借金600万と15年の闘い。体験ブログ

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「涙とともにパンを食べたものでなければ、人生の味はわからない」これはゲーテの言葉です。借り入れがどんどん増えて行き、いくら働いたら減るのかが全く分からない時にずっとこの言葉を支えに生きていました。

今はファイナンシャルプランナーとしてお金についての使い方をアドバイスしている立場です。さぞかし昔から勉強していたんでしょうね。

みたいなことを言われることもありますが、私自身はもともとは浪費家で、今ケチなのは二度と昔のような借金生活に戻りたくないからです。

借り入れ金額は長い期間かけて積み上がり、、←この借金の増え方は実は最悪なんです。最大で600万までふくれあがりました。

浪費家の共通点は見栄っ張り

私は最初東証一部上場企業に勤務していました。ということで、収入はそこそこありました。そんな最中入社4年目で札幌に転勤になります。

札幌と言えば皆さん何を連想しますか?そう・・すすきのです。

自分の給料がまるまる使える!そこそこの収入を毎月もらっている私は、良い服をきて、毎晩のようにすすきのの高級なお店に一人で出かけるようになりました。

週末は夏はサーフィン、冬はスノーボードと本当に好き勝手に生きていました。

ついつい板やウェアは最高級のものを買ってしまったり、車はジープを乗り回し、仕事が終わったらすすきのに行き、毎週末は趣味に生きる!さすがにお金は続かなくなっていきます。

でも、私のいた企業は定期的に打ち出の小づちがありました。

そう年に2回のボーナスです。

毎月の給料よりも生活費がオーバーし、、すなわち借り入れをし、ボーナスで返済をするということが習慣になっていきました。

この時点ではまだ返済しきれていたので、借金が増えることはありませんでした。

身の丈を知らない見栄っ張りは一番浪費癖があるタイプなので気を付けた方がいいと思います。

今考えれば本当に恵まれた環境にいたにも関わらず、私はもっと収入がほしいと思うようになりました。今の会社にいては将来もたかが知れている。。

いつしか全く会社の業務に気力もわかなくなり、そんな最中私は交通事故にあいます。仕事を休んでゆっくりしている間に、やっぱりこれを機にやめようと思い、事故のケガから回復して2か月後に会社を退職することになりました。

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退職金150万がわずか3カ月で喪失!!

退職金を受け取り、特に次に何をするかも決めていないまま生活をすることになります。

次から次へと何やら請求がくるようになります。国民年金や健康保険料。

これって今までは会社の給料から引かれていたんだよね。全然知りませんでた。

会社を辞めると、年金も健康保険も全額自己負担です。今後毎月この年金と健康保険の請求書にも悩まされることになります。

受け取った退職金は150万。

一刻も早く次の仕事を見つけないと、半年くらいで貯金が無くなってしまいます。

私は異業種交流会というものを発見して参加するようになりました。

そこで保険会社の営業から、保険の営業にならないか?というお誘いがありました。

営業で売れていけば年収数千万も夢じゃない!

そんな甘い言葉につられて、面接を繰り返し生命保険の会社に入社することになりました。

保険会社に入り借金生活スタート

私は前職の同僚やメーカーさん等知っている人にはかたっぱしから連絡をし、生命保険のオススメをしていきました。

しかし、私は生命保険の営業がここまで嫌われるとは予想もしていませんでした。直接生命保険に加入しませんか?というのがつらくなり、

「たまには飲みに行かない?」といって友達を誘って、少しずつ保険の営業であることを知ってもらうという作戦に出るようにしました。

そうなると出費が増え始めます。契約が増えて、収入が増えれば簡単に取り返せる。そう思っていました。

しかし、契約数は増えることなく・・ずっと最低賃金をさまよううことになります。

最低賃金はいくらだと思いますか?

6万円です。月6万円の最低保証しかもらえないのです。

実力主義の世界なので、そこに文句を言っても仕方ありません。

保険の営業はガソリン代、電話代、その他経費はすべて自分持ちです。もちろん家賃補助などもありません。

この中で毎月6万でやっていけますか?

もちろんできません。

150万の貯金は見事3カ月で底をつき

本来は仕事に見切りをつけるべきなのですが、

そこで私は、続けていればお客さんは増えるはずだ。

と固執してしまい、悪いクセが出始めました。

そう・・また借り入れに手を出すようになりました。

昔の同僚やメーカーさんへの営業は無理だと見切りをつけ、

この時点から異業種交流会へ参加し、1から人間関係を作ることにしました。

でも・・

「同級生が保険の営業だからね..]

「親族が保険の営業だから・・」

もう入り込むスキがないんですよね。

私は東京出身なので、何としても契約をとらなければと

東京の同級生にお願いをしたりもするようになりました。

当然飛行機代等がかかります。

借入額は毎月20万ずつ増え始め、気が付いたら300万くらいになっていました。

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借金は雪ダルマ式に増える!

