実損払いのがん保険は必ず検討しておきたい
- 2019.05.10
- ファイナンシャルプランナー(FP) 医療保険 生命保険
Contents
実損払いのがん保険は必ず検討しておきたい
常日頃私は医療保険への加入の重要性はあまり感じておらず、女性でない限りは極端な話加入しなくても・・
と感じていますが、がん保険となれば話は別です。
がんは発症する確率も高く、手術や通院等の処置を怠ればたちまちがん細胞が増殖して命にかかわる問題になってきます。
手術や治療、検査等は絶対に怠る人はいないと思いますが金銭的なものがネックであきらめざるを得なかったり、初動が遅れたりすることは実際にあり得ます。
若いうちから加入しておけば、がん保険は月々そんなに大きな負担にはなりません。
がん保険従来型のデメリット
ここでいうがん保険の従来型とは、がんになったら手術と入院費用が1日当たり例えば定額で10000円支払われる。
というタイプと定義しましょう。手術代は手術の内容によって左記の日額10000円の40倍(40万円)・20倍(20万)・・と定額で受取れるのが一般的です。
がんの治療は初発のがんについてはおそらくこれで足りるでしょう。
しかし怖いのはそこからです。がんという病気は完治というものがありません。
定期的にがん細胞が再度発生していないかを検査したり、転移していないかを調べます。
再発をしたり転移をして一回の手術では体力的に、技術的に難しいとなると数回に分けてまたは長期間の治療を余儀なくされます。
医療技術は進歩し、がんは闘病しながら生活できる病気に変わりつつあります。
今までのがん保険は、手術や入院代、、よくてがんに関する通院費用、そしてがんで仕事ができなくなった時の生活費用を補償するという保険はありました。
しかしがんが、最初に発生したがんとは因果関係がなくまた発生すれば、別のがんとして再びがん診断給付金(がんとしんだんされたら例えば100万円給付される)や、手術代、入院代が支払われました。がんが、初発のがんとの因果関係があり・・要は転移である場合は、手術代やがん診断給付金は初発のがんの時に払ったでしょ!!ということで給付してもらえないのです。
最初のがんから半年間まったく医療機関にかからず180日間をおけば、認められる可能性がありますが再発が恐ろしいこの病気で半年間も病気にかからずいる人などいるはずがありません。また医者も必ず検査を勧めますので実質180日間空けば別の病気とみなされるというのは、がんに関してはないと思った方が良いです。
がんの再発や長期化がこれまでのがん保険の最大のデメリットでした。
入院代や通院代については無制限としている保険会社がほとんどですが、がんの入通院も近年は入院も短くなり、治療や手術も通院で行うケースも増えています。あまりこの期間を増やしても実用的でなくなってきています。
がん一時金が大きいがん保険
そうなると、がんと診断されたらなんだかんだ多額のお金を受取る保険があればいいよね。
ということで、がん診断一時金の金額を大きくする保険が登場しました。
がんと診断されたら500万、1000万という具合です。これなら、再発しても何とか手術代や長期の手術や一定期間仕事ができなくても安心できるかもしれません。
ところが、この保険はあまりにも人気爆発で売り止めになってしまいました。少し保障額を落としたものはいまだに存在しています。
今でも特約としてがんの一時金で大きな保障を用意できる保険会社はありますが、金額がとんでもない保険料となり、50歳、60歳というがんの罹患率が高くなる年齢になると、がんにならなかったらこのお金どうしてくれるの?くらいの金額になってしまいます。
ということでなかなかがんに対して安価で万全な保障は、存在しませんでした。
実損給付型がん保険の登場
そこで実損給付型がん保険が登場しました。今までのがん保険はかかった手術によって上記の例で行けば40万、20万、10万と金額が決まっていました。また入院費用も1日あたり10000円とか5000円とか定額で決まっていました。それをかかった費用だけお支払するというものです。
実損払いは読んで字のごとくかかった費用を補償するというものです。
もっとすごいのは健康保険の対象にならない自由診療も保障する!
医療保険もそうなのですが、がん保険も健康保険の対象にならない手術は給付金は受取れません。
先進医療も手術部分については健康保険の対象外ですので、先進医療特約がないと給付金が受取れません。
先進医療についてはいまついていない人はほとんどいないでしょうが・・
ところが自由診療部分についてもかかった費用は補償するというのが私は実損給付型がん保険の一番すごいところだと思います。
医療技術は日々進化しており、がんの治療は特に進歩が急速です。
早期に社会復帰ができたり、今まで治療不可能だったがんも治す治療というのが少しずつ生まれてきていますがやはりそのような治療は健康保険の3割負担の対象外、高額療養費の対象外なので実費になってしまい希望する治療をお金の面であきらめざるを得ないケースがありました。
その部分もこの実損払のがん保険はカバーしてくれます。
実損払がん保険のデメリット
ではこの実損払いがん保険にデメリットはないのかというと、あえて言うなら以下の通りです。
①給付限度額がある
通院の給付は1000万が限度です。というような事例です。
確かに抗がん剤治療の金額も莫大な金額で、通院でできてしまう時代です。これを一律保険給付していては、成り立たなくなってしまうのでこの制限はうなずける気もします。
②更新型で、数年ごとに保険料が上昇してしまうこと
ずっと保険料が上がらない商品ではなく、定期的にその年の保険料で更新をしなければなりません。
しかし、加入さえすれば病気になっても更新することができます。
③がん診断一時金が高い
がんと診断されたら100万円、200万という一時金部分をつけると保険料が跳ね上がります。
がん保険は従来型と実損払のいいとこどりをする
実損払いの保険はかかった費用を補償するので特に必要ないかも知れませんが、従来のがん保険の保障内容(日額とがん診断一時金)を仕事ができない時の毎日の生活費をまかなう目的として加入。こちらは終身払いなので、とりわけ若いうちに加入をしておくと毎月払う保険料という視点でみれば安くなります。
実損払の方を手術代とがん入院代、通院代金を賄う目的で加入。
この2つのがん保険の組み合わせで、がんの保障はほぼウィークポイントがなくなります。
とにかくこの実損払いのがん保険の存在をしっておいてほしいです!
- 前の記事
平均的な生活費、支出はどれくらいですか? 2019.05.10
- 次の記事
医療・がん保険の日額の考え方|FPが教える加入の目安 2019.05.10