元利均等返済、元金均等返済どっちがいい?

元利均等返済、元金均等返済どっちがいい?

元利均等返済、元金均等返済どっちがいい?

今回は住宅ローンの返済方法についての解説です。住宅ローンの返済方法は主に2通りあります。

元利均等返済について

元利均等返済とは、毎月の返済額(元金+利息)が一定となる方法です。

具体的に例を見ていきましょう。

今回は事例は全てこちらの前提条件で見ていきます。

借入額3,000万円、金利3%、返済期間30年

元利均等方式の毎回の返済額は以下の通りです。

返済回数元金利息毎月返済額
1回目51,481円75,000円126,481円
2回目51,610円74,871円126,481円
3回目51,739円74,742円126,481円
 ・
 ・
 ・
359回125,852円629円126,481円
360回126,007円315円126,332円

毎月返済額は一定でその毎月返済額の元金と利息の内訳が毎月返済回数にともなって変動しています。

返済当初は元金よりも利息を多く返していることになっていますが、回数を経るごとに元金の比率が高くなっていきます。

これをふまえると、この元金均等返済のメリット、デメリットはもうお分かりかとは思いますが

 元利均等返済方式のメリット

  • 毎月返済額が変わらないので返済計画が立てやすい
  • 元金均等返済よりも、当初の返済額は少ない
  • 取扱金融機関が多い

元利均等返済方式のデメリット

  • 元金均等返済よりも当初の返済額は少ないが、総返済額は多くなる
  • 利息の支払いが最初は多い為、借入残高の減り方が遅い

ここまでが元利均等方式のお話でした

Tumisu / Pixabay

②元金均等返済について

毎月一定の元金に利息を上乗せして支払う返済方法。毎月の返済額は当初は高いが、次第に少なくなっていく。事例を見た方が分かりやすいので、以下の通りです。

借入額3,000万円、金利3%、返済期間30年

※先ほどの元利均等と同じです

返済回数元金利息毎月返済額
1回目83,333円75,000円158,333円
2回目83,333円74,791円158,124円
3回目83,333円74,583円157,916円
 ・
 ・
 ・
359回83,333円416円83,749円
360回83,453円208円83,661円

元金部分は変わらずに利息と毎月返済額が毎月減少しているのが分かると思います。

元金均等返済方式のメリット

  • 毎月の返済は進む程少なくなり、将来の負担は軽くなる
  • 元利均等返済よりも総返済額は少なくなる
  • 元金の減り方が、元利均等返済よりも早い

元金均等返済方式のデメリット

  • 返済当初の返済金額が大きい
  • 元利均等返済に比べ、借入可能額が少なくなる(返済当初の返済額を基準に金融機関の借入金額の審査がおこなわれるため)
  • 取扱金融機関が少ない
OpenClipart-Vectors / Pixabay

元利均等返済方式と元金均等返済方式はどちらが有利なのか?

メリットデメリットに関してはそれぞれ述べたとおりですが、気になるのはどっちが安く済むの?というお話です。

返済当初は元金均等返済方式の方が返済額が多いのですが、総返済額は元金均等返済方式の方が少なく済むのです。

今回紹介した条件であれば、総返済額は元金3,000万に対して、

元金均等返済では 4553万円

元金均等返済では 4353万円

とは言え毎月の負担は大きいので一概に元金均等返済方式が有利というわけではありません。

元金均等返済を選択したのは良いのですが、5年後にお子様が高校、大学に進学し、教育費と重なって負担を強いられるようになることが予想されるのであれば、元金均等返済を選んで、まずはお子様の教育費が大きくなる時期は何とか収支を我慢して維持しておいてお子様独立後に貯蓄をして繰り上げ返済をした方が効率的なケースもあります。

どちらの方式もメリット、デメリットを踏まえたうえで選択することが大切です