になりますよね。これは日本が安全資産だからという理由で円が買われているというのは実はちょっと違う、、というのは何となくお気づきなのではないでしょうか?

日本がやばい状況の時に、何で円を買うんだ。円を買って円高にしている危篤な人は誰なんでしょうか??

「円キャリー取引」

経済情勢が不安なときに円が買われるのはこの円キャリー取引が大きな要因です。

FX(為替証拠金取引)をしている人は何となくわかると思いますが、日本の金利が非常に低金利であることがまず一つ原因としてあげられます。世の中には不思議な取引があり、低金利の円でお金を借りて、外貨で運用してその運用益と金利差で儲けるという取引をしている非常に頭のよい人たちがいるのです。

円を借りるというのは、円を売るということになります。分かりにくいとは思いますが、円を借りることは円を売ることからスタートするものだと思ってください。

Aさんは自分の持っているお金10000円をBさんにあげたとします。(BさんはAさんに10000円借りたのと同じ)

そのお金でBさんは運用をして1年後10500円にしました。

BさんはAさんに10000円で借りたのですが、1年間も借りたのだからちょっとお礼をつけようかと10200円返しました。(AさんはBさんから10200円を購入(返済された))ことになります。

そうは言ってもBさんは300円もうかっていることが分かると思います。

死亡一時金

かなり庶民的な規模になってしまいましたが、それを想像もつかない規模でやっている人たちがいるのです。

要は金利が低いから円を借りて、その他の国の外貨で運用をしてその金利差で儲けようと考える人がいるということです。

だから日本のピンチの時は円高になる

既に円をじゃんじゃん貸して(売却して)いるのですから、何か世界的にまたは日本に不測の事態が起こるとこれはヤバイということでこの取引を手じまう。(いったん終わらせて様子を見ようとする人が増えます。円を売っていたのですからその反対取引は買うということになります。

円が買われるということは「円高」の要因になりますよね。

今の世界情勢からみると日本は確かに平和で、経済破綻などはまだまだ考えにくいといえますが、決して安全資産だからという理由だけで日本が万が一のときに購入されているのではないのです。

ふつう日本がピンチの状況になると、その国の通貨は売られるので円安になるはずなのですが、日本は低金利ゆえに事情が異なります。日本はピンチになると円高になりやすいというダブルパンチを受けてしまうのです。

日本は輸出業が多いので円高より円安に振れたほうが経済にはよい影響を与えるといわれています。

これが実は日本がなかなか経済が回復しない要因の一つであります。