借金が雪ダルマ式に増える理屈はこうです。振り返れば当たり前です。ただ、利用している人はいつか返せると思って見えなくなっています。

毎月生活費が20万不足→借りる→毎月の返済額が増える(最初は数千円なので大丈夫な気がする)→返済額が合計50万くらいになる→毎月の返済額が2万くらいになる→生活費が20万不足から22万不足に増える(返済額が2万増えたため)→最初は20万不足だったのに30万不足に増える

このような流れで、最初は大丈夫だと思っていますが徐々に返済額が増えてどうにもならなくなっていきます。

毎月の生活費が足りない借り入れは、最悪の結果を招きます。

一時的に30万などをかりるだけならまだよいかもしれませんが、毎月借り入れをしないと生活ができない借り入れは絶対に禁物です。

こんなバカな人はいないと思いますが・・・

1つの消費者金融ではもはや借入額は上限を迎え、1社ずつ借り入れ金額は増えて行き、最大で7社、借入額は600万にふくれあがりました。

保険会社を一度リセット、しかし・・

契約をしてくれた人には大変申し訳なかったのですが、私は一度保険会社を変えて、一度収入をもとに戻そうと思い保険会社を移ることにしました。今はわかりませんが、当時は2社くらいまでなら、保険会社は職を変えても採用してくれたのです。

私は新たな保険会社で心機一転でスタートすることになりました。

しかしもはや入社当初の基本給だけでは生活費を補うことができなくなっていました。

最初の数カ月は保険会社は25万くらいを基本給として支給し、後は徐々に基本給は下がりはじめ、業績による給与が大半を占めるようになります。一刻も早く業績給を増やしていくことが必要になります。

しかし、私はその時点ではもはや借金を返済することが最大の目標に変わっていました。保険の営業で18時くらいまで働き、ピザの配達、朝は新聞配達、冷凍庫でのアルバイト、薬の人体実験のアルバイト・・ありとあらゆるアルバイトで何とか返済をしていきました。

保険の営業はそんなに甘くありません。セールスはみんな遅くまで働き、人に会い、いつでも電話に対応して信頼を得て初めて売れるようになっていくのです。

しかし私はその時間はアルバイトをしています。アルバイト中なのでお客様からの電話には出られず、アルバイトの時間に遅れるわけにはいかないので急な要請には対応できない。夜遅くまで働けない。体力的に限界で覇気がなくなる。。

あっという間に保険営業での業績はここでも下がっていきました。

もうやめれば・・

そう思いましたが、やっぱり信用してくれたお客様に

私営業やめます・・と言えなかったんです。

保険の契約を取った人は、毎朝朝礼で金額を発表します。

私は・・ほぼ発表されることはありませんでした。

それはそれはツラいものです。

周りの人はもうやめたらいいのに・・

そんな視線が痛いほど感じます。

でも私は借金を返済しなければなりません。

しかし、ある時今のお客様をそのまま引き継いで新たにスタートできるというお声かけをいただきました。

もちろんそこでも保険の収入でも足りないので、一生懸命でアルバイトをして返済を継続していきました。

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借金返済の恐ろしさ

借金を毎月返済することの恐ろしさは、毎月2万円返済をしていたとしても2万円ずつ減っていくわけではありません。

今例えば200万借金があって、今月2万返したとしても残り198万になるわけではないのです。利息が20%近くになると、2万を返済しても元本充当されるのは8千円くらいです。残りの12000円は利息の返済になります。

200万借金のうち、2万返済しても、残債199万2千円にしかならないのです。

働いても働いても借金は減っていきません。本当にアリ地獄ですよ。

返済に要した時間は10年に及びました。借金増殖中だった5年間を加えてその期間は15年間になりました。でも、返済できるのはまだラッキーだったと思います。

普通はこれだけの金額になれば、自己破産をします。

弁護士を使って任意整理という方法は、もう私の今の借り入れの利息では難しい金額になっていました。任意整理の対象にならない微妙な利息で設定されているからです。

お金がないので何もできない。何かしたくても借金が足かせで挑戦ができない。

周囲から付き合いが悪いと思われる、無気力な人間、やる気がない。

本当はそうじゃない。したくてもできなかった。

誰にも相談できない。借金をした過程も通常の人が考えればかなりのダメ人間を絵にかいたような内容なので誰にも相談できませんでした。

借金は早い段階で返済をするべき。無利息で借りれる親族や知人に頭下げて一気に返済をしていくのが一番です。

毎月返済は本当に利息がもったいないです。

借金生活を通じて得たもの

しかし、借金生活を通じて得たものもたくさんあります。

・借金生活はあたりまえですが絶対にしてはならないことを知ったこと(毎月の生活費の充当は絶対に禁物)

・ありとあらゆるアルバイトを経験した

・認められない、社会の底辺にいると「感じている」人の気持ちがわかるようになった。

・稼ぐためのたくさんの選択肢で持てるようになった

そして最後・・これが一番大きいです。

・利息の恐ろしさをしったことで、利息でお金を大きくふやすことができることを知った。

借金200万をつくると総返済額は300万くらいになります(金利によって変わります)ということは、200万を運用すれば、金利によっては300万にふやせるということです。

リスクはあるものの、コツコツと積み上げた借金を減らすのにあれだけ苦労したのだから、コツコツと増やした投資は簡単になくなることはありません。

私はずっと借金のせいで・・要するに自分のせいで・・本当に誰にも認められない人として一番心が折れるような人生を送ってきました。

今はお金のアドバイスをする側になっています。

人間は誰でも変わることができます。今はこの借金生活がなかったら・・ただ遊び続けて人の痛みも何もわからない人間でいたかもしれない。と思えるようになっています。ずっと世の中を見返したいと思い続けてきました。

いざ安心できるようになれば、「見返したい」という気持ちはどーでもよくなっています。

冒頭のゲーテの言葉はなぜ知ったのかわからないのですが、本当に支えになりました。

借金は計画的に・・

ありきたりですが、どんなことでも人間は乗り切ることができます。もし今渦中にいる人がいるのなら、相当なパワーが必要ですが、神様は乗り越えられない試練は与えません。何とかなるはずです。何とかなるはず!ぜひこのブログがそういった方の支えになればと思います。