イートイン脱税をもとに経済の循環について考える
- 2019.11.06
- 税金
イートイン脱税をもとに経済の循環について考える
イートイン脱税という言葉が一時期トレンドになっていましたね。もう自分も忘れていたのですが、2019年10月から消費税が10%に増税になりました。
しかし、一部は増税せずに8%のままということで据え置きになっています。
嗜好品は10%、日常生活に必要なものは8%という区切りなのですが、この境が非常にややこしいのはもう周知のとおりです。
おさらいをすると、飲食スペースのあるコンビニでお弁当を買いました。
店内で食べると消費税が10%になり、お弁当を持ち帰って家で食べれば消費税8%になるのです。
ちょっと聞いただけでもおかしな話です。
そして店内で食べるか、持ち帰りかはレジで自己申告なのだそうです。
そうなると当然誰だって消費税8%の方がありがたいので、わざわざ店内で食べます。と自己申告する人っていないのではないでしょうか?
何も言わずにレジでお弁当を買って消費税8%で買い物をして、店内で食事をしたら、、厳密には脱税になります。
ただ、この行為に対してお店がどのように対応していくべきかという指針がまだ決まっていないようです。
お店としても、買い物してくれたお客様に消費税10%払わないなら外へ出ていってください。とはいえません。
そんな店舗の店員の気持ちを知っているのか、消費税8%で購入したお弁当を店内で食べている。本来は消費税10%になる買い物です。
イートイン脱税に対してどうするか?明確な指針はない
ところがこのイートイン脱税については、どのように対応していくべきかという明確な指針はありません。そうなると企業やその店舗で独自の対応が求められて行きます。
ただそれでは、もしお客様に残りの2%もちゃんと払ってくださいといってお客様が逆上しクレームが発生した場合、本社にクレームとしてあがってしまいます。
なるべく現場での争いは避けたい現場は穏便に済ませたいので、店内で食事をする人が8%で買い物をしても何も言えない状況なのです。
一体何のための増税なんでしょうか?
私たち消費者のモラルが試されます
じゃあ、私はたとえ店内で食べても何も言わずずっと8%で貫き通します。という人もきっと世の中にはいるのでしょうね。。
ところが、このようなスタンスでいるとめぐりめぐって私たちの首をしめることになります。
経済は回っている
お金や経済というのは循環しています。
では今回のようなイートイン脱税をするとどんなことが考えられるでしょうか?
みんなが消費税をごまかすようになる
↓
コンビニがイートイン撤去や規制したりチェックする仕組みを作る必要がある
↓
コストがかかる
↓
人件費をふやすことができない
↓
従業員やアルバイトの給料が増えない
このような循環になります。別にコンビニの店員が損するだけで私は別に委託もかゆくもないもんねーー。
果たしてそうでしょうか??
上記のループはまだ続きます。
従業員やアルバイトの給料が増えない
↓
物を買うお金がない
↓
あなたの会社が扱っている商品も買わなくなる
↓
あなたの会社の売上、利益が減る
↓
あなたの給料カットまたはリストラ
ということで、本来消費税10%のところをごまかすとめぐりめぐってこのような影響が出てくるのです。
そんな大げさな!と思うかも知れませんが同じようなことを考えるのは1人、2人ではありません。
それが大多数になれば経済にも影響を与えるようになっていくんです。
未就学児の健康保険の無償化が市区町村によっては導入になっています。
本当に大変な方もいるかも知れませんが、とりあえず受診しよう。そのことによって必要以上の処方箋を受けていて国民の健康保険の無駄遣いが発生してい事も事実です。
一人一人は受診をして手厚い医療を受けてお得な思いをしたかもしれません。
ところがその本意が、とりあえず受診しなきゃ損!という考え方が、まわりまわって国の健康保険の財源を蝕んで、引いてはサラリーマンの健康保険料(給与天引き)の上昇につながっているのです。
ということは、子どもの医療費で得をしたつもりでも、ご主人の給料の天引きが増えてトントンだったり、下手したらマイナスになっているかも知れません。
うっかりイートイン脱税ならともかく、当たり前のようにイートイン脱税をしたり、自分だけ得をすればいい。国の制度はフル活用「しなきゃ損」と思っていると結局は自分に返ってきますよ。
誰も文句を言わないから、、言えないから、、言う環境が整っていないから。
私たちがそれをいいことに自分だけお得にふるまっている。その積み重ねが所得が上がらない原因の一部であることを常に心にとどめて生きていきたいものです。
この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー金子 賢司
これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー、公式HP
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