雇用保険(求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付)

雇用保険(求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付)

2007年に私は一度前職を退職したときに、正直これから何をしていいのかわかりませんでした。そうはいっても収入がないと生活できない。そんな時この雇用保険の基本手当は本当にありがたいものでした。

雇用保険とは

雇用保険とは大きく4つの主な給付があります

①求職者給付

②就職促進給付

③教育訓練給付

④雇用継続給付

①求職者給付について

基本手当

被保険者が失業した際に、求職活動の生活費を補うものです。私もかつてはおせわになりました。

【受給の要件】

・離職日までの2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の月が12カ月以上あること(解雇・倒産の場合は1年6カ月以上であること)

・働く能力と意思があること。雇用保険の失業とは働く能力と意思があるにも関わらず職に就けない状態にあることを指します。

【失業の認定】

離職後は公共職業安定所(ハローワーク)に離職票を提出し、求職の申し込みをして失業の認定を受ける必要がある。働く意思を確認し、常に職を探しているかどうかを確認するために、失業の認定は4週間に1度行われる。

 

【待機期間】

自己都合の退職でない場合(倒産や解雇)や定年退職の場合は7日間の待機期間後に支給されます。

自己都合退職の場合は給付制限期間といい、3カ月間は支給されません。

【給付日数】

自己都合退職と定年退職の場合(一般受給資格者)

被保険者期間
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
全年齢共通(65歳未満)
90日
120日
150日

会社都合退職の場合(解雇、リストラなど)(特定受給資格者、特定理由離職者)

被保険者期間
1年未満
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満
90日
90日
120日
180日
30歳以上35歳未満
90日
90日
180日
210日
240日
35歳以上45歳未満
90日
90日
180日
240日
270日
45歳以上60歳未満
90日
180日
240日
270日
330日
60歳以上65歳未満
90日
150日
180日
210日
240日

就職困難者 身体障害者、知的障害者、精神障害者及び社会的事情により就職が著しく阻害されている方

被保険者期間
1年未満
1年以上
45歳未満
150日
300日
45歳以上65歳未満
150日
360日

65歳以上で離職された方 離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あった場合、以下の日数分を限度に一時金を受け取ることができます。(高年齢求職者給付金)

被保険者期間
1年未満
1年以上
65歳以上
30日分
50日分

特別支給の老齢厚生年金との併給

離職、退職というと若い人のイメージがありますが、時代的背景から60歳を過ぎても再就職することも珍しくなくなってきました。

60代前半の人が雇用保険の基本手当受給できるときは「特別支給の老齢厚生年金」は支給されない。また既に特別支給の老齢厚生年金が支給されている場合は支給停止となる。

65歳をすぎてから退職した人は、基本手当で受け取るのではなく、高年齢求職者給付金という一時金が受取れる。この場合は老齢厚生年金は支給停止にならない。(ちなみに65歳を過ぎているので特別支給の老齢厚生年金ではなく、通常の老齢厚生年金です。)

雇用継続給付については変更点等も行われているため、次回解説します。

②就職促進給付について

退職後、再度就職する際の後押しを促進してくれる制度です。

【再就職手当】

所定給付日数を一定期間残して早めに就職した場合、支給されます。

再就職手当給付額=基本手当日額×給付率

所定給付日数を1/3以上残して再就職すると給付率は50%

所定給付日数を2/3以上残して再就職した場合は給付率は60%

早めに再就職をしたほうが有利になるように計算されている。

【就労手当】

臨時的な就職や就労をした場合に支給される。所定期間の1/3以上かつ45日以上を残して再就職をする必要がある。

給付額=基本手当日額×臨時的に雇われる日数×30%

③一般教育訓練給付金

被保険者期間が通算して3年以上(初めて使う場合は1年以上)あるものが、厚生労働大臣指定の教育訓練を受講し、修了した場合は受講費用の一部が支給される。

受講費用の20%相当額(上限10万円